EMANの物理学 過去ログ No.829 〜

 ● もう直ぐお正月

  投稿者:Φマン - 2006/12/28(Thu) 12:59  No.829 
EMANさん皆さんお久しぶりです。忙しくなかなか書き込みできなかったんで年末の挨拶にきました。EMANさんにとっては今年は特別な年になりましたね。来年も更なる飛躍を期待しています。

ワイルさん、ずい分とゲージ理論にこっているようですね。ラグランジアンが複雑といいますが、そうでもないかもしれません。なんせゲージ理論ですから、覚えるほどの事もなく、殆どゲージ対称性できまっています。

ところで、運動方程式を全て書き下す前に「なぜゲージ理論じゃなければだめなのか?」という観点から整理するのも面白いかもしれません。

  投稿者:ワイル - 2006/12/28(Thu) 13:42  No.830 
こんにちは

>>ワイルさん、ずい分とゲージ理論にこっているようですね。

甲南大学教授の長島順清氏
http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~naga/
が、そのいくつかの著書や講義録で述べられている、
”一般相対論の重力場は、4次元リーマン時空の歪みなのだが、ゲージ理論の電磁場、弱い力の場、強い力の場は、内部空間の歪みなのである”
という話が面白いですね。
http://osksn2.hep.sci.osaka-u.ac.jp/~naga/kogi/konan-class04/ch11-gauge.pdf

実際、アインシュタインの重力場方程式は、
 (4次元リーマン時空の歪み) = (定数)×(運動量・エネルギー)
ということですが、マクスウェルの電磁場方程式やヤンミルズのゲージ場方程式は、
 (内部空間の歪み) = (定数)×(電荷)
ということです(ここでいう電荷は、普通の電荷だけだなく、色荷や弱電荷なども含みます)。

さらに、ここでいう「内部空間」の考えは、カルツアー・クライン理論や超ひも理論で言うところの「コンパクト化された多次元空間」に繋がる空間かも知れない、と長島順清氏は述べています。

一般相対論やゲージ理論は、まさに「物理法則の幾何学化」というわけですし、その「幾何学」の視点から、いろいろと物理の法則・理論を捉えなおすのも面白いですね?

ガリレオ、ニュートンやクーロンなどの古典力学から、量子論まで。。。(「超ひも理論」などでも、幾何学的な手法が使われていますし)
この物理の法則・理論の「幾何学化」には、解析力学的手法も、役にたつようです。
EMANさんの日記に書かれている「高校生が場の理論を語りだす」という話も、まんざらではなさそうです。

そして、これらの理論で、スカラー、ベクトル、テンソル、スピノルで記述される「ポテンシャル」は、新しい「抽象化された」エーテルなのでは、とも思えてきます。

ところで、古典力学や古典論(一般相対論&ゲージ理論)の世界は、幾何学的には、いわゆる連続で微分可能な「多様体」というわけですが、量子力学や量子論(量子重力理論&量子ゲージ理論)の世界を、幾何学的にとらえると、どうなるのでしょうかね?

古典論 : 微分幾何学の世界
量子論 : 位相幾何学の世界

という見方もありますが?

  投稿者:EMAN - 2006/12/29(Fri) 12:47  No.833 
 Φマンさん、お久しぶりです。
 昨年の今ごろは、ギリギリまでスピノルの議論に
付き合って頂いたことを思い出します。

 その後、一般相対論の記事を春まで書いて、
それからは、力学、電磁気学の記事の整頓。
 途中、場の理論にもチャレンジしましたが、そのときも
助言を頂きましたっけ。 退却しましたけど。

 あとは・・・、量子力学の記事の追加もありました。

 そんな一年でした。
 書籍の準備のためにサイトの更新はあまり進んでないように
感じてましたが、頑張ってるな、俺。

  投稿者:ワイル - 2006/12/29(Fri) 22:09  No.837 
>>”一般相対論の重力場は、4次元リーマン時空の歪みなのだが、ゲージ理論の電磁場、弱い力の場、強い力の場は、内部空間の歪みなのである”

一般相対論では、

重力 : 4次元リーマン時空の歪み 

なのですが、

内部空間 ; レプトンやクォークなどの素粒子の内部空間

です。

一般相対論の4次元リーマン時空において、局所的に重力を消去(クリストフェルの接続が、至るところでゼロ)にできる接空間を考えれば、それは特殊相対論の「4次元ミンコフスキー時空」になりますが、それが素粒子の内部空間になります。

それで、内部空間は、

電磁場(U(1)マクスウェル電磁場) : (複素)1次元
弱い力の場(SU(2)ヤンミルズ場) : (複素)2次元
強い力の場(SU(3)ヤンミルズ場) : (複素)3次元

ということです。
さらに、

電弱統一理論の場(SU(2)×U(1)) : (複素)2次元+(複素)1次元 = (複素)3次元

大統一理論の場(SU(3)×SU(2)×U(1)  : (複素)3次元+(複素)2次元+(複素)1次元 = (複素)6次元

となります。

だから、

4次元リーマン時空 + 6次元内部空間 = 10次元時空

となるようです。

さらに、M理論では、

4次元リーマン時空 + 6次元内部空間 + 1次元(リーマン時空と内部空間の)つなぎ空間 = 11次元時空

となるようです。

ここで、一般相対論のアインシュタイン重力場方程式におけるリッチテンソルがゼロである場合の6次元内部空間のことを、「超ひも理論」では、「カラビ−ヤウ空間」といっているようです。

だから、

ゲージ場(=電磁場、弱い力の場、強い力の場) : 6次元カラビ−ヤウ空間の歪み

といえるでしょう。

  投稿者:ワイル - 2006/12/29(Fri) 22:23  No.838 
物理や科学の理論は、いってみれば、数学による(とても精巧な)モデルあるいは模型なのである。

現代では、一般相対論による「宇宙模型」、GWS理論と量子色力学による「素粒子模型」などがありえます。

しかもそれらは、日本語や英語などの自然言語によるモデル、模型よりも、はるかに「精巧な」モデル、模型でもある。

このモデル、模型の基礎になる理論も時代とともに変わってもきている。

2006年現在 ; 一般相対論、GWS理論、量子色力学

でしょうが、ここから過去に遡ってみると、

100年前(=1906年頃) : ニュートン力学、マクスウェル電磁気学、熱力学(1906年では、特殊相対論や光量子理論などは、まだ発表されて間もなく、一般的ではないだろう)

200年前(=1806年頃) : ニュートン力学、クーロンの静電気学・静磁気学くらい(?)

300年前(=1706年頃) : ニュートン力学さえ、まで完成して間もない

400年前(=1606年頃) : コペルニクスの地動説が発表されて間もない(?)

となるでしょう。

この400年の間に、人類の宇宙やミクロなど、自然に対する知識や考えなどは、大きく変わってきていると思えるし、そのモデルや模型も、非常に「精巧」になっています。

でも、これらモデルや模型が網羅していない現象などが存在したら、それは、それぞれの時代の人類にとって、理解できない現象ともいえます。

そして、それが「科学の限界」ともいえると思います。

  投稿者:ワイル - 2006/12/29(Fri) 22:53  No.839 
しかし、現在の時点で、

重力          : 地球・天体・宇宙を支配する力
電磁力・弱い力・強い力 : 分子・原子・原子核・素粒子を支配する力

といえますが、

@ニュートンの重力(万有引力)の法則 vs クーロンの静電力・静磁力の法則

A一般相対論 vs ゲージ理論(マクスウェル電磁場理論も、ゲージ理論に含まれる)

と並べると、これらが、それぞれ、数学的形式として、とても類似しているわけですが、その事実が、考えようによっては、とても不思議ですよね?

そして、私達、人間を含む生物・生命は、

>>重力          : 地球・天体・宇宙を支配する力
>>電磁力・弱い力・強い力 : 分子・原子・原子核・素粒子を支配する力

この、ちょうど中間くらいの世界に存在しているわけだ。。。


  投稿者:fussar - 2007/01/12(Fri) 02:29  No.884 
なぜ、だれもSU(2)は3次元だとかSU(3)は8次元だとかつっこまないのですか?

  投稿者:明男 - 2007/01/12(Fri) 09:35  No.885 
こんにちは。

SU(2)が3次元、SU(3)が8次元というのは、リー群として見た場合の基底数としての次元、さらにSU(2)が(空間)3次元回転群であるSO(3)と同型(ただし2重被覆)であることは周知ですが、本来、SU(2),SU(3)と空間の次元は無関係(と言い切るのも語弊があるが)でしょう。

素粒子の「内部空間」なるものが本当に存在するのか、存在したとして、通常の空間と同列に論じられるものかは、未だ不明であり、あくまで仮説の段階であると思います。
処々に断定的な部分が事実のように見えることがありますから、仮説に突っ込むつもりは有りませんが、確かに、これは一つの考え方であることを断るべきでしょうね。
折角ですから、fussarさんが突っ込まれては如何ですか。

  投稿者:ワイル - 2007/01/12(Fri) 10:41  No.886 
こんにちは、

>>なぜ、だれもSU(2)は3次元だとかSU(3)は8次元だとかつっこまないのですか?

ゲージ理論における電磁場、ゲージ場は、数学的には”何かを変換する”場ということです(一般相対論の重力場は、4次元ミンコフスキー時空を変換する場です)。

それで、

U(1)の場 ・・・ 1個のスピノルあるいはスカラー、つまり、抽象的な1次元複素ベクトルを変換する場
SU(2)の場 ・・・ 2個のスピノルの組、つまり、抽象的な2次元複素ベクトルを変換する場
SU(3)の場 ・・・ 3個のスピノルの組、抽象的な3次元複素ベクトルを変換する場

というわけなので、

U(1)の場 ・・・ 1次元
SU(2)の場 ・・・ 2次元
SU(3)の場 ・・・ 3次元

としているわけです。
そして、それらのスピノルやスカラーの組、あるいは複素ベクトルを変換するのが、パウリ行列やゲルマン行列といったエルミート行列を基底(生成子)とするベクトル・ポテンシャル(作用素)であり、それが、

U(1)の場 ・・・ 1個
SU(2)の場 ・・・ 3個
SU(3)の場 ・・・ 8個

ということです。
fussarさんは、これをもとに、

U(1)の場  ・・・ 1次元
SU(2)の場 ・・・ 3次元
SU(3)の場 ・・・ 8次元

と思ったのでしょうが(実は、私も以前は、そのように考えていた)、、これらは、複素ベクトルを変換する作用素(メソッド)の個数であり、それぞれの場の次元は、変換対象(オブジェクト)の複素ベクトルの次元だと思います。

>>素粒子の「内部空間」なるものが本当に存在するのか、存在したとして、通常の空間と同列に論じられるものかは、未だ不明であり、あくまで仮説の段階であると思います。

ゲージ理論の”内部空間”論は、一般相対論のリーマン時空のような考えで扱うための、”モデル”のレベルでしょう。
でも、それを考えると、ゲージ理論を直感的にとらえることができ、便利ではあります。

また、
U(1)×SU(2)×SU(3) = 1 + 2 + 3 次元 = 6 次元
となって、
一般相対論の4次元リーマン時空 + ゲージ理論の6次元空間 (+1次元) = 超ひも理論の10次元時空(あるいは、M理論の11次元時空)
ということになって、辻褄合うな、という私の勝手な考えでもあります。 

ITやソフトウェアにタッチしている人たちなら、ゲージ理論の場合、

スピノル、スカラー(粒子) => オブジェクト
ベクトル・ポテンシャル(量子論的にはゲージ粒子) => メソッド

という感じでしょうか?
すると、一般相対論的重力では、

オブジェクト : 計量テンソル(時空)
メソッド   : 接続?(重力子?)

なのでしょうか?
 

  投稿者:明男 - 2007/01/14(Sun) 09:01  No.887 
>ワイルさん

いや、気持ちは良く分かります。ゲージ場としての電弱および強い力、重力の統一的解釈は一つの方向性であり、量子ポテンシャル論を考慮しながら統合する事が可能なのかも知れません。まあ、多くの問題点や未解決問題もあるのでしょうが、みんながみんな超ひも理論やD−ブレーンなどを金科玉条にする必要もないわけです。

しかし、失礼は承知で言えば、ちょっと「オブジェクト指向」に嵌っていますね(冗談ですよ)。
プログラミングの世界はゲームの世界がバーチャルであるのと似た意味で、ある種「世界」であり、それを記述する法則はまさに物理法則に対応しますが、その論理性は数学と同じで、どのような体系でも矛盾しなければOKです。現実世界をオブジェクトモデルに例えるにはかなり無理が・・・。
ただ、素粒子をオブジェクトとして、その間に働く力のメソッドを関数として多重定義のできるプログラミングは便利かも。
アーツ、いかん、同じ穴のムジナになりそう(^^;)。

  投稿者:ワイル - 2007/01/14(Sun) 09:47  No.888 
こんにちは。。。

>>みんながみんな超ひも理論やD−ブレーンなどを金科玉条にする必要もないわけです。

私も、以前、ベクトル・ポテンシャルの個数
U(1)の場 ・・・ 1個
SU(2)の場 ・・・ 3個
SU(3)の場 ・・・ 8個
から、
U(1)×SU(2)×SU(3) = 1 + 3 + 8 = 12
で、統一ゲージ理論の次元は12次元で、これに一般相対論の4次元をあわせて、
16次元
ではないか、と、ある超ひも理論に詳しい人にきいたら、
”ゲージ理論の次元は最大7次元もあれば十分であることが証明されている”
との話でした。
まあ、これでも超ひも理論の発想に縛られている感じでしょうが。。。

>>しかし、失礼は承知で言えば、ちょっと「オブジェクト指向」に嵌っていますね(冗談ですよ)。

IT界の流れが、Javaや.NET(ドットネット)など、「オブジェクト指向」一色のような感じですからね?
現実のビジネスの世界などでは、「オブジェクト指向」では、
かえって作りにくいものもあるか、と思いますが。
ただ、数学や物理学の世界などは、もともとオブジェクト指向的な感じもしますね。

>>ただ、素粒子をオブジェクトとして、その間に働く力のメソッドを関数として多重定義のできるプログラミングは便利かも。

プログラミングの世界で、
スカラーは、通常の実数や複素数
ベクトルは、1次元配列
2階以上のテンソルは、2次元以上の配列
だと思うのですが、スピノルは、どのように扱うのでしょうかね?(なんかのクラスにするのかな?)


  投稿者:あもん - 2007/01/16(Tue) 00:26  No.896 
ワイルさん、こんにちは。

> ”ゲージ理論の次元は最大7次元もあれば十分であることが証明されている”との話でした。

多次元統一場理論については学生のとき勉強しただけですが、内部空間からどのようなゲージ対称性が生じるかは、内部空間のキリングベクトルの代数構造によって決まってきます。その代数から生成される群、すなわち、それをリー代数とする群が、ゲージ群として生じるのです。

例えば、カルツァ-クラインの5次元重力理論では、内部空間が S^1 なので、キリングベクトルは1つで、O(2)〜U(1) のゲージ対称性が生じるわけです。もし内部空間が S^2 だと、キリングベクトルは3つで、これは SO(3)〜SU(2) のリー代数、いわゆる角運動量代数を成します。よってこの場合は、SU(2) のゲージ対称性が生じるわけです。

では、SU(3) のリー代数をキリングベクトルに持つ空間は何かというと、CP_2 (2次元複素射影空間)なのだそうです。これは4次元の多様体です。ですから、ゲージ群として U(1)×SU(2)×SU(3) を生じる内部空間は S^1×S^2×CP_2 で、これは 1+2+4=7 次元になります。

あもん

  投稿者:ワイル - 2007/01/16(Tue) 09:59  No.898 
あもんさん、どうもありがとうございます。

なるほど、SU(3)場の次元は、4なのですか?

だから、

U(1)場 ・・・ 1次元
SU(2)場 ・・・ 2次元
SU(3)場 ・・・ 4次元

よって、
大統一ゲージ理論の内部空間(U(1)×SU(2)×SU(3)) = 1 + 2 + 4 = 7次元
そして、
一般相対論のリーマン時空 ・・・ 4次元

これで、
超ひも理論(M理論)の次元 ・・・ 7+4 = 11次元

となるわけか?

ただ、ゲージ場や重力場の量子論など、超ミクロの世界では、私たちの空間・時間の常識が、そのまま当てはまらない可能性があるのを感じています。

ゲージ理論の内部空間の7次元は、私たちの感覚からは、超ミクロの世界にだけ存在しているように感じますが、実際には、もっと大きく広がっているのかも知れません(ただ、ランドール博士の言うとおり、それは私たちには、直接、認識できないでしょうけど)。

  投稿者:あもん - 2007/01/16(Tue) 12:28  No.900 

ワイルさん、こんにちは。

>ゲージ理論の内部空間の7次元は、私たちの感覚からは、超ミクロの世界にだけ存在しているように感じますが、実際には、もっと大きく広がっているのかも知れません(ただ、ランドール博士の言うとおり、それは私たちには、直接、認識できないでしょうけど)。

その可能性もありますね。私が紹介したのは、10年以上前に、11次元超重力理論を勉強しているときに学んだもので、現在では内部空間がコンパクトでない場合も真剣に考えられているようです。

ちなみに、SU(3) を生むのに4次元以上の内部空間が必要なのは、もし3次元だと、キリングベクトルの個数が最大でも 3(3+1)/2=6 個しかないので、8つ組の SU(3) のリー代数が作れないからです。この点、コメントし忘れました。4次元で十分なのは CP_2 という具体例があるからです。


  投稿者:ワイル - 2007/01/16(Tue) 16:33  No.903 
あもんさん、こんにちは

>>ちなみに、SU(3) を生むのに4次元以上の内部空間が必要なのは、もし3次元だと、キリングベクトルの個数が最大でも 3(3+1)/2=6 個しかないので、8つ組の SU(3) のリー代数が作れないからです。この点、コメントし忘れました。4次元で十分なのは CP_2 という具体例があるからです。

キリング・ベクトル空間の次元が、ベクトル・ポテンシャル(あるいは、ゲージ粒子)の個数と関係があったのですね?

ある資料によると、キリング・ベクトル空間の次元nと、ベクトル・ポテンシャルの個数Mとの関係は、

M = n・(n+1)/2

となる、とのことでした。

逆に、M個のベクトル・ポテンシャルをつくるための、キリング・ベクトル空間の最低の次元nは、

n・(n+1) >= 2・M

となるので、いわゆる、nについての2次代数不等式をとくこと
で求まります。

これから、

U(1)場では、 個数 = 1 なので、最低1次元
SU(2)場では、個数 = 3 なので、最低2次元
SU(3)場では、個数 = 8 なので、最低4次元

と、それぞれなりますね。

>>その可能性もありますね。私が紹介したのは、10年以上前に、11次元超重力理論を勉強しているときに学んだもので、現在では内部空間がコンパクトでない場合も真剣に考えられているようです。

たとえは悪いですが、内部空間というのは、下水の排水管の入り口は、とても狭いのですが、排水管の入り口の向こうには(排水管および、下水処理場を通して)、広々とした河や海が広がっている、という感じだろうか?

しかも、そのことは、(水道局の人などから説明を聞かないと)一般の家庭では、認識することができない、ということも似ているかな?

また、一般相対論の重力場方程式は
 (4次元時空の歪み) = (定数)×(運動量・エネルギー)
であり、ゲージ理論の方程式(マクスウェル方程式か、これを拡張したヤン・ミルズ方程式)は、
 (内部空間の歪み) = (定数)×(電荷) [この場合の"電荷"には、弱電荷、色電荷なども含む]
の形ですが、統一ゲージ理論の統一ゲージ場方程式(電磁場、弱い力の場、強い力の場の統一場方程式)を
 (7次元内部空間の歪み)=(定数)×(7次元の統一超電荷)
と作れて、これと一般相対論の重力場方程式とを合わせて、超ひも理論(あるいはM理論)の11次元の超重力場方程式(それは、電磁場・弱い力の場・強い力の場・重力場の4つの統一場の方程式でもある)が
 (11次元時空の歪み)= (定数)×(11次元の何か)
のような形にできれば、一般相対論の重力場方程式を自然に拡張した形となって、キレイですね?(ミチオ・カクの著書「超空間」などには、超ひも理論の研究者たちの多くは、それを目指している、というような話があります)。

また、それが完成すれば、現在の場の量子論では、非常ややこしい、GWS理論の方程式とか、”くりこみ”とか”量子異常”などの話も、スッキリした話になるかも知れませんね。

古典電磁気学の様々な法則が、(ニュートン力学的な)3次元形式で考えるより、相対論的な4次元形式で考えると、すっきりするような感じで。。。

  投稿者:あもん - 2007/01/16(Tue) 22:03  No.908 

ワイルさん:

>U(1)場では、個数 = 1なので、最低1次元
>SU(2)場では、個数 = 3 なので、最低2次元
>SU(3)場では、個数 = 8 なので、最低4次元

まったくその通りです。

>たとえは悪いですが、内部空間というのは、下水の排水管の入り口は、とても狭いのですが、排水管の入り口の向こうには(排水管および、下水処理場を通して)、広々とした河や海が広がっている、という感じだろうか?

内部空間という言葉は、ここでは単に余剰次元の空間という意味で使っています。昔はこれは小さく丸まっていると考えるのが、いわば常識だったのですが、最近では、ワイルさんもおっしゃっていたように、広がっているが、そのことを重力以外では認識できないという考え方もでてきたようです(ブレーン世界)。

>(11次元時空の歪み)= (定数)×(11次元の何か)

(11次元の何か) は11次元エネルギー運動量テンソルのはずです。これは要するに、11次元重力理論で、時空にグラスマン数座標を加えてスーパー化したものが11次元超重力理論です。4次元有効場理論は余剰次元がどうなっているかで色々ですが、7次元の余剰次元があるので U(1)×SU(2)×SU(3) のゲージ群を作るのに十分です。

>また、それが完成すれば、現在の場の量子論では、非常ややこしい、GWS理論の方程式とか、”くりこみ”とか”量子異常”などの話も、スッキリした話になるかも知れませんね。

ワイルさんがご覧になった GWS 模型のラグランジアン密度は、対称性が破れた際の有効場理論です。元のラグランジアン密度はそれほど複雑ではありません。

それと、くりこみは超重力理論でも必要です。量子異常については、一時期、超重力理論は量子異常の影響で矛盾した理論になっていることが指摘されていました。それがどうなったのか、定かではありません。また、奇数次元の超重力理論は素粒子理論に不可欠なカイラル性を生むのに不向きという指摘もあったのですが、これもどうなったのか。

M理論の発展で、11次元超重力理論が再び脚光を浴びてきたのは事実のようで、しかし不勉強の私には、上の問題がどのように解決されたのか、よくわかっていません。

  投稿者:ワイル - 2007/01/17(Wed) 00:12  No.911 
あもんさん、どうもです。

>>古典論 : 微分幾何学の世界
>>量子論 : 位相幾何学の世界

重力場やゲージ場の古典論では、リーマン幾何学や接続幾何学などの微分幾何学ですが、それらの量子論では、やはり位相幾何学のようですね。

特に、サイバーグ・ウィッテン理論、チャーン・サイモンズ理論や、ループ量子重力理論などは、数学的には「結び目理論」に基づいた理論のようです。

「結び目理論」をはじめとする位相幾何学は、物理数学として馴染みが乏しいようですが、ゲージ場や重力場の量子論では、上述のように多用されているようですね。

ゲージ場や重力場の古典論の世界では、空間・時間の距離が正確に定義できるから「微分幾何学」の手法が有効なのですが、それらの量子論の世界では、空間・距離の定義が不正確になってきて、いわゆる位置関係だけが分かれば良い、という世界になるから、「位相幾何学」に移るのでしょう(通常の量子力学の世界も、「位相幾何学」で捉えなおすことが可能でしょう)。

こういう世界では、微分・積分(解析学)の手法も、次第に有効性を失い、代わって、差分・和分(代数学)の手法でしょうか。

しかし、「結び目理論」を初めとして「位相幾何学」には、馴染みが乏しい人たちが多いに違いない(私自身も、まだ、あまり馴染みないです)。


  投稿者:あもん - 2007/01/18(Thu) 16:19  No.927 
ワイルさん:

>重力場やゲージ場の古典論では、リーマン幾何学や接続幾何学などの微分幾何学ですが、それらの量子論では、やはり位相幾何学のようですね。

必要な数学ということでしょうが、古典論は、おっしゃるように微分幾何だけでこと足りることが多く、量子論では、それに加え、線形代数、群論の知識が必要になってきます。で、ゲージ場の量子論では、特に非摂動論においては、リー群のトポロジー(位相幾何)が重要になってくることがあります。ひも理論では、相関関数を計算する際、ワールドシートのトポロジーが重要になってきます。

一般に量子論では、考えられる全ての過程について足し合わせるという操作(経路積分)を行うので、トポロジーをきちんと扱うことが多くなります。古典論では簡単なトポロジーを仮定してしまうところを、量子論ではそれが許されなくなるわけです。

>こういう世界では、微分・積分(解析学)の手法も、次第に有効性を失い、代わって、差分・和分(代数学)の手法でしょうか。

まあ、これはちょっと同意しかねますね。(^^;

どんな理論であれ、トポロジーはそのおおざっぱな解析、分類に用いるだけで、それは出発点にすぎません。いざ何かを計算するとなると、結局、解析学やら微分幾何を用いることになるでしょう。

また、仮に時空が離散的であると仮定しても、その研究はやはり解析学を用いて行われるでしょう。格子ゲージ理論などが良い例ですが、差分演算子は exp∂-1 と、微分演算子を用いて書かれます。そうして解析学を用いた方が、早く、かつわかりやすく結果を出すことができるからです。(このことは、交流回路で複素数を用いるのと、ちょっと似ているかな。)

まあでも、ハイレベルな物理学が、少し代数学よりになることは間違っていないかもしれません。極端な例をあげれば、ひもの場の理論の1つとして、作用が S=Φ・(Φ*Φ) という抽象代数の3重積だけ、というモデルもあります。もちろん、ここから従来のひもの場の理論を演繹するには、バリバリと微分幾何を用いることになります。

  投稿者:ワイル - 2007/01/18(Thu) 17:11  No.928 
あもんさん、こんにちは。


>重力場やゲージ場の古典論では、リーマン幾何学や接続幾何学などの微分幾何学ですが、それらの量子論では、やはり位相幾何学のようですね。
>こういう世界では、微分・積分(解析学)の手法も、次第に有効性を失い、代わって、差分・和分(代数学)の手法でしょうか。

まあ、どちらも、完全に素人考えでしたね。。。

  投稿者:fussar - 2007/01/21(Sun) 18:17  No.951 
>>ワイルさん
U(1)の場 ・・・ 1個のスピノルあるいはスカラー、つまり、抽象的な1次元複素ベクトルを変換する場
SU(2)の場 ・・・ 2個のスピノルの組、つまり、抽象的な2次元複素ベクトルを変換する場
SU(3)の場 ・・・ 3個のスピノルの組、抽象的な3次元複素ベクトルを変換する場
(以上引用)

これは本気でおっしゃっているのですか?なぜSU(2)のヤン・ミルズ方程式に外積が出て来るかわかってますか?場とスピノールの区別がついていないのではないですか?(笑)
(というか本気で波動関数と場が同じだと考えているとしたら"かなり"重症です(笑))

最低でもボソンとフェルミオンの区別がわかるぐらいまで量子力学はやらないと量子場は1行も理解できませんよ。


きついからといって怒らないで下さいね。ただ、どうしてこのようなあまりに初歩的!な間違いをスルーしたまま議論が進んでいくのかなこの掲示板は?と思っただけなので。

>>明男さん
スピノールとゲージ粒子の違いをわかってますか?

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 18:33  No.952 
こんばんは

>>これは本気でおっしゃっているのですか?なぜSU(2)のヤン・ミルズ方程式に外積が出て来るかわかってますか?場とスピノールの区別がついていないのではないですか?
>>(というか本気で波動関数と場が同じだと考えているとしたら"かなり"重症です(笑))

いいですか、ここでの説明を要約すれば

スカラー、スピノルは、変換というか、作用が行われる対象です。 −> オブジェクト
マクスウェルやヤンミルズの場は、その対象(オブジェクト)に、作用を起こす存在です。 −> メソッド

となるわけです。

混在しているわけでないですよ。

ゲージ理論の教科書では、U(1)電磁場は、スカラーやスピノルΦに対して、

Φ -> exp(-i・α)・Φ

SU(N)のヤンミルズ・ゲージ場は、スピノルの組(N個)による抽象的ベクトルψに対し、

ψ -> exp(-i・Σ(α・T/2))・ψ  (Tは、生成子のN行N次のエルミート行列で、パウリ行列やゲルマン行列などです)

の変換(位相変換)の場、として定義されます。

ここで出てくる、αは、マクスウェル電磁場方程式やヤンミルズ・ゲージ場方程式で求めるベクトル・ポテンシャルと関係がある関数です。

そのため、電磁場やゲージ場の量子論では、

(1)電磁場、ゲージ場のベクトル・ポテンシャルをもとめるための、マクスウェル方程式、あるいは、ヤンミルズ方程式(それの解は、ベクトル)

(2)そのベクトル・ポテンシャルを含む演算子(共変微分という)として含む、クライン・ゴルドン方程式やディラック方程式(その解はスカラーあるいはスピノル)

の連立方程式となります。

数学的には、電磁場やゲージ場は、スカラー粒子やスピノル粒子を変換する(あるいは、それらに作用を与える)「場」として、重力場は、4次元時空(計量テンソル)を変換する(あるいは、それに作用を与える)「場」として、表現できます。

  投稿者:fussar - 2007/01/21(Sun) 19:11  No.953 
>>ワイルさん
こんばんわ。返信速いですね。

>>スカラー、スピノルは、変換というか、作用が行われる対象です。 −> オブジェクト

この一行で"場(素朴に、位置の関数のことね)とスピノールの区別がついていない"というワタシの予想が当たっていることがわかったので不覚にも笑ってしまいました。
勉強しなおしてください。

>>ゲージ理論の教科書では、U(1)電磁場は、スカラーやスピノルΦに対して、
>>Φ -> exp(-i・α)・Φ
(中略)
>>の変換(位相変換)の場、として定義されます。

U(1)が電磁場なのですか?(笑)ワタシがペーストした話の流れからして、U(1)そのものがあなたのおっしゃる"スピノル"に作用する"場"だと解釈していいですね(だって、あなたは波動関数と場を勘違いしているわけではないとおっしゃりたいのですよね?)?また、SU(N)が位相変換ですか・・・あなたの中ではexpiの中に入っていればなんでも位相なのですか?(笑)

いったいその"ゲージ理論の教科書"って何ですか?(amazonのリンクでも張ってくださいね)そんな本があるとは信じられません。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 19:25  No.954 
>>この一行で"場(素朴に、位置の関数のことね)とスピノールの区別がついていない"というワタシの予想が当たっていることがわかったので不覚にも笑ってしまいました。

量子電磁力学や量子ゲージ理論などの、場の量子論というのは、相対論と量子力学を統合した「相対論的量子力学」を基礎とした理論です(相対論を取り込まない「非相対論的な場の量子論」もあるが、それは有効範囲が非常に限られます)。

相対論的量子力学の世界では、場もスピノル(波動関数)も、4元的位置の関数(「場の量子論」では、どちらも演算子になります)なので、その意味では、区別が付かないですね。

場の量子論では、スカラー、スピノルも、ひとつの場ですし。
クライン・ゴルドン方程式や、ディラック方程式は、スカラー場や、スピノル場の方程式と、みなすことができます。

また、スピノルをΦ、として、ガンマ行列をγ[i](4種類)とすれば、4元ベクトルv[i]は、双1次形式で、

v[i] = adj(Φ)・γ[i]・Φ

のようにも表現できます( adj(Φ)は、Φの共役の意味 ).
あ、これは、
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4254136730.html
の54ページなどに、ありますよ(ディラック方程式の説明では、出てくる)。

通常の量子力学と違って、場の量子論では、電磁場・ゲージ場などの本来の場と、スカラー場・スピノル場とが、区別つかなってくる、ということもありますよ。

だから、場の量子論では、たとえば、電磁力といった”力”でなく、電磁相互作用といった”相互作用”という呼び方の方が良いようです。

もっと先の、超対称性理論("超ひも理論"の基礎となる理論)の世界では、フェルミ粒子とボーズ粒子との区別が、全くなくなりますよ。

通常の量子力学の世界(10の−10乗mくらい)に比べ、場の量子論は、よりミクロ(10の−15乗m以下)、あるいは高エネルギーな世界のものですし、超対称性理論は、もっと超ミクロ(10の−30乗m以下)、あるいは超高エネルギーの世界のもののようです(全ての物理や科学の理論には、適用範囲がある、ということです)。

>>U(1)が電磁場なのですか?(笑)ワタシがペーストした話の流れからして、U(1)そのものがあなたのおっしゃる"スピノル"に作用する"場"だと解釈していいですね

ここでいう、スピノルは、たとえば、電子などのレプトンやクォークですね。
ディラック方程式は、レプトンやクォークについての波動方程式です。
一方、たとえば、マクスウェル電磁場方程式は、光子の波動方程式とみなすことができますし、ヤンミルズの方程式も、ウィーク・ボゾンやグルーオンの波動方程式と見なすことができます(場の量子論では、その意味で、場や波動と粒子の区別もつかなくなってきます)。

正確には、電磁場の理論は、U(1)ゲージ対称性から導かれたゲージ理論、となります(下の「素粒子の物理」のp。117を参照)。

それからすれば、ヤンミルズ理論は、SU(N)ゲージ対称性から導かれたゲージ理論、といえるでしょう。

>>SU(N)が位相変換ですか・・・あなたの中ではexpiの中に入っていればなんでも位相なのですか?(笑)

SU(N)で表されるゲージ場の位相変換は、

ψ -> exp(-i・Σ(α・T/2))・ψ  (Tは、生成子のN行N次のエルミート行列で、パウリ行列やゲルマン行列などです)

となる、ということでうs。

>>いったいその"ゲージ理論の教科書"って何ですか?(amazonのリンクでも張ってくださいね)そんな本があるとは信じられません。

いろいろとありますが、岩波書店のものと、朝倉書店のものの2点、あげましょうか?

http://books.yahoo.co.jp/book_detail/30808142

http://www.asakura.co.jp/books/isbn/4-254-13675-7/books.yahoo.co.jp/book_detail/30808142

こういう高価なものでなくても、大学生さんとのところでもあげた、

・「素粒子の物理」(相原博昭・著/東京大学出版会)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31694130
・「いま、もう一つの素粒子論入門」(益川敏英・著/丸善出版・パリティブックス)
http://pub.maruzen.co.jp/book_magazine/book_data/search/4621044958.html

もあります。

Webサイトでも、ここの「EMANの物理学」のリンクにもある、

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/index.htm

の中の、

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/電磁力と重力の接点(3).htm

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/マクスウェル方程式-ヤン・ミルズ場への拡張.htm

http://www.aa.alpha-net.ne.jp/t2366/マクスウェル方程式−ヤン・ミルズ場への拡張(2).htm

などがあります。

  投稿者:fussar - 2007/01/21(Sun) 20:43  No.956 
もう返信があるかな、と思ってみてみたらありましたね。律儀にありがとうございます。残念ながら長島さんの本は高いため持っていないので今わかりませんが、さすがにそんな酷いことを書いてはいないと思いますがね(笑)。


だから、根本的に場とスピノルは違うんですって!(笑)超対称性は、原理的に全く異なるものを等しい観点から眺めるための仮説なんだから、話の流れに関係ありませんね?

そろそろこの話題を収束させたいので、親切に間違いを指摘するのは最後にさせてもらいます。

特に次のようなfatalな間違いをしたまま量子場の本を読むと言う行為はワタシには理解不可能ですので。あとの間違い(adjとか)についてはコメントを控えさせていただきます。ここの掲示板の親切な誰かが教えてくれるでしょう。(いや、そんな親切な人が居なかったからワタシが書き込んだんだっけ!)

>>ここでいう、スピノルは、たとえば、電子ですね。
ディラック方程式は、電子についての波動方程式です。
以降。

光子の波動方程式を電磁場の波動方程式と読み替えさせていただきますが、あなたはこれが電子場の波動方程式と同じだと言うのですね!
まず波動の意味が2つあることを知ってください。量子力学のヒルベルト空間は、射影空間、つまり波動関数は"ray"です。(大学1年レベルの知識では?)それに対して、電磁場と言う物理的な波動は振幅を自由に取れますね。つまり、純粋に関数空間の"vector"です。(意味わかりますか?)さて、この時点ですでに間違っていたわけですが、さらにボソンとフェルミオン、ゲージ粒子とスピノルの原理的な違いを勉強したほうがいいでしょう(むしろ、ワタシはそっちのほうを強く言いたい。物理をやっている人ならだれでもそうだとは思うが)。なぜrayとただの関数空間のvectorを区別しなければいけないかすぐに分かるはず。

最後に、張っていただいたwebページにも、弱い力のチャージは3次元ベクトルだとはっきり書いてありますが?(笑)なぜ擁護になっていないホームページを張られるのか理解に苦しみます。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 20:50  No.957 
>>最後に、張っていただいたwebページにも、弱い力のチャージは3次元ベクトルだとはっきり書いてありますが?(笑)なぜ擁護になっていないホームページを張られるのか理解に苦しみます。

あ、それね?
書き方が誤解しやすい感じです。

SU(2)の場での、ベクトル・ポテンシャル(これは電磁場の電磁ポテンシャルに相当するもので、1個1個は、4元ベクトルですね)、生成子(パウリ行列という2行2列の行列ですね)などは、3個でしょ?

だから、抽象的な3次元ベクトルというわけです。

ちなみに、SU(3)の場合は、ベクトル・ポテンシャル(1個1個は、もちろん、4元ベクトル)、生成子(ゲルマン行列という3行3列の行列)などが8個となるので、抽象的な8次元ベクトルになります。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 20:54  No.958 
>>光子の波動方程式を電磁場の波動方程式と読み替えさせていただきますが、あなたはこれが電子場の波動方程式と同じだと言うのですね!

まったく同じとは言っていませんよ?
同じだったら、方程式の形も、全く同じになるはずですよね?

しかし、実際には違います。

スピノル(フェルミ粒子)の波動関数は、ディラック方程式になります。
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/dirac.html
つまり、
(i・hbar・Σ(γ[i]・∂[i]) - m ) Φ = 0 ( γ[i]は、ガンマ行列、∂[i]は、4元偏微分演算子 )
のような形の方程式です

一方、ボーズ粒子の方程式は、スピノル場だけでなく、電磁場など場合でも、そのポテンシャルについてクライン・ゴルドン型の方程式になります(特に、ローレンツ・ゲージにおいては)。
http://homepage2.nifty.com/eman/relativity/maxwell.html
または、
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/klein_gordon.html
つまり
□A = B (□は、ダランベール演算子)
のような形です。

これは、たとえば、相対論では、空間と時間を、対等に扱っていますが、全く同等の扱いではないですよね?
それと同じ意味です。

私の勉強不足は認めましょう。

それでは、fussarさん自身は、場とスピノルの違いを、どう理解していますか?

ボーズ粒子 ・・・ スピンは整数(0,1,2など)で、1つの量子状態を無数個とれる、クライン・ゴルドン型方程式

フェルミ粒子 ・・・ スピンは半整数(1/2,3/2など)で、1つの量子状態には1個のみ、ディラック方程式

くらいのことは、知っていますけど。。。

もうちょっと

>>スカラー、スピノルは、変換というか、作用が行われる対象です。 −> オブジェクト
>>マクスウェルやヤンミルズの場は、その対象(オブジェクト)に、作用を起こす存在です。 −> メソッド

を、判りやすくたとえるなら、

スカラー、スピノルの粒子  -> 変数X
マクスウェルやヤンミルズの場 -> 関数F(X)

というイメージです。

変数と関数は、全く同じものではないですよね(超対称性理論では、いってみれば、変数と関数とが区別つかなくなる、というようなものでしょう)?

あるいは、コンピュータのプログラミングなどをやっている人なら、

粒子(あるいはフェルミ粒子) −> 数値や文字などのデータ
場(あるいはボーズ粒子)   −> プログラムの命令

という感じかな?

コンピュータのCPUの中で、データも命令も、結局は、どちらも同じ、0と1の列で表される機械語になるのですが(実際、その形になると、一般の人には区別がつかない)、そのフォーム(形式)などは、データと命令とでは違うわけで、全く同じもの、というわけではありません(数値や文字のデータのフォームは、CPUの種類によらず、ほぼ統一されているが、命令のフォームは、CPUの種類、たとえば、x86とPowerPCとで違う)。

粒子(フェルミ粒子)と場(ボーズ粒子)の間の関係も、そのようなものでしょう。

”(全く)同じもの”ということと、”同じようなもの”、あるいは”似ているもの”というのは、日本語として、かなり意味が違うはずですよ。。。

身近な例として、顔や性格の似た親と子、兄と弟がいますが、だからといって、同一人物ではないわけですし。。。

  投稿者:fussar - 2007/01/21(Sun) 23:47  No.959 
>>相対論的量子力学の世界では、場もスピノル(波動関数)も、4元的位置の関数(「場の量子論」では、どちらも演算子になります)なので、その意味では、区別が付かないですね。

同じものだとおっしゃってるではないですか(笑)
あと、ワタシの書き込み全部読んでます?ワタシはあなたの書き込みを全部読んでいますが、全部に返信しないのは、話題がそれるのを防ぐためですよ。ワタシは場とスピノルの違いについては既に書きました。前回の書き込みを参照してください。波動関数が射影空間であることからボソン・フェルミオンが姿を現しますが表現論の知識が必要なのでここでは解説しません。

また、あなたの言っているボソンとフェルミオンですが、それは「スピンと統計性の関係」といわれているものです。光子にスピン0状態が無い(ヘリシティが偏ってる)というワイル方程式をご存じないですか(笑)ボソン・フェルミオンという言葉が表すのは「統計性」だけで、「スピンと統計性の関係」は実験事実に過ぎないのです。それにどのような宇宙の神秘が隠されているかは置いておいて。

そもそも
粒子(フェルミ粒子)と場(ボーズ粒子)
という区分が間違ってるんです。ボソンの物質場(質量を持つボソン)も当然あります。

ちなみに、コンピューターの話に反応していないのは、ワタシが量子現象はコンピューターで例えることなど不可能だと思っているからです。変に例えるのは、物事を分かりにくくするだけだと思います。

で、最初に私がした注意はなんだったかというと、あなたがSU(2)が2つのスピノルに対する変換だといったことが間違っている(もちろんSU(3)も3つのスピノルの変換ではない)という話ですけど覚えてます?もう一度いうけど、違いますよ。

私はそれが間違っていることだということをあなたに教えてあげたくて、書いただけなのです。なぜ教えてあげたかったというと、致命的で根本的な誤解をしているように思えたので。

それ以上は、量子力学を勉強してくださいとしかワタシにはいえません。

  投稿者:ワイル - 2007/01/21(Sun) 23:55  No.960 
>>同じものだとおっしゃってるではないですか(笑)

「区別がつかないもの」と「同じもの」とは、日本語として、違います。

瓜二つの双子兄弟います。
区別はつきませんが、同一人物ではありませんね?

>>粒子(フェルミ粒子)と場(ボーズ粒子)

まあ、たしかに、メソン(中間子)などには、質量をもつボーズ粒子がありますが、それらは、現代的には、クォークというフェルミ粒子で構成されているのでは?
ヘリウム4原子核も、ボーズ粒子ですし。
完全に基本粒子(現在のところ、それ以上の構成要素をもっていない)としてのボーズ粒子の物質粒子には、どんなのがありますか?

>>で、最初に私がした注意はなんだったかというと、あなたがSU(2)が2つのスピノルに対する変換だといったことが間違っている(もちろんSU(3)も3つのスピノルの変換ではない)という話ですけど覚えてます?もう一度いうけど、違いますよ。

まあ、正確には、SU(2)場は、2種類の(弱)アイソスピンという内部量子数に対して、SU(3)場は、3種類のカラー荷という内部量子数に対して、作用する場、ということですね。
ついで、U(1)の電磁場は、電荷という1種類の量子数に対して、作用する場、ということで。

ただ、表面的には、それぞれ、2種あるいは3種の粒子に作用するようにも見えるけど、やはり誤解のある表現ですかね?
(でも、内部量子数というのも、多くの人には、わかりにくい表現だし)

しかし、たとえば、
・「素粒子の物理」(相原博昭・著/東京大学出版会)
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31694130
の、p.117以降および、p.158以降には、
SU(2):「2つのフェルミオンの場(4成分ディラック・スピノル)」
SU(3):「3つの4成分ディラック・スピノル」
が出てきますが。。。

また、この本以外でも、似たような表現がでてきますが。。。

>>それ以上は、量子力学を勉強してくださいとしかワタシにはいえません。

まあ、私の量子力学についての勉強不足は事実です。
特に、抽象数学的な厳密な話は苦手で、良く理解できておりません。
(あくまでも、イメージでしか捉えていない)
私は、本職の物理屋や物理系学生ではないし。。。

ただ、量子力学や量子論の世界のものは、私達にとって、完全な正確な理解は、ほとんど不可能であると思いますよ。

専門家にアイソスピンやカラー荷などが、どんなものか、と聞いても、まともに答えられないでしょうね。
ましてや、それらが、実際、どんなものか、見せろ、といわれたら、完全に不可能でしょうし。。。

スピンも、古典論の自転などにたとえる本がありますが、実際には、それと違いますよね?

私達には、あくまで例えのイメージでしか理解できないもの、と思います。
量子力学・量子論の世界では、”ウソも方便”という感じだと思います(特に私達のように、趣味に近いレベルでやっている人間には、分かりやすければ、と思います)

そもそも、根本レベルでも、”コペンハーゲン解釈”と”多世界解釈”と、どっちが正しいのかも、私達には、当面、分からないわけで。。。

  投稿者:明男 - 2007/01/22(Mon) 00:47  No.961 
>fussar さん、こんばんは。

>>明男さん
スピノールとゲージ粒子の違いをわかってますか?

私に突っ込めと言ったんじゃないのに(笑)。

自慢じゃないですが、分かっていないでしょうね。スピンすら、よく分かっていないですから。
ただ、言い訳する訳ではないけれど、私の習った頃は「クオークという電荷が1/3の倍数のような奇妙な素粒子」を考えねばならない、という記述が「場の量子論」の本に載っていた時代ですから。

その頃の記憶の片隅を呼び起こして書いてみると、間違っているかも知れないけれども、まあ、これが私の理解の程度ですから。

スピノールとだけ書かれれば、それはLie群SL(2,C)の表現のことであるが、物理ではスピン1/2の場をスピノール場と呼ぶ。
ここで場とは粒子数を固有値に持つ、真空を含めた"物理的"状態ベクトル上の演算子と同一視できる、時空座標の関数である。
一方、ゲージ粒子とは、上記「場」の方程式にゲージ不変性を要求した場合、ゲージ場として導入しなければならない場に対応する粒子であるが、本来質量0のボソンであるものが、自発的対称性の破れにより質量を獲得したものである。所謂素粒子に対して、力を伝達する場の量子化に伴い現れる。広義に電磁場の量子化で光子(質量0)、重力場でグラヴィトンも含めて称することがある。勿論ボソンであるので、スピンは偶数であり、場の演算子としても、スピノールとの違いは明らかである。

ってところかなあ。ところで座標変換に対する法則性から言えば、スピノールっていうのはスカラー・ベクトル・テンソルなどとおなじ意味で成分の変換規則による分類に過ぎないのでしょうかね?

  投稿者:EMAN - 2007/01/22(Mon) 03:45  No.967 
> きついからといって怒らないで下さいね。ただ、どうしてこのようなあまりに初歩的!な間違いをスルーしたまま議論が進んでいくのかなこの掲示板は?と思っただけなので。

 分析してみました。

 多分、私がまだ場の理論について書き始めていないために、それを目当てで来る読者が少ないことがあると思います。

 初歩的なことと言われましても、まだ場の理論について突っ込みを入れるには、私にとっても他の多くの読者にとっても勇気の要ることなのです。

 ですから fussar さんのようなツッコミを入れて下さる人はこの掲示板にとっては非常に貴重だと思ってます。

 ただ、相手の間違いを指摘した文章の末尾に、(笑 と入れるのは、失礼に感じる人が多いですので、もう少し優しく成長を見守ってくださると嬉しく思います。

  投稿者:ワイル - 2007/01/22(Mon) 09:47  No.968 
こんにちは

>>初歩的なことと言われましても、まだ場の理論について突っ込みを入れるには、私にとっても他の多くの読者にとっても勇気の要ることなのです。

特に、量子力学や量子論では、他のテーマについても、いくつかの専門家による書籍、雑誌、サイトなどをみると、少なくとも2,3くらいの解釈などはありえそうですね。

こうした分野では、専門家の間でも、解釈などが、いくつかあるということで、どれが正しくて、どれが間違い、ということは言い切れないと思います。

量子力学、量子論の世界のものは、直接、観測したり認識することができないものが殆どですから、いろいろと解釈や例えがありえそうですね(カラー荷という概念も、量子に、私たちが認識しているような色がついているわけでなく、あくまでも分かりやすい"例え"や"模型"と思います)。

私があげた、SU(N)の場を、複数個のスピノルに対する変換の場、という見方も、何冊かありますよ(それは、私独自の考えでなく、たとえば、私があげた4冊の書籍からの受け売りみたいなものですし、その見方も、私はあくまでも、"例え"や、モデル・模型のレベルであると理解しております)。
基本的なところでは、量子力学・量子論の世界で、粒子とか波動といっても、私たちの日常における粒子とか波動とは、かなり違うもので、あくまでも”例え”というわけです。

何冊も購入するのは、大変だ、ということであれば、図書館などに行って、いろいろと読んでみてはいかがでしょうか?

世の中、いろいろな書籍・文献などを読んでみれば、いろいろな見方、解釈がある、ということが分かりますよ。

量子力学・量子論の世界だけでなく、実社会のものでは、学校での試験問題の場合のように、単純に○、×、あるいは、正しい、間違いと言い切れるもの、割り切れるものでは無いものが、ほとんどですよ。

まあ、私としても、これからの書込みでは、”こういう解釈や模型・モデルもあるよ。”という程度のことを付けておきましょう(次いで、出典となる文献も紹介しておきます)。
[私自身、専門家や学生とかでなく、あくまでも、”模型”や”モデル"を楽しんでいるレベルです]

  投稿者:あもん - 2007/01/22(Mon) 21:20  No.969 

私は fussar さんのように、ワイルさんの発言を全て読んでいるわけではないので、状況をちゃんと把握していない可能性もありますが、関連して思ったことだけ書いておきます。

>SU(2)の場 ・・・ 2個のスピノルの組、つまり、抽象的な2次元複素ベクトルを変換する場

SU(2) が2個のスピノルの組に対するスペシャルユニタリ変換であることは正しいです。このとき、2個のスピノルの組は SU(2) の基本表現(2次元表現)であると言います。しかし、その変換の場をゲージ場と言うと、語弊があります。ゲージ場はその変換の "接続場" ですね。そして、ゲージ場も SU(2) 変換に対してしかるべき振る舞いをします。それは随伴表現(3次元表現)のちょっとした変形になっています。この意味で、ゲージ場も、ワイルさんのいうところのオブジェクトにすぎないでしょう。

メソッド・・・ SU(2)
オブジェクト・・・各種の場(ゲージ場を含む)

あと、ワイルさんは場の方程式にこだわる傾向があるようですが、場の理論で基本的なのはラグランジアン密度です。一般相対論のような古典論では、場の方程式を導き、それを解いて解を求める、ということが重要になってきますが、量子論では、ラグランジアン密度の相互作用部分に注目して、散乱断面積や粒子の寿命を計算することが重要になってきます。ですから、場の方程式を導くことは、自由部分(運動項の部分)の他は、あまりしません。

ワイルさんが統一理論に夢中で、一生懸命に勉強したり調べたりしていることは、その発言からよく伝わってきます。頑張って下さい。陰ながら応援しております。

  投稿者:ワイル - 2007/01/23(Tue) 11:47  No.972 
あもんさん、こんにちは


>>SU(2) が2個のスピノルの組に対するスペシャルユニタリ変換であることは正しいです。このとき、2個のスピノルの組は SU(2) の基本表現(2次元表現)であると言います。しかし、その変換の場をゲージ場と言うと、語弊があります。ゲージ場はその変換の "接続場" ですね。そして、ゲージ場も SU(2) 変換に対してしかるべき振る舞いをします。それは随伴表現(3次元表現)のちょっとした変形になっています。この意味で、ゲージ場も、ワイルさんのいうところのオブジェクトにすぎないでしょう。

どうも、ご教授ありがとうございます。
ゲージ場も、オブジェクトですか。。。

ところで、
電磁場 ・・・ 電荷(素電荷)に作用する場
弱い力の場 ・・・ 弱アイソスピンに作用する場
強い力の場 ・・・ カラーチャージに作用する場
というのは、現在では、どうなるのでしょうか?

>>あと、ワイルさんは場の方程式にこだわる傾向があるようですが、場の理論で基本的なのはラグランジアン密度です。一般相対論のような古典論では、場の方程式を導き、それを解いて解を求める、ということが重要になってきますが、量子論では、ラグランジアン密度の相互作用部分に注目して、散乱断面積や粒子の寿命を計算することが重要になってきます。ですから、場の方程式を導くことは、自由部分(運動項の部分)の他は、あまりしません。

場の量子論では、ラグランジアン密度によって、散乱断面積や粒子の寿命を計算することが重要、なのですか。。。

ただ、私自身、まだ、そこまで行けませんで、古典論のレベルで「遊んでいる」というレベルです。。。(量子力学を、もっと勉強しなくては。。。)

>>GWS と QCD を統合した U(1)×SU(2)×SU(3) のゲージ理論は "標準模型" です。大統一理論 GUT は、さらにレプトンとクォークを統合した SU(5)(または SO(10))のゲージ理論です。GUT のシナリオでは、以下のような2回の相転移によって現在の相になったと考えます。
>>SU(5)_GUT ----> U(1)_Y × SU(2)_L × SU(3)_C ----> U(1)_EM × SU(3)_C

これも、ご教授、ありがとうございます。
一般的な解説書に載っている話から、だいぶ、かわっていますね?

>>ワイルさんが統一理論に夢中で、一生懸命に勉強したり調べたりしていることは、その発言からよく伝わってきます。頑張って下さい。陰ながら応援しております。

古典論のレベルでの統一理論を作れないか、と思っています(無駄かも知れませんが)。まあ、お遊びのレベルです。



  投稿者:あもん - 2007/01/23(Tue) 16:35  No.973 

ワイルさん。

>電磁場 ・・・ 電荷(素電荷)に作用する場
>弱い力の場 ・・・ 弱アイソスピンに作用する場
>強い力の場 ・・・ カラーチャージに作用する場
>というのは、現在では、どうなるのでしょうか?

標準模型によれば、おおまかには間違ってないです。ただ、弱い力がゲージ力でないことは留意しておくべきことでしょう。

標準模型はもともと、

U(1)_Y × SU(2)_L × SU(3)_C

の対称性を持ちます。ここで U(1)_Y の結合定数は普通の電荷ではなく、ハイパー電荷と呼ばれます。標準模型には物質の場が5つあるのですが(1つの世代に対して)、それらのハイパー電荷 Y は下の通りです。

レプトン左手型  -1/2
レプトン右手型下  -1
クォーク左手型  +1/6
クォーク右手型上 +2/3
クォーク右手型下 -1/3

一方、SU(2)_L の L は left-handed から来ていて、SU(2)_L 2重項(基本表現)なのは左手型の物質、およびヒッグスだけです。右手型の物質は SU(2)_L 1重項(不変)になります。この左手型右手型のアンバランスが標準模型の特徴の1つで、カイラル性と呼ばれます。カイラル性はパリティの破れを実現するため、素粒子統一理論においては必須の性質です。

で、ヒッグス機構により、次のように対称性が破れます。

U(1)_Y × SU(2)_L ----> U(1)_EM

U(1)_EM はまさに QED の U(1) で、電磁力をゲージ力とする対称性です。U(1)_EM の結合定数が普通にいう電荷です。U(1)_Y と U(1)_EM は別物です。言い方を変えれば、SU(2)_L の対称性が単独で破れたわけではないのです。

弱い相互作用(W,Z の交換による力)は、上の対称性の破れにともなって生じる "残骸" のようなものです。これはもはやゲージ力ではありません。弱い相互作用が極めて複雑なのは、それが対称性の破れにおける残骸であることと、もともとのカイラル性、および世代混合によります。

ひも理論を発明した南部陽一郎は、弱い相互作用があまりに勝手気ままに見えるため、「弱い相互作用は神の手抜きなのかも?」と思っていたそうです。しかし、標準模型とヒッグス機構は、そうでないことを教えてくれたわけです。

>>SU(5)_GUT ----> U(1)_Y × SU(2)_L × SU(3)_C ----> U(1)_EM × SU(3)_C
>これも、ご教授、ありがとうございます。
>一般的な解説書に載っている話から、だいぶ、かわっていますね?

上の説明で回答になっていると思います。ちなみに、SU(3)_C の C はカラーの C です。u,d,s の質量を無視したときに得られるフレーバー SU(3) と区別して、カラー SU(3) と呼ばれます。カラー SU(3) のゲージ粒子がグルーオンで、そのゲージ力が強い相互作用であることは、おっしゃる通りです。

  投稿者:ワイル - 2007/01/23(Tue) 17:27  No.974 
あもんさん、こんにちは。。。
いろいろと、ご教授、ありがとうございます。

やはり、ちゃんと知っている人は、説明も丁寧ですよね。

でも、私は場の量子論に本格的に行く前に、相対論と量子力学を、もういちど、やり直さないと。。。

EMANさんの相対性理論や量子力学の完成および書籍化が、待ち遠しいな。。。