EMANの物理学 過去ログ No.919 〜

 ● 更に質問を・・・

  投稿者:一般大学生 - 2007/01/18(Thu) 00:03  No.919 
ガツガツと書き込んで申し訳ないのですが。

EMANさんの日記のところを読んでいて、ベルヌーイの定理の話のところにぶちあたった時に思ったことです。

私が以前受けた物理の講義の中で、教授が飛行機が飛ぶ理由を説明していました。「板を斜めに向けて前へ押し出しても、上へ浮く力は生じない。飛行機はベルヌーイの定理で説明される揚力によって飛んでいるのであって、空気からの反作用では飛行機は飛べない。」と言っていたのです。私は納得出来なかったので直接詳しい説明を受けに行き、とりあえず理由らしきものを聞き出したのですが、イマイチつかめませんでした。だって板を正面に持って真っ直ぐ前に押したら、確実に抵抗力を感じられますよね。上向きの成分が無い道理が無いし。

後日、私がその頭脳に信頼をおいている(勉強嫌いで知識はゼロに等しいですが)、ある友人にその話をしました。その友人は、偶然にもその時カッターで割り箸を削りながら竹とんぼを作っていました。(彼曰く、適当に削ったら作れるそうです。彼は工作に非常に優れていると思います)
それで、その友人は説明した途端、即座に言うわけです。そんなわけがあるか、と。とりあえず私は、教授の言っていた説明で説得を試みることにしましたが、案の定全く不可能でした。
最後に手元の竹とんぼに目を落として、「だってこれ飛ぶやん。」と言うわけです。お手上げです。彼に賛成しました。(元々自分の理論だけならもちろんそちらに賛成だったのですが。)

なんとなく個人的に彼が竹とんぼを作っている姿に思い入れがあるので、妙にエピソードを語ってしまいましたが、とにかくその問題はそのままになってしまっていたのです。

で、今日EMANさんの記事を見て、そこからのリンクにもわかる範囲で軽く目を通してみたのですが、やはりベルヌーイの定理だけで浮くことを説明するのには無理があるということですよね?この記事を使いつつ教授に疑問を投げかけてやろうと思っているんですが、その前に意見を聞いておきたくてこんな長い書き込みをしてしまいました。

何の知識も無い相手に説明するのは骨の折れる作業かもしれませんが、何か少しでもわかる範囲でお話を聞かせていただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

  投稿者:EMAN - 2007/01/18(Thu) 12:27  No.921 
> ガツガツと書き込んで申し訳ないのですが。

 いや、そういう人がいてくれると盛り上がってとても嬉しいです。 しかしこの話題は盛り上がりすぎる可能性があるので、少々怖れます。 私自身、流体力学の細部までは知らないので、途中からは黙らざるを得ないことになるかも知れません。



> 板を斜めに向けて前へ押し出しても、上へ浮く力は生じない。

 まずこれだけでも事実と反しますね。 車から手のひらを出して斜め向ければ、手に上向きの力が掛かるし。

 作用反作用説に反対するのはまだちゃんと流体力学を理解できていない人だけだと思っていたのですが、専門家の中で、さらに教える立場にある人の中にもいるわけですね。 はぁ。


 David Andersen氏が何十年もかかってベルヌーイ説がおかしいと理解できたとか話題になっているけれども、それも変。 余りに時間を掛け過ぎである。

 世間一般の人は「飛行機が飛ぶ理由はまだ分かっていないんでしょ?」なんて信じてしまっているようだし。 これも大問題だ。


 その日記(2006年10月31日)の後、しばらく書いてみた下書きがあるので、急遽、抜粋してアップしておきました。
 言いたいことは詰め込んでありますので参考にどうぞ。

http://homepage2.nifty.com/eman/dynamics/fluid.html

  投稿者:明男 - 2007/01/18(Thu) 13:04  No.922 
一般大学生さん、こんにちは。
うん、うん、この方がずっと書きやすい。
ある物理的現象の解釈というのは常に最新の研究成果を追っている専門家でないかぎり、当人の学習した時期の通念に縛られていることが多いものです。
平たく言えば、思い込み、ですね。
この「思い込み」は厄介なもので、大学者の論争を見ても、近所のおっさんおばさんレベルの水掛け論を何十年も繰り返していることさえあります。最悪なのは「おれが正しい。だから、お前が間違っている」論理と「どこそこの偉い先生がこう言った、ああ言った」虎の威を借る論理です。両者とも、では、あなた自身の考えたプロセスを示して下さいと言うと、逆切れします。ご注意を。
ともあれ、正邪を突き詰めるのは己の考えにおいてのみ、相手を問い詰めてはいけません。論争は結構なことです。しかしハイレベルなそれは決して感情的でなく、クールに知性的なものであることを心がけて下さいね。
全くの老婆心ですが、自分の経験を踏まえて、一言付け加えておきました。では。
頭を使うとは、つまり、そういうことだと思います。

  投稿者:ワイル - 2007/01/18(Thu) 13:21  No.923 
こんにちは。。。

>> 流体力学

ご承知のとおり、古典電磁気学では、ベクトル解析を、相対論・ゲージ理論では、テンソル解析を、それぞれ数学道具として使っているわけですが、ベクトル解析は、流体力学でも使っていますし、テンソル解析は、弾性体力学でも使っているようですね(というより、ベクトル解析やテンソル解析の発祥が、流体力学や弾性体力学のようで)。

流体力学や弾性体力学において、ベクトルの発散(div)や回転(rot)は、空気や水といった流体の湧き出しや渦といった現象でしょうし、テンソルは、スポンジ、あるいは、金属や木材などの弾性体(固体)が圧力や衝撃を受けたときの"応力"や”歪み”を表す、「応力テンソル」や「ひずみテンソル」として登場します。
[ちなみに、流体力学は、その名の通り、空気や水といった流体における現象を扱い、弾性体力学は、固体による現象を扱うようで、それぞれ、土木工学、航空力学や材料工学などの工学分野への応用も豊富です]

電磁気学や相対論・ゲージ理論における電磁場・重力場・ゲージ場における現象は、目では見ることはできないけど、流体力学や弾性体力学における、目に見える現象からの類推でとらえることで、より分かりやすくなると思いませんか?

私も、そういう電磁気学や相対論・ゲージ理論の理解のため、ということで、流体力学や弾性体力学に興味を持ち始めています。

流体力学と弾性体力学をあわせて、”連続体力学”というようですが、この”連続体力学”の視点で、電磁気学・相対論を解説している手ごろな書籍として、
岩波講座・物理の世界・応用・物の理・数の理「3.数学からみた連続体の力学と相対論」(砂田利一・著)
http://www.amazon.co.jp/s?ie=UTF8&keywords=%E9%80%A3%E7%B6%9A%E4%BD%93&tag=159250-22&index=blended&page=1
を見つけました。

まあ、ベクトル解析やテンソル解析といった数学道具によって、連続体力学の現象(流体、弾性体)と、電磁気学・相対論・ゲージ理論の現象(電磁場・重力場・ゲージ場)とを、同じような視点・考えで捉えることができる、ということで、数学の便利さを感じることでしょう[次いで、確率・統計という数学道具は、量子力学・統計力学といった物理学と、金融工学などで使われているので、この両者で扱う現象は、類推ができるようです]。

どうも、余計な話でおじゃましましたが、ご参考まで、ということで。。。

  投稿者:EMAN - 2007/01/18(Thu) 13:25  No.924 
私も教授をやり込めに出かけるのは賢くないと思いますよ。

 これ参考。
http://homepage2.nifty.com/qm/100.html

  投稿者:一般大学生 - 2007/01/18(Thu) 15:38  No.925 
>EMANさん
なるほど。面白い記事をありがとうございます。
その教授は、翼の下側にぶつかる空気分子は、翼にぶつかりはするものの、翼の部分を通り過ぎれば方向を変えられることはなくそのまま右へ流れていくと考えられ、上下面とも翼のそばを斜めに通り過ぎてまた真っ直ぐな軌道に戻るだけであって、なんの反作用も得られないのだという説明をしていました。
圧力差って説明を使ってる時点で空気がぶつかってる話じゃないのか、と思いましたが、どうも上手く話がまとまりそうもなかったので黙ってしまいました。

>明男さん
すると彼のこの考えは、やはりある程度その思い込みというのに分類されるものなんですね。
中学高校時分沢山見てきましたが、大学にも悲しい現実というのは転がっているのですね・・・。

>ワイルさん
「電磁気学や相対論・ゲージ理論における電磁場・重力場・ゲージ場における現象は、目では見ることはできないけど、流体力学や弾性体力学における、目に見える現象からの類推でとらえることで、より分かりやすくなると思いませんか?」
の部分、非常に共感いたします。もちろん私がわかるのは電磁気学の初歩の部分のみですが・・・・
個人的には分かりやすくなる代わりに、「流れ的なもの」で電磁気が理解出来てしまっていいのか!?とも、なんとなく思ってしまいますが。

>ALL
私が教授に意見することについてですが、私は例えば理論武装して教授を叩きにかかることや、間違っているじゃないかと怒りに震えて教授の前に立つことなどは、一切考えていません。ただ、彼はとても学生の意見を貴重に扱う人物だし、普段から「私の言っていることは疑って下さい」といつも言っている人のようなので、それはこうなのではないか?という提案をするために力無き学生が何か頼りになる話を探してみただけです。
EMANさんが挙げて下さった参考の記事の中にある格言のようなものは、私は科学の世界をよく知らないにしても、なるほどそうなのだろうなと思わされるところがありますね。

そしてそういった類の言葉を見るといつも、人間ってつまらない生き物だ、と思ってしまう節があると同時に、それが正しい姿勢なのかもしれないな、とも思います。

  投稿者:ワイル - 2007/01/18(Thu) 15:53  No.926 
こんにちは

>>個人的には分かりやすくなる代わりに、「流れ的なもの」で電磁気が理解出来てしまっていいのか!?とも、なんとなく思ってしまいますが。

まあ、現代的には電磁場なども、一種のエネルギーや量子などの流れ(の場)、といえるのではないでしょうか?+

新しい考えを知るために、教科書や専門書でなくて、量子電磁力学、場の量子論や超ひも理論などの、分かりやすい一般向け解説書(ブルーバックスなど)を読んでみるのも良いと思います。

  投稿者:ワイル - 2007/01/18(Thu) 23:52  No.931 
こんばんは

>>電磁気学や相対論・ゲージ理論における電磁場・重力場・ゲージ場における現象は、目では見ることはできないけど、流体力学や弾性体力学における、目に見える現象からの類推でとらえることで、より分かりやすくなると思いませんか?

>>個人的には分かりやすくなる代わりに、「流れ的なもの」で電磁気が理解出来てしまっていいのか!?とも、なんとなく思ってしまいますが。

通常の3次元形式によるマクスウェル電磁場方程式
http://homepage2.nifty.com/eman/electromag/maxwell2.html
の意味を、流体力学的に捉えると、
(1) div D = ρ  
 -> (電場の涌出し量) = (電荷密度)
(2) div B = 0
 -> (磁場の涌出し量) = (存在しない)
(3) rot E + ∂B/∂t = 0
 -> (コイルに発生する電場の渦) + (コイルを貫く磁場の時間的変化量) = (打ち消されてなし)
(4) rot H = i
 -> (コイルを貫く磁場の渦) = (コイルに流した電流の密度)
となります。
また、電荷保存則も、
(5) ∂ρ/∂t + div i = 0
-> (電荷密度の時間的変化量) + (電流密度の湧出し量) = (打ち消されてなし)
となります。

ここで、電場Eや磁場Bと、スカラーポテンシャルΦやベクトルポテンシャルAとの関係は、
(6) E = -grad Φ - ∂A/∂t
-> (電場の強さ) = - (スカラーポテンシャルの傾き) - (ベクトルポテンシャルの時間的変化量)
(7) B = rot A
-> (磁場の強さ) = (ベクトルポテンシャルの渦)
となります。

ニュートン重力場F も、
(1) div F = 4πG・ρ 
 -> (重力場の湧出し量) = 4・(円周率)・(重力定数)・(質量密度)
(2) rot F = 0
 -> (重力場の渦) = (存在しない)
と、表現できます。

ここで、ニュートン重力場Fのポテンシャルをuとすると、
(3) F = -grad u
-> (重力場の強さ) = - (ポテンシャルの傾き)
となります。

また、一般相対論の重力場方程式や、ゲージ理論のゲージ(ヤンミルズ)場方程式は、弾性体力学流には、以前から書いているとおり、それぞれ、
(4次元時空の歪み) = (定数) × (運動量・エネルギー)
(内部空間の歪み) = (定数) × (電荷密度)
のように表現できるわけです。

そして、超ひも理論やM理論では、
(11次元時空の歪み) = (定数) × (11次元の運動量・エネルギー)
の形の方程式を目指している、というわけです。

以上の方程式は、「場の方程式」といって、「場」という空間・時間の中の特別な領域を表現する方程式です。

あとは、その「場」の中で運動する粒子の動きを記述する方程式として、
・ニュートンの古典的運動方程式(あるいは、これをローレンツ共変に修正した特殊相対論の運動方程式) -> 古典的な重力場や電磁場での粒子の運動方程式
・量子力学のシュレディンガー波動方程式(あるいは、これをローレンツ共変に修正したクライン・ゴルドンやディラックの相対論的波動方程式) -> 量子的な電磁場やヤンミルズ場での粒子の運動方程式
・一般相対論の測地線方程式 -> 一般相対論の重力場における粒子の運動方程式
があります。

さて、11次元の超場方程式
(11次元時空の歪み) = (定数) × (11次元の運動量・エネルギー)
ができたとして、その「超場」の中で運動する粒子の運動方程式は、どのようになるのでしょうか?

超ひも理論やM理論は、
・11次元の超場方程式
・超場の中における粒子の運動方程式
の2つの方程式が完成して、はじめて、理論の完成、となるのでしょう。

  投稿者:ワイル - 2007/01/19(Fri) 11:26  No.933 
>>電磁気学や相対論・ゲージ理論における電磁場・重力場・ゲージ場における現象は、目では見ることはできないけど、流体力学や弾性体力学における、目に見える現象からの類推でとらえることで、より分かりやすくなると思いませんか?

>>個人的には分かりやすくなる代わりに、「流れ的なもの」で電磁気が理解出来てしまっていいのか!?とも、なんとなく思ってしまいますが。

古典的な場(ニュートン重力場、クーロン静電場、クーロン静磁場、マクスウェル電磁場、アインシュタイン重力場、ヤンミルズ・ゲージ場)を、全て、ベクトル場やテンソル場についての流体力学(湧出し、渦)的イメージで捉えてみましょう。

(1)3次元の場

まず、
・ニュートン重力場
・クーロン静電場
・クーロン静磁場
は、3次元におけるベクトル場として表現できます。

ニュートン重力場およびクーロン静磁場については、
(場の湧出し量) = (定数) × (場の源の量)
(場の渦の量) = (存在しない)
[ 場の源の量:ニュートン重力場では質量密度、クーロン静電場では電荷密度 ]
と表現できます。
一方、クーロン静磁場については、
(場の湧出し量) = (存在しない)
(場の渦の量) = (定数) × (電流密度)
と表現できます。

つまり、ニュートン重力場やクーロン静電場は、
・場の源となる量(質量、あるいは、電荷)から、湧き出しているイメージ
といえますし、クーロン静磁場については、
・電流が流れているコイルの周りに「渦状」に発生するイメージ
といえます。

(2)4次元の場

次に、
・マクスウェル電磁場
・アインシュタイン重力場
・ヤンミルズ・ゲージ場
は、いずれも、4次元のテンソルの場として表現できます。

まず、マクスウェル電磁場について。。。

以下、ちょっとややこしい数式が入りますが、数式自体は無視しても構いません(方程式の意味づけが重要)。

マクスウェル電磁場の4次元電磁場テンソルをF[i,j]、4次元電荷密度をJ[i]、4元偏微分演算子を∂[i]とします。

すると、電磁場方程式は、
∂[i]・F[i,j] = 4π/c・J[j] (c:真空中の光速) ・・・ (a)
∂[k]・F[i,j] + ∂[j]・F[k,i] + ∂[i]・F[j,k] = 0 ・・・ (b)
と表現できます(これの正確な形は、
http://en.wikipedia.org/wiki/Maxwell%27s_equations
のかなり下にある
「Formulation of Maxwell's equations in special relativity」
にあります)。


このうち、(a)の左辺は、4次元の電磁場についての湧出し量を意味し、つまり、
(4次元電磁場の湧出し量) = (定数)×(4次元の電荷密度)
となります。
一方、(b)の左辺は、4次元の電磁場についての渦の量を意味し、
つまり、
(4次元電磁場の渦の量) = (存在しない)
ということになります。

また、一般相対論のアインシュタインの重力場方程式の左辺(アインシュタイン・テンソル)や、ゲージ理論のヤンミルズのゲージ場方程式の左辺(ヤンミルズ・テンソル)も、それぞれ、(4次元における)重力場およびゲージ場の湧出し量を意味する、といえそうです。

すると、一般相対論の重力場方程式は、
(重力場の湧出し量) = (定数)×(4次元の運動量・エネルギーの密度)
と、ゲージ理論のヤンミルズ場方程式は、
(ゲージ場の湧出し量) = (定数)×(一般化された4次元の電荷密度)
のように表現できます。

また、この場合のアインシュタイン・テンソルおよび、ヤンミルズ・テンソルは、それぞれ、いわゆる「ビアンキの恒等式」とよばれる関係式を満たす必要があります。

この場合、重力場およびゲージ場における共変微分というものを定義する。すると、アインシュタイン・テンソルやヤンミルズ・テンソルについて、マクスウェル電磁場テンソルについての(b)の式にあたる恒等式になりますが、それが「ビアンキの恒等式」です。
http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/bianchi.html

それは、それぞれ、
(重力場の渦の量) = (存在しない)
(ゲージ場の渦の量) = (存在しない)
と、表現できます。

こうして、4次元における3種類の場
・マクスウェル電磁場
・アインシュタイン重力場
・ヤンミルズ・ゲージ場
は、どれも、
(4次元の場の湧出し量) = (定数)×(4次元の場の源の量)
(4次元の場の渦の量) = (存在しない)
と表現することができ、いずれも、3次元におけるベクトル方程式で表されたニュートン重力場およびクーロン静電場の方程式を、4次元におけるテンソル方程式に拡張した形になった、といえましょう。

そして、4次元では、
・電磁場
・ゲージ場
・重力場
のどれもが、
・場の源となる量(電荷、あるいは、運動量・エネルギー)から、湧き出しているイメージ
で捉えることができる、といえましょう。

こうして、ニュートン重力場、クーロン静電場、クーロン静磁場は、いずれも、3次元ベクトル量についての流体力学的イメージとして、マクスウェル電磁場、アインシュタイン重力場、ヤンミルズ・ゲージ場は、いずれも、4次元テンソル場についての流体力学的イメージとして、捉えることができるでしょう。

また、以上により、
・湧出しがあるところには、渦は生じない
・渦があるところには、湧出しは生じない
ということもいえましょう(それは、空気や水についての現象でからも類推できるでしょう)。

さて、超ひも理論やM理論では、
(11次元超場の湧出し量) = (定数)×(11次元の運動量・エネルギーの密度)
(11次元超場の渦の量) = (存在しない)
といった形にできるのでしょうか?

また、超ひも理論やM理論は、正確には、上述の2つの場の方程式と、
・11次元超場における粒子の運動方程式
の3つの方程式が完成して、はじめて完成となるのでしょう。

  投稿者:一般大学生 - 2007/01/19(Fri) 13:53  No.935 
>ワイルさん

こんにちは。とてもいい話をありがとうございます。

静電場、静磁場については電磁気をやる中でそういったイメージを一応ほぼ完璧に持っていたつもりです。(あ、スカラー、ベクトルポテンシャルのとこはまだやってませんが)ニュートン重力場に関しても同じことになるだろうという考えも出来ていました。

そして私が言ったのは、そういう風に解釈出来るようになっているのはわかるが、そういう風に解釈出来るようになっているということ自体に違和感を感じるということです。そんなものが「ものの流れ」として説明されていいのか?と。
それは理解していただいていたんであれば、余計な発言をすみません。

それにしても、マクスウェル電磁場やアインシュタイン重力場は(残りの一つは名前も知りませんでした。恥ずかしながら。)四次元で同じように表現出来るんですね!これを聞いたのは凄く大きな収穫だと思います!ワザワザ長文を面白い形で書いていただき、ありがとうございます!

  投稿者:ワイル - 2007/01/19(Fri) 14:02  No.936 
こんにちは

>>それにしても、マクスウェル電磁場やアインシュタイン重力場は(残りの一つは名前も知りませんでした。恥ずかしながら。)四次元で同じように表現出来るんですね!これを聞いたのは凄く大きな収穫だと思います!

最後のヤンミルズのゲージ場の方程式というのは、ゲージ理論や「場の量子論」などを勉強しないと出てこないものですが、マクスウェルの電磁場方程式を拡張した方程式です。

これは、原子核や素粒子の世界で現れる2種類の力、
・弱い力 ・・・ 中性子のベータ崩壊などの原因となる力
・強い力 ・・・ 原子核の陽子・中性子(現代的には、クォーク)を結びつける力
の理論の基礎となる方程式です。

このヤンミルズのゲージ場方程式は、マクスウェルの電磁場方程式と違い、ベクトル・ポテンシャルについて「非線形」の方程式です(アインシュタインの重力場方程式は、計量テンソルについて、非常に複雑な「非線形」方程式です)。

ヤンミルズ方程式が、どんな形の方程式であるかの紹介は、ここの「EMANの物理学」のリンクにもある
「スペクトロ・アセニアム 知の現代」
http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/index.htm

「第27回 マクスウェル方程式−ヤン・ミルズ場への拡張(1)」
「第28回 マクスウェル方程式−ヤン・ミルズ場への拡張(2)」
などがあります。

また、書籍では、高校の数学・物理の知識で読めそうで、価格・量なども手ごろなものとして、

・「素粒子の物理」(相原博昭・著/東京大学出版会)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31694130
・「いま、もう一つの素粒子論入門」(益川敏英・著/丸善出版・パリティブックス)
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/book_data/search/4621044958.html

などがあります。
どちらも、ヤンミルズ方程式だけでなく、広くゲージ理論や場の量子論、素粒子論を紹介しているものです。

  投稿者:一般大学生 - 2007/01/19(Fri) 14:06  No.937 
ふむふむ。その二つの力は、名前と多少の内容くらいは読んだことがありますね。

あぁ〜面白そうですねぇ!なんかウズウズする話です!少しずつ学んでいきます!

  投稿者:ワイル - 2007/01/19(Fri) 14:26  No.938 
>>あぁ〜面白そうですねぇ!なんかウズウズする話です!少しずつ学んでいきます!

クーロンの静電気・静磁気の法則は、クーロンが、ニュートンの重力(万有引力)の法則に真似して作ったことで似ています。

それと同様に、C.H.ワイルや、ヤン・ミルズといった人たちのゲージ理論は、アインシュタインの一般相対論にヒントを得て作り、そのこともあって、ゲージ理論と一般相対論は、数学的構造が良く似ています。

ただし、
・C.H.ワイルのゲージ理論 ・・・ 可換(アーベル)なゲージ理論 = ほぼ、電磁場の(幾何学的)理論
・ヤン・ミルズのゲージ理論 ・・・ 非可換(非アーベル)なゲージ理論 = これは、弱い力・強い力の基礎理論
となっています。

まあ、
ニュートンの法則 vs クーロンの法則
一般相対論 vs ゲージ理論
とならべると、どちらも数学的に似通っています。

このことが、統一場理論や超ひも理論への出発点なのでしょう。

>> 可換(アーベル)、非可換(非アーベル)

電磁場は、1個の粒子(クライン・ゴルドンやディラックの相対論的波動方程式を満たす粒子)を変換する場であり、その変換を行う作用素(ベクトル・ポテンシャルの基底)は、大きさ(絶対値)が1である、通常の複素数です。

通常の複素数は、掛け算について交換則(A・B = B・A)が成り立ちますので、電磁場は、「可換(アーベル)」な場、というのです。

一方、弱い力の場や強い力の場は、それぞれ、2個あるいは3個の粒子の組を変換する場であり、その変換を行う作用素(ベクトル・ポテンシャルの基底)は、大きさ(行列式)が1である、2行2列、あるいは、3行3列の(複素数の)行列になります。

行列は、掛け算について、交換則が、一般に成り立たないので、弱い力の場や強い力の場は、「非可換(非アーベル)」な場、というのです。

また、作用素は、電磁場では1種類しかありませんが、弱い力の場では3種類、強い力の場では8種類、それぞれ存在します。
そのことで、弱い力の場や強い力の場を扱う「非可換(非アーベル)」なゲージ理論は、電磁場を扱う「可換(アーベル)」なゲージ理論に比べ、複雑です。

また、「アーベル」というのは、19世紀の数学者の名前から取っています(5次以上の代数方程式は、一般的に代数的解の公式を作れない、ということを証明した数学者です)。

こういう数学的な話だけでなく、現象的にも、電磁場では、2つの場A,Bがあって、その強さの合計を求める場合、
A+B
と、通常の足し算すれば求めることができます。
これを「線形的に重ね合わせができる(アーベルな)」場、といいます。

しかし、弱い力の場や強い力の場では、場自身が、新しい場を作ってしまう性質をもつため、通常に、
A+B
と足し算しただけでは、その強さの合計を求めることができません。
こちらは、「線形的に重ね合わせができない(非アーベルな)」場、といいます。

重力場でも、
・ニュートン重力場 ・・・ 「線形的な重ね合わせができる(アーベルな)」場
・アインシュタイン重力場 ・・・「線形的な重ね合わせができない(非アーベルな)」場
となります。

  投稿者:ワイル - 2007/01/20(Sat) 10:59  No.939 
>>ふむふむ。その二つの力は、名前と多少の内容くらいは読んだことがありますね。
>>あぁ〜面白そうですねぇ!なんかウズウズする話です!少しずつ学んでいきます!

ご存知かも知れませんが、現代物理では、自然界に4つの力(相互作用)がある、という話があります。

1.重力
2.電磁力
3.弱い力
4.強い力

古典論的に、これらを扱う方程式は、

1.重力  ・・・ アインシュタイン重力場方程式
2.電磁力 ・・・ マクスウェル電磁場方程式
3.弱い力 ・・・ ヤンミルズ・ゲージ場方程式
4.強い力 ・・・ ヤンミルズ・ゲージ場方程式

となっています。

この中で、弱い力と強い力は、ともにヤンミルズ・ゲージ場方程式で扱えるのですが、正確には、

3.弱い力 ・・・ SU(2)のヤンミルズ・ゲージ場方程式
4.強い力 ・・・ SU(3)のヤンミルズ・ゲージ場方程式

となります。

また、マクスウェル電磁場方程式は、U(1)のゲージ場方程式ともいいます。

ここで、U(1)は、1次元のユニタリ行列とよばれる行列の集合(正確には、ユニタリ群)で、SU(2),SU(3)は、それぞれ、2次元および3次元の特殊ユニタリ行列とよばれる行列の集合(正確には、特殊ユニタリ群)です。

ユニタリ行列については、
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/unitary.html
にも説明があります。

ユニタリ行列、特殊ユニタリ行列についての、ちゃんとした話は、「線形代数」の書籍に記述されていると思います。

  投稿者:ワイル - 2007/01/20(Sat) 11:33  No.940 
>>あぁ〜面白そうですねぇ!なんかウズウズする話です!少しずつ学んでいきます!

古典論的には、

1.重力  ・・・ アインシュタイン重力場方程式
2.電磁力 ・・・ マクスウェル電磁場方程式、あるいは、U(1)のゲージ場方程式
3.弱い力 ・・・ SU(2)のヤンミルズ・ゲージ場方程式
4.強い力 ・・・ SU(3)のヤンミルズ・ゲージ場方程式

なのですが、現代では、厳密には、量子力学(相対論的量子力学)を取り込んで、

2.電磁力 ・・・ 量子電磁力学(QED)・・・ U(1)の量子ゲージ理論
3.弱い力 ・・・ 量子電磁力(QED)と弱い力の統合理論である、グラショウ・ワインバーグ・サラム(GWS)の電弱統一理論 ・・・ U(1)×SU(2) の量子ゲージ理論
4.強い力 ・・・ 量子色力学(QCD) ・・・ SU(3)の量子ゲージ理論

で、それぞれ、扱う必要があります。
さらに、

5.GWSの電弱統一理論と、量子色力学との統合理論 ・・・ 大統一ゲージ理論(GUT) ・・・ U(1)×SU(2)×SU(3) の量子ゲージ理論

というものがあります。

また、

1.重力 ・・・ 量子重力理論

となるのですが、これは、まだ完成したものがありません。
ただ、その中の有力な候補として、
・超ひも理論  ・・・ 大統一ゲージ理論 + 量子重力理論
・ループ量子重力理論 ・・・ 一般相対論 + 量子力学
がある、ということです。

こういう量子論については、私も、あまり詳しくないのですが、今後のご参考までに。。。

  投稿者:ワイル - 2007/01/20(Sat) 22:04  No.944 
>>ユニタリ行列、特殊ユニタリ行列についての、ちゃんとした話は、「線形代数」の書籍に記述されていると思います。

・実数が要素のn次元(n行n列)の正方行列を、 R = r[i][j] (i,j = 1,...,n )
・複素数が要素のn次元(n行n列)の正方行列を、 C = c[i][j] (i,j = 1,...,n )
・n次元の単位行列 E = δ[i][j] = 1 (i = j), 0 (i ≠ j)

とします。
ただし、
・δ[i][j] は、クロネッカーのデルタ記号、
というものです。

・実数行列の転置行列は、 Trans( R ) = r[j][i]
( 元の実数行列の行と列を入れ替えた行列 )
・複素数行列の転置行列は、 Trans( C ) = c[j][i]
( 元の複素数行列の行と列を入れ替えた行列 )
・複素数行列の共役行列は、Conv( C ) = Conv( c[i][j] )
( 複素数の z = x + i・y に対し、 z = x - i・y を共役複素数といいますが、複素数行列 C に対し、その要素をすべて、共役複素数にした行列 Conv( C ) を、共役行列という )
・複素行列の転置共役行列は、 Trans( Conv( C ) ) = Conv( c[j][i] )
( 共役行列の行と列を入れ替えたした行列 )

となります。

また、

・(実)直交行列 : R・Trans(R) = Trans(R)・R = E (自分と、その転置行列との積が、単位行列)となる実数行列R のこと。
その行列式の値は、絶対値1の実数(つまり、1 or -1 )。

そのうち、
・行列式の値が1になる(実)直交行列 => 特殊(実)直交行列 
という。

・ユニタリ行列 : C・Trans( Conv( C ) ) = Trans( Conv( C ) )・C = E (自分と、その転置共役行列との積が、単位行列)となる複素数行列C のこと。
その行列式の値は、絶対値1の複素数。

そのうち、
・行列式の値が1になるユニタリ行列 => 特殊ユニタリ行列 
という。

となります。

次いで、

・R = Trans( R ) (自分と、その転置行列とが、一致)となる実数行列R : (実)対称行列 という。
・C = Trans( Conv( C ) ) (自分と、その転置共役行列とが、一致)となる複素数行列C ; エルミート行列 という。

--------------------------------------------------------

a) n次元における(実)直交行列R(n)と、特殊(実)直交行列SR(n)との関係は、

R(n) = 1・SR(n)
または、
R(n) = (-1)・SR(n)
ただし、det(SR(n)) = 1

b) n次元におけるユニタリ行列C(n)と、特殊ユニタリ行列SC(n)との関係は、

C(n) = exp( i・θ )・SC(n) [ θ ; 任意の実数, i : 虚数単位 ]
ただし、det(SC(n)) = 1

となります。

-------------------------------------------------------

・(実)直交群 : n次元の(実)直交行列の集合
O(n)

・特殊(実)直交群 : n次元の特殊(実)直交行列の集合
SO(n)

・ユニタリ群 : n次元のユニタリ行列の集合
U(n)

・特殊ユニタリ群 : n次元の特殊ユニタリ行列の集合
SU(n)

・関係式
O(n) = O(1) × SO(n)
U(n) = U(1) × SU(n)
[ × : 直積 の意味 ]

-------------------------------------------------------

[群]

・「群」は、荒っぽく言えば、足算や掛算などの演算を定義できる集合のことです。

正確には、集合Gが、あって、その要素(メンバー)をa,b,cとします。
また、その集合Gの要素について、二項演算@が定義されていて、

(1)結合則が成立する
a@(b@c) = (a@b)@c が成立する
(2)単位元が存在する
a@I = I@a = a なる要素I が存在する
(3)逆元が存在する
a@b = b@a = I の関係になる要素aとb が存在する

といったことが成り立つとき、集合Gは、演算@に対して「群」を成すという。

また、
(4)交換則が成立する
a@b = b@a が成立する
場合、集合Gは、演算@について「可換群」という。

交換則が成立しない場合、集合Gは、演算@について「非可換群」という。

実数、複素数、行列などは、全て、足算や掛算についての「群」となっています。
また、実数、複素数は、足算や掛算についての「可換群」でもあります。
行列は、足算については「可換群」ですが、掛算については「非可換群」です。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 12:57  No.948 
>>個人的には分かりやすくなる代わりに、「流れ的なもの」で電磁気が理解出来てしまっていいのか!?とも、なんとなく思ってしまいますが。

いままでのは、全て古典論的な扱いなのですが。。。

空気や水は、量子力学的には、それぞれの分子・原子ですよね?

一方、電磁場、弱い力の場、強い力の場、重力場の量子論では、それぞれ、フォトン(光子)、ウィークボゾン(3種類)、グルーオン(8種類)、グラヴィトン(重力子)といった"ゲージ粒子"が現れます。

だから、量子力学や量子論のレベルでは

空気・水の分子・原子 <=> ゲージ粒子

と対応できます。

  投稿者:一般大学生 - 2007/01/21(Sun) 16:36  No.949 
>ワイルさん
毎度ワクワクしながら読ませてもらってます。ありがとうございます。

そのゲージ粒子というのは、実在の認められた粒子なんですよね?中間子理論(でしたっけ?)などある程度きいていたので、何かの粒子で重力場や電磁場を説明するからと思えば、確かにものの流れのようになるんだろうなぁというのはわかるんですが、どうも私の中でその粒子が先立った理論に合わせて作られた便宜的概念だというイメージなので・・・そのあたりをはっきり観測されている!と言われれば、じゃぁ電磁気学がこうなるのはアタリマエか、とも思えるかなぁ、と感じています。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 17:05  No.950 
こんにちは。。。

>>そのゲージ粒子というのは、実在の認められた粒子なんですよね?

重力場のゲージ粒子であるグラヴィトン(重力子)以外は、実験的にも、その存在が確かめられている、とのことです。

ちなみに、

重力場のゲージ粒子   ・・・ グルーオン(重力子) [未確認]
電磁場のゲージ粒子   ・・・ フォトン(光子)[1種類]
弱い力の場のゲージ粒子 ・・・ ウィーク・ボゾン[3種類]
強い力の場のゲージ粒子 ・・・ グルーオン [8種類]

です。

ただし、場の量子論を基礎にして、スピン2のグラヴィトン(重力子)の存在を仮定した重力理論(それが、超ひも理論の前身の「ひも理論」)を作ったら、その低エネルギー近似として、アインシュタインの重力場方程式(つまり、一般相対論)が現れた、という事実があって、それによって、重力場のゲージ粒子・グラヴィトン(重力子)の存在が仮定されている、ということです。

なお、ゲージ粒子のスピンは、グラヴィトン(重力子)だけ2、他のフォトン(光子)、ウィーク・ボゾン、グルーオンは、全て1ということになっています。
また、電子などのレプトンや陽子・中性子などを構成するクォークといった物質粒子のスピンは、1/2ですし、ヒッグス粒子などのスピンは、0です。

また、量子論の世界では、古典論における、
1.重力場   ・・・ アインシュタイン重力場方程式
2.電磁場   ・・・ マクスウェル電磁場方程式
3.弱い力の場 ・・・ SU(2)・ヤンミルズ・ゲージ場方程式
4.強い力の場 ・・・ SU(3)・ヤンミルズ・ゲージ場方程式
に加えて、
5.スカラー場(ヒッグス粒子の場など) ・・・ クライン・ゴルドンの相対論的波動方程式(非相対論的近似では、シュレディンガーの波動方程式)
6.物質場(スピノル場)        ・・・ ディラックの相対論的波動方程式(非相対論的近似では、シュレディンガー・パウリの波動方程式)
が加わります。

["ヒッグス粒子"は、GWSの電弱統一理論で予言されている、粒子に"質量"を与える作用がある、といわれる、スピン0の粒子で、まだ、その実験的存在は確認されていませんが、今年か来年あたり、その存在が確認されるかも知れません]

そして、電磁場やゲージ場の量子論の基礎方程式は、
(A). マクスウェル電磁場方程式、または、ヤンミルズ・ゲージ場方程式

(B). (A)で求めた電磁場やゲージ場のポテンシャルを波動関数(スカラー、あるいは、スピノル)の演算子とする、クライン・ゴルドンの相対論的波動方程式、または、ディラックの相対論的波動方程式
との連立方程式の形です。

しかし、重力場に関しての完成した基礎方程式としては、相変わらず、
(C). アインシュタイン重力場方程式
(D). 測地線方程式(アインシュタイン重力場における粒子の運動方程式)
という古典的な基礎方程式だけで、電磁場およびゲージ場における、(A)および(B)の形のような量子論的な基礎方程式が、まだ完成していない、ということです。

「電磁場、ゲージ場の量子論」は完成しているのに、「重力場の量子論」は、まだ完成していない、ということは、この意味です。

なお、本当の電磁場やゲージ場の量子論では、(A)および(B)の基礎方程式のポテンシャルや波動関数(スカラー、スピノル)を、「消滅演算子」と「生成演算子」の組合せで表したものにする必要があります(それを、「場の量子化」とか「第二量子化」という)。

  投稿者:あもん - 2007/01/22(Mon) 22:29  No.970 

細かいことですが..。

>5.GWSの電弱統一理論と、量子色力学との統合理論 ・・・ 大統一ゲージ理論(GUT) ・・・ U(1)×SU(2)×SU(3) の量子ゲージ理論

GWS と QCD を統合した U(1)×SU(2)×SU(3) のゲージ理論は "標準模型" です。大統一理論 GUT は、さらにレプトンとクォークを統合した SU(5)(または SO(10))のゲージ理論です。GUT のシナリオでは、以下のような2回の相転移によって現在の相になったと考えます。

SU(5)_GUT ----> U(1)_Y × SU(2)_L × SU(3)_C ----> U(1)_EM × SU(3)_C