EMANの物理学 過去ログ No.695 〜

 ● g因子が2となる理屈

  投稿者:佳奈子 - 2006/10/28(Sat) 15:13  No.695 
「g因子が2となる理屈」が追加されるのを待っています。

簡単に説明できそうならよろしくおねがします。

  投稿者:EMAN - 2006/10/28(Sat) 22:03  No.696 
 リクエストありがとうございます。

 出来そうだと思ったらとりあえず予告してしまうので、
簡単かどうかはまだ私にも分かりません。

 次から解析力学のページの整備に取り掛かろうかな・・・と
漠然と考えていた程度なので、
タイミング的にちょうど良かったです。

 次に更新するとしたら g 因子になる可能性が高いですね。
 難しくなかったら・・・ですが。
 以前考えてみて、
アプローチの仕方で悩んだ気もするのです。
 うーん、最近、記憶力が弱くていけない。

 ハミルトニアンが天下り的に示されるのが嫌だったかなんかで、
説明をやめたのかも知れない。

  投稿者:TOSHI - 2006/10/29(Sun) 02:02  No.698 
 こんばんは、TOSHIと申します。

 ブログ「TOSHIの宇宙」9/8の記事、「パウリのスピンと相対性理論」が参考になるかも知れないので転載させていただきます。

 パウリの導入した電子などの「スピン」という概念は、「ディラック(Dirac)方程式」という量子論の「相対論的波動方程式」が導入されてはじめてその意味が明らかになったというのは恐らく事実であろうと思われます。

「ディラック(Dirac)方程式」(γp−m)ψ= 0 において電磁気の「極小相互作用(minimal coupling)」p→p−eA/cと置き換えた{γ(p−eA/c)−m}ψ=0 において4×4行列γを2×2の「パウリ行列」σで表現し、4成分スピノルψのうちの正エネルギー解での大成分の部分である2成分スピノルχだけを取り出して、例えば「フォールディ・ウウトホイゼン変換」などにより「非相対論」の極限を取れば「シュレーディンガー方程式」での「パウリ項」である−(e/2mc)σBχが自然に得られる、というわけです。(この項は磁気回転比がg=2であることを自然に示しています。)

 しかし、この「マジック」は別に方程式を「特殊相対論的」にしたために生じたのではなくて、ディラックが方程式を線形な「行列方程式」にしたこと、つまり波動関数がスピノルであることを明示したことが「パウリ項」を浮き出させた原因である、ということをここに強調しておこうと思います。

「非相対論的量子力学」でもスピンが1/2のフェルミ粒子であるということで、最初から「シュレーディンガー方程式」の波動関数が2成分のスピノルであるということを意識していれば自由粒子のハミルトニアンH=p^2/2mが「パウリ行列」σを用いてH=(σp)^2/2m とも表現できることに気づくはずです。

「自由粒子」ならどちらの表現も同じでσを導入したことに何の意味もないですが、「極小相互作用(minimal coupling)」p→p−eA/c、すなわち、p→p−eA/c、H→H−eΦを実行して電磁場があるとすると、H=p^2/2m からの変形は H=(p−eA/c)^2/2m+eΦ で何の変哲もないですが、これをH=(σp)^2/2mから変形してH={σ(p−eA/c)}^2/2m+eΦ と書けば、なんと不思議なことに自然に「パウリ項」が得られるのです。 

 これは「パウリ行列」σがあることにより、−(e/2mc)(σipiσjAj+σjAjσipi) の項から−(e/2mc)(pA+Ap)以外の項が得られるからです。

 すなわち、i=jのときσiσj=1、i≠jのときσiσj=−σjσi=iεijkですから、(σiσjpiAj+σjσiAjpi)の項から pi=−i∂iとεijk=εkijであること、磁場BがベクトルポテンシャルAからBk=εkij∂iAj によって与えられることを組み合わせれば (pA+Ap) という項の他に2成分スピノルの波動関数に掛かる項 σBが得られるのは明らかですね。

というわけでパウリの1/2の「スピン」は単に「3次元回転群」の2価表現の一つであって「特殊相対論」とは直接には何の関係もないのでした。

              TOSHI

  投稿者:佳奈子 - 2006/10/29(Sun) 16:58  No.699 
EMANさん 返事ありがとうございます。
ちょっと期待しちゃいますね^^

  投稿者:ワイル - 2006/10/29(Sun) 22:14  No.700 
こんばんは?

>> しかし、この「マジック」は別に方程式を「特殊相対論的」にしたために生じたのではなくて、ディラックが方程式を線形な「行列方程式」にしたこと、つまり波動関数がスピノルであることを明示したことが「パウリ項」を浮き出させた原因である、ということをここに強調しておこうと思います。

しかし、ディラックが、その行列方程式を導入したのは、電子
などの、いわゆるフェルミ粒子が従う(特殊)相対論的波動方
程式を導くため、というわけですよね?

いわゆる相対論的なクライン・ゴードン方程式を(演算子に
関しての)1次式の形に変形(因数分解)するにあたって、
通常の実数や複素数による方程式で無理で、行列による方程
式にせざるを得なかった、ということですね?

そうすると、やはり、特殊相対論と量子力学との統合のため
に、行列方程式を導入し、そのことで、スピンが出てきたの
では、という見方もできそうですが?


  投稿者:TOSHI - 2006/10/30(Mon) 03:35  No.701 
 こんばんは。。ワイルさん、TOSHIです。

>そうすると、やはり、特殊相対論と量子力学との統合のため
に、行列方程式を導入し、そのことで、スピンが出てきたの
では、という見方もできそうですが?

 確かに「きっかけ」はディラック方程式で4行4列の行列を導入しなければ方程式が平方根を含みしたがって「非局所的方程式」になってしまうのですが、一方非相対論では行列を導入しなくてもそのまま線形方程式が定式化できたからそうしなかっただけですね。

 しかし、「パウリのスピン」が2行2列の行列でフェルミ粒子の波動関数が2成分スピノルとして記述されるということに気づいたときに、すぐにハミルトニアンを2行2列のσ行列を含むように改善していればディラックを待つことはなかったのです。

 まあ、後になってからは「コロンブスの卵」であり誰でも言えることではありますが。。。。

                      TOSHI



  投稿者:EMAN - 2006/10/30(Mon) 22:01  No.702 
> すぐにハミルトニアンを2行2列のσ行列を含むように改善していればディラックを待つことはなかったのです。

 この表現、分かり易くていいですねー。
(盗みたいなーと思ってしまいました。)

  投稿者:TOSHI - 2006/10/31(Tue) 08:56  No.703 
 どもEMANさん、TOSHIです。

 EMANさんのことですから独自の説明法をお持ちとは思いますが、もしも「盗んで」いただいたならむしろ「光栄」ですね。

 学問の世界では「勉強する」ということ自体が悪い言葉で言えば既に他人からの「パクリ」だと思ってますから。。。

                 TOSHI

  投稿者:ワイル - 2006/10/31(Tue) 22:53  No.705 
こんばんは

>>学問の世界では「勉強する」ということ自体が悪い言葉で言えば既に他人からの「パクリ」だと思ってますから。。。

EMANさんや、TOSHIさんを前に、偉そうなウンチクを言うの
は、とても恐縮なのですが。。。

洋の東西問わず、あるいは、科学の世界、技術の世界、芸術の
世界、スポーツの世界問わず、「学ぶ」とは「真似る」こと、
「盗む」ことから始めるもののようですね。

直接、あるいは、書籍、雑誌やら、現代ならラジオ、テレビ、
インターネットなどを通じて、様々な人から意見、知識、知
恵、技術などを学び、盗み、次に自分で、いろいろと考えた
り体験したりすることが大事なようです。

どの分野でも、歴史に残る大物とよばれる人物には、そのよ
うな、さまざまな人々の知識・知恵・技術を学びとる能力・
意欲が大きく、過去のものの総合と、新しいものの創造の両
面をもっているといえます。

科学の世界でいえば、ニュートンやアインシュタインなどに、
過去のものの総合と、新しいもの創造の両面が見られ、大き
なものを感じます。

芸術の世界でも、ミケランジェロやら、バッハやモーツアル
トといった人たちには、やはり過去のものの総合と、新しい
ものの創造の両面を見ることができます。

しかし、日本の戦後の「受験戦争」では、過去の総合も、
新しいものの創造も、乏しいように思えます。

最近の、あちこちの高校での履修漏れの事件も、まさに、
そういう日本の「受験」優先できた教育のなれの果て、
という感じです。