EMANの物理学 過去ログ No.1073 〜

 ● 疑問点

  投稿者:一般大学生 - 2007/02/06(Tue) 00:58  No.1073 
最初の疑問が、

・運動方程式から導ける複数の式を何故連立して解くのか。

というものでした。私は運動方程式からどちらも導ける以上、情報に差は無いはずで、両方使って解くくらいなら一方でも解けるはずなのではないか、という印象を持っていました。

なんだか考えの一部が妙にまとまったので、それを書くことにします。

『ニュートンの運動方程式から各保存則は導出することは出来る。保存則はつまり、ニュートンの運動方程式が成り立つ世界の中に対称性が式として表れたものであるからだ。運動方程式の中には既に対称性があって、包含関係を表すと、

(運動方程式が成り立つ世界)⊆(対称性のある世界)

となるから、運動方程式が成り立つなら対称性が保証されている。そこに「保存則が導出される」という状態が生まれる。
ただし、運動方程式の表す対称性は、「限られた対称性」に過ぎず、運動方程式から保存則が演繹される、とは言えない。』

どうでしょうか。とりあえずこれが間違ってないとするとある程度疑問が集約されるように思うのでそれを書きます。

・各保存則はニュートンの運動方程式が成り立つという仮定のもとには、確実に運動方程式から導かれることになるが、式を連立させる原因となっている、「それらの情報の違い」は何か?それぞれに初期値が必要、の一言で片付くのか、それとももっと深い内容が含まれるのか?

括弧内の文が全然ダメ、ということなら別で質問を練って出直します!

  投稿者:sho - 2007/02/06(Tue) 11:35  No.1075 
はじめまして、横から失礼します。京大一年生さんに東大一年生から。
僕は物理を主に勉強してるわけではないのであまり詳しくなく、「対称性」という言葉もよく知らないのですが、初等的な知識の程度で僕の考えを述べます。
始めの情報から導かれるそれぞれの保存則の情報の差は何なのか、というのがテーマだと思いますが、それぞれの保存則が持つ情報は始めの情報に対して「漏れ」があります。つまり必要条件ではあるが十分条件ではない、ということです。例えば運動量保存則であれば、その中に「力の大きさについての情報」は一切含まれていません。これは力を上手く相殺させて式を得ている故です。これに対しエネルギー保存則には「力の大きさについての情報」が十分に含まれています。力の情報と同等の位置エネルギーの情報が式に組み込まれているからです。
結局、各保存則はそれぞれ単独ではもとの情報を復元するのに不十分であるが、それらを連立させればもとの情報と同値の言い換えとなる、ということではないでしょうか?
「x+y=2‥@かつx-y=3‥A」という連立方程式を解く際に、「@かつA」⇔「@+Aかつ@−A」という同値変形をするのと似たようなものだと思います。@+Aや@−Aそれぞれ単独では元の式を復元できないということです。

  投稿者:MaT - 2007/02/06(Tue) 13:16  No.1077 
こんにちは、建築構造設計をやっていますMaTです。

エネルギー保存則と言うのは、運動の微分方程式を解いた結果を、うまくまとめたもので、これを使うと微分方程式を解く代わりに結果を簡単に得られる。
という印象を持っています。

たとえば、最初の質問の中に出ていた、物体の衝突ですが、反発係数まで考えると4階の微分方程式になります。途中まで解きましたが、私の数学力では無理ということで挫折しました。
反発係数100%の完全弾性反射でも2階の微分方程式です。これはなんとか解けましたが、苦労したかいあって、衝突の瞬間の速度変化はSin関数になることがわかりました。
考えてみれば当然の結果なのですが、衝突と波動伝達は同じ現象なんですね。

とまぁ、こんな感じで、エネルギー保存則は、微分方程式をすっ飛ばして、結果を得るためのテクニックと割り切ってはどうでしょうか。

  投稿者:sym - 2007/02/07(Wed) 01:58  No.1079 
はじめまして。
私は工学を学びながら、趣味で物理をやっている大学生です。
議論を聞いていたら、どうしても発言したくなってしまいました。

物理用語としての‘対称’あるいは‘保存’って難しい言葉ですよね。なんとなくわかる気がするけど、よくわからない。場合によっては全然わからないときもあって、感覚を捨てて、式のみを頼るしかなくなってしまう、そんなものだと思っています。EMANさんがどこかのページで述べていたと思うのですが、(うろ覚えですみません。)私はエネルギーとは、何時でも使える便利なメモみたいなものだと考えています。

ところでエネルギーが熱として散逸する場合を考えるとこのメモは少し使いにくくなってしまいます。
しかしながら、もし、その問題を考える上で便利な、新しいメモを見つけることができれば、そのメモに数字を書くだけで簡単に運動の様子を記述することができます。

一般大学生さんが考えの一部と断っているように疑問が生じたのは自分の中で考えがまとまってないせいで、整理がついてないないだけのようにみえます。あやふやに一般の場合を考えるのではなく、まず問題設定をして、そこに何があるか、どんな力が働くかを決めて考えてみてはいかがでしょうか?

  投稿者:金澤 - 2007/02/07(Wed) 12:31  No.1082 
連投失礼します。風邪を引いて仕事を休んでいるので、熱でてきとうな話だったらごめんなさい。
一般大学生 さんの疑問は2つあり、それが相関しているかどうかがネックになっているように思えます。
1つめが運動方程式と、エネルギー・運動量保存則の持つ情報の違い。
2つは運動方程式の対称性とエネルギー・運動量保存の対称性の違い。
そして、ネックになっているのは、「持っている対称性の違いで情報の差が生じているのかどうか」、ここだと思います。
まず1つめに対する私の見解ですが、明らかに運動方程式の方が情報を多く持っていると言えます。しかしそれは全ての時刻で各物体にはたらく力の情報を持っている故です。運動方程式それ自体が持っているのでは無く、式を用いるあなた自身が持っているのです。エネルギーは空間について積分することで空間の情報を失い、運動量は時間についての情報を失います。物の売り買いを考えてみて下さい。3000円払ってCDを買います。これが運動方程式に相当し各時間、時間の具体的な動きを教えてくれます。これを1日のスパンで見てみましょう。いつ何を買ったかは分かりませんが私の財産は保存していることでしょう。しかし財産だけを見ても具体的な現金の時間変化の情報は失われてしまっています。つまりエネルギーや運動量の保存則は途中経過の情報を失っているのです。なのでshoさんの仰る様に途中経過の情報を復元するには2つの保存則を用いるか、もしくは2つでは復元出来ないのです。(例えば3体の衝突)
そして2つめですがエネルギー・運動量の保存則をニュートンの運動方程式から導く際には対称性として作用反作用の法則を用います。これは運動方程式それ自身の持つ対称性ではなく、外から持ち込まれる物です。つまり対称性に違いが生まれる訳ですが、具体的に運動方程式を用いて運動を見るときにも作用反作用を用いるため、本質的な差では無いと言えます。つまり私がネックだと思った「対称性の違い」で「情報量の違い」が発生している訳ではない、という結論に達します。
以上が一般大学生さん の疑問の答えになっていれば良いのですが、なんだかすごい長くなってしまいました、乱筆乱文失礼しました。

  投稿者:一般大学生 - 2007/02/08(Thu) 22:37  No.1090 
>shoさん
お、東大一年生ときた。よろしくお願いします!
んと、情報の話はなるほどと思いましたが、エネルギー保存と運動量保存で「力の情報」の有無の差が出るのは、単にどういう系で見るかの問題じゃないですか?例えば落下運動の位置エネルギーは確かに力の情報ですが、じゃぁ地球の引力による力積を考えたら話は同じですよね?ん、自分が言ってることの方がよっぽど的外れな気がしてきました・・・ん〜よくわかりません。(笑
あとその連立方程式についてですが、それってどうしてその二式を持ち出して初めて同値になるんでしょうかね?そこでは例えば線形代数を持ち出して説明する必要って、やっぱりあるんでしょうか?

>MaTさん
四階!?Sin関数!?そうなんですか。それは面白い話ですね・・・(単に何もわかってないからかもしれませんが)

ん〜、テクニックだと割り切ることはまったくもって、いつでも可能なことですね。正しい姿勢かもしれませんが、私はどうも横着なので中々おとなしくしていられないタチなんです。

>symさん
問題設定・・・なるほど。そうですよね。もう少し手を動かすことは必要かもしれません。有益なコメントをありがとうございます。

>金澤さん
おぉ!なるほど!
逆に言えば細かい情報を必要とせず保存則の式は書けるわけですよね。あ〜なんかだいぶすっきりしてきました。
ただ、積分という操作のどういう性質において情報は失われているんでしょうか?積分したせいで結果論になってしまうなんて、どこか納得のいかない部分がありますが・・・

  投稿者:sho - 2007/02/10(Sat) 02:57  No.1091 
力積を考えるのなら外力があるわけなので運動量保存則とは別の話になりますよね?地球まで系に含めれば力積がキャンセルされて運動量が保存されます。
じゃあ力積を含んだ式はどうなのかというと、これは元の運動方程式と同値と考えていいと思います。あくまで運動量保存則の導出で同値性が崩れてしまう原因は、力の情報を消してしまうところにあるんではないでしょうか?
あと、金澤さんは積分によって情報が失われると仰っていますが、僕は違うんじゃないかなぁと思うんですが如何でしょう?時間積分は時間微分で元に戻せますし、また空間積分の場合は、といってもこれは時間に沿った経路上での線積分なので結局実は時間積分じゃないでしょうか?エネルギー保存則の導出で同値性が崩れるのは線積分の際に「内積をとる」ことが原因であるように思います。

  投稿者:一般大学生 - 2007/02/10(Sat) 11:08  No.1092 
>力積を考えるのなら外力があるわけなので運動量保存則とは別の話になりますよね?地球まで系に含めれば力積がキャンセルされて運動量が保存されます。

あ、いや私は要はそれを言ったつもりなんですが・・・
あ、エネルギーの場合はキャンセルしようにもできないのか。

確かに力=質量×加速度で質量は与えられてると考えれば、力の情報が残ってるかどうかは決定的に見えるような気もしますね。なるほど。

積分の話については様子見しようかなと思います。

今まで丸投げして頭使ってこなかったので、そろそろ自分でも考えていこうと思います。

  投稿者:sho - 2007/02/10(Sat) 21:01  No.1093 
ごめんなさい。今良く考えてみたら内積とかあんまり関係ないように思えてきました。積分して得た関数にある時間を代入して、その値だけ見て関数の情報を捨てることが原因なのかな?
結局金沢さんの仰ったことか。
僕も混乱してきました。

  投稿者:明男 - 2007/02/11(Sun) 12:41  No.1094 
こんにちは。

どうも、原理、法則のレベルの話と実際に問題を解く場合の話がごちゃまぜですね。
原理原則のレベルに限るなら、外力=0で考えればよいし、実際の問題なら、問題設定を具体化して、個々の意味合いを吟味すれば、明確になるでしょう。
「情報」と言う言葉も何を指して言っているのか、コンセンサスが曖昧です。具体的な物理量で表現し、何を前提にどういう状況を思考実験しているのか、共通の認識の下でないと議論の内容が噛み合いませんね。
その意味でも、比較的紛れの無いのは数式の表現ですから、できれば式で説明するのがベターではないですか。

  投稿者:高校生 - 2007/02/13(Tue) 12:08  No.1095 
はじめまして。今受験真っ最中の高校生のものです。
面白そうな議論だったので、コメントしてしまいました。

積分で情報が失われてしまうということですが、なんとなくそれは違うかなぁと思います。なぜなら、ラグランジュ力学などではニュートン力学で積分して出したエネルギーを関数として扱って、微分することでニュートン力学と同等であることが示されているからです。
 恐らく、個別の問題を解くときは保存則は、運動方程式を適当な変数で定積分してしまったことと同じなので、情報が失われているように感じるのだと思います。反発の問題などもδ関数の近似をすると運動方程式からも簡単に解くことが出来ますよね?反発の式はそれと同じことだと思います。
 定積分の際に積分区間を位置や時間の関数としておけば、原理的にはきちんと同等の議論が出来るのだと思います。保存則を連立するのは、エネルギーは時間で積分してしまっていて、運動量は位置で積分しているから、両方の情報が必要なときは二つ使うのだと思います。(たぶん運動方程式から解くときは、これらのことを条件に含めてしまってささっと解いてしまっているのでしょう。)