EMANの物理学 過去ログ No.810 〜

 ● 物理の質問

  投稿者:ワイル - 2006/12/18(Mon) 14:06  No.810 
こんにちは。。。

たまには、まじめに物理の質問です。

QED(量子電気力学)の方程式は、
・マクスウェル方程式
・クライン・ゴードン(複素スカラー場)あるいはディラック(スピノル場)の波動方程式

QCD(量子色力学)の方程式は、
・SU(3)のヤンミルズ方程式
・3個1組のスピノルについてのディラック方程式

だと思いますが、GWS(グラショウ・ワインバーグ・サラム)の
電弱理論の方程式は、

・SU(2)場の方程式 −> ヤンミルズ方程式
・U(1)場の方程式 −> マクスウェル方程式
・2個1組のスピノルについてのディラック方程式
・ヒッグス(スピン0)場 −> クライン・ゴードン方程式 

になるのでしょうか?

ラグランジアンから基礎方程式の導き方が、丁寧に載っている文献
はないかな?(洋書でもOKです)

以上、よろしく、お願いします。

  投稿者:ワイル - 2006/12/19(Tue) 14:20  No.811 
こんにちは。。。

自己レスです。

>>・ヒッグス(スピン0)場 −> クライン・ゴードン方程式 

ヒッグス場は、いちおう、スピン0のスカラー場なので、クライン・ゴードン方程式でよさそうですが、あまり単純ではなく、一縄筋ではいかないようですね。

GWSのラグラジアンには、

・SU(2)場の作用項
・U(1)場の作用項
・ディラック・スピノル場の作用項
・ヒッグス・スカラー場の作用項

の他に、湯川秀樹博士の名前がついた、「湯川スカラー作用項」(ディラック・スピノルとヒッグス・スカラーとの相互作用を表す項)が加わって、けっこう複雑になっているようですね。

それにしても、フリーのWeb百科事典の「ウィキペディア」などでも、日本語版のものより、英語版のものの方が質量ともに豊富ですし、詳しい感じです。

場の量子論や、その先の量子重力の世界は、Web、書籍ともに、やはり英語ですね?

日本語では、絶版になっているような書籍で、わかりやすい書籍があったりして、神保町の古書販売店で、運がよければ入手できることがあります(でも、名著とよばれている書籍は、古い書籍の割りに高価だったりする)。

そうした名著は、復活してくれませんかね? >> 出版会社さん

あと、

「場の量子論」関係の質問は、場違いでしょうかね?(私も、まだ「場の量子論」については、完全な初心者なのですが) >> EMANさん

  投稿者:TOSHI - 2006/12/19(Tue) 14:58  No.812 
 こんにちは、ワイルさん。TOSHIです。

 そんなに一遍に多くのことを要求しないでコツコツやったらどうでしょうか?私の学生時代の専門がQEDでその中でも特に専門なのが「トライアングル・アノマリー」ですが、私の勉強した古いものでよければ、「相対論的量子力学」と「場の量子論」がJ.D.Bjorken S.D.Drell 「Relativistic Quantum Mechanics」と「Relativistic Quantum Fields」の2冊、

 ゲージ場や自発的対称性の破れ、アノマリー=「量子異常」が九後汰一郎 著の「ゲージ場の量子論」1,2巻ですね。

 でも最近ではBjorken & Drellの代わりにM.Peskin D.Schroeder の An Introduction to 「Quantum Field Theory」やItyzkson のField Theory の教科書などがより現代的なトピックスを含んでいるようです。

 いずれにしても本格的に理解するには「一朝一夕」ではできませんから何年かを費やす覚悟が必要と思います。僭越ながら私からのアドバイスです。

                    TOSHI

  投稿者:ワイル - 2006/12/19(Tue) 15:13  No.813 
こんにちは、TOSHIさん。。。

>>いずれにしても本格的に理解するには「一朝一夕」ではできませんから何年かを費やす覚悟が必要と思います。僭越ながら私からのアドバイスです。

どうも、いろいろと、アドバイスありがとうございます。

場の量子論は、まだ深く突っ込んで、というレベルでなく、まだ、周囲をウロついている、というレベルです。

それで、単に、いろいろな基礎方程式の形が、知りたい、というレベルでもあります。

アノマリーや、くりこみのあたりまで行くには、けっこう掛かりそうですね?

いや、「場の量子論」というレベルも行っていないですね?

マクスウェル方程式やヤン・ミルズ方程式は電磁場やゲージ場の古典論の方程式ですが、クライン・ゴードン方程式やディラック方程式も1粒子くらいの場合では、まだ「量子力学」とか「物資場の古典論」の範疇ですよね?

本当の「場の量子論」に対応するには、場の量子化や第2量子化に、しっかり対応しなければならないですね。

  投稿者:ワイル - 2006/12/19(Tue) 18:39  No.814 
GWS理論のラングランジアンを、完全に書き下したPDFファイルを
みつけました。

http://ubpheno.physics.buffalo.edu/~dow/lectures/phy521/lecturenotes/lecture26.pdf

怖ろしく複雑で込み入っていますね。

これから微分方程式を作る作業も大変そうですね?

  投稿者:EMAN - 2006/12/20(Wed) 08:58  No.815 
> 怖ろしく複雑で込み入っていますね。

 こんなのは例え理解できたとしても説明したくないなぁ。
 それとも、これが美しいと思える日が来るのだろうか。

  投稿者:明男 - 2006/12/20(Wed) 09:01  No.816 
>ワイルさん

>>これから微分方程式を作る作業も大変そうですね

間違っていたら、申し訳ないですが、私の記憶ではラグランジュアン(密度)以降の手順としては、大雑把に言えば以下のようだったと思います。
@ラグランジュアンから正準量子化による正準変数を計算、その交換関係から伝播関数を定義する。またハミルトニアンを計算する。
Aハミルトニアンをφinitialとφfinalで挟み、遷移行列を計算する。
実際には一般論から出てくる、各相互作用に応じた伝播関数、波動関数の交換関係(運動量空間で生成消滅演算子に変換)、γトレースなどを駆使し、遷移行列を入出運動量で表せば終わりですから、量子力学の一般的解法とそう違わないと思いました。当たり前ですが。

実験との対比ではチャンネルに応じたファインマンダイアグラムごとの効果を計算し、足し上げる必要がありますが、当然繰り込みを考慮しなければなりませんし、最後は観測量である微分断面積、遷移確率にしなければなりませんね。

まあ、途中計算は一般論から様々な簡略化やテクニックが存在し、一からする必要はないでしょうが、それにしても膨大な計算になります。基礎理論はもとより、式に含まれる項の意味と物理的処方をきちんと理解し、訓練を積まないと自力で展開するのは無理ですね。

  投稿者:ワイル - 2006/12/20(Wed) 12:06  No.817 
こんにちは

>> 怖ろしく複雑で込み入っていますね。
>こんなのは例え理解できたとしても説明したくないなぁ。
>それとも、これが美しいと思える日が来るのだろうか。

このGWS理論さえ、ご存知のように、
 電磁力 と 弱い力 = 電弱力
の統一理論ですよね?

これでさらに、
 電弱力 と 強い力(QCD) = 統一ゲージ力
というのが、いわゆる、「大統一理論(GUT)」であり、それに、
 重力
をも加えた統一をめざしているのが、いわゆる「超ひも理論」ですよね?

GWS理論のラグラジアンでさえ、こんなに複雑なので、大統一理論のラグラジアンは、
  もっと複雑で怪奇なもの
であろうという感じでしょうし、それにさらに一般相対論的な重力を加えた超ひも理論のラグラジアンは、
  きわめて複雑で怪奇なもの
になりそうな予想がしますでしょう?

そして、それを元に計算を行うことは、現実的に可能だろうか?
GWSやQCDでさえ、スーパーコンピュータを使っても、かなりの時間がかかると、聞きますから。。。

こうしたことは実践的計算の面からの「科学の限界」といえるのではないでしょうか?

実験・観測面でも、
 絶対温度零度 ・・・ 熱力学第3法則による、(我々の世界で)観測できる低い温度の限界
 光速 ・・・ 相対論による、(我々の世界で)観測できる速さの限界
 プランク定数 ・・・ 量子力学による、観測精度の限界
 プランク・スケール等 ・・・ 相対論と量子論による、(我々の世界で)観測できるスケール、時間、エネルギーなどの限界
 137億光年 ・・・ WMAPによる、(我々の世界で)観測できる宇宙の限界
などの制限・制約が付けられてきていますね?

科学自身の言葉で、科学の限界が語られているとも、いえます。

こうした制限・制約や限界の打破は、近い将来は無理としても、遠い将来、可能になるのでしょうかね?
遠い将来でも、やはり、無理だろうか?

もちろん、熱力学やら相対論・量子論を信用する限り、上記の制限は、「どんなことをしても、この世界では打破できる可能性は、ゼロに等しい」と思います。

コンピュータの演算素子の能力にも、相対論や量子論による「壁」が立ちはだかっているようですね(電子回路中の信号伝達速度については「光速の壁」、素子が分子・原子レベルにまで小さくなっていった場合に「不確定性原理による壁」が存在するわけですね)。

でも、何等かの「発想の転換」みたいなもので、上述の「壁」を打破することは、できないだろうかね?

光速の壁については、(できればの話で)「ワープ」と、コンピュータの演算性能の壁については、量子コンピュータ(?)とか。。。