EMANの物理学 過去ログ No.554 〜

 ● 質問

  投稿者:エカ - 2006/09/16(Sat) 10:54  No.554 
はじめまして、電磁気初心者のこーと申します。

今まで電磁気学というのは捕らえどころがないと思っていたのですが、EMANさんのおかげで電磁気学の大枠が前よりは捕らえることができたように思える今日この頃です。
読んできた教科書が別のもに見えます。よいページを作ってくれてありがとうございます。

いくつか質問があります。気が乗ったら答えてくれないでしょうか。

@”静電場の満たす方程式”の章の最後で静電場の満たす2つ目の方程式についてです

rotEとnの内積の面積積分が0になるというのはわかるんですが、そこからrotE = 0となってます。

このときnとの内積がなくなってるように思えます。
rotEはベクトルという話ですので0というのは零ベクトルということでしょうか?

A”マクスウェル方程式の完成”の章で"div D=ρであることをうまく使って、あらかじめもとの式にDを仕込んでおいてやれば、”という記述があるのですが、もとの式とはどの式のことでしょうか?

Bビオサバールの法則は電流が時間変化した場合でも成り立つんでしょうか?
直流でしか成り立たないんだよって言われたことがありまして。電束密度の時間変化の項がないからでしょうか?

  投稿者:EMAN - 2006/09/16(Sat) 20:00  No.556 
 少し気が向いたので、とりあえず(1)の質問に答えます。

∫rotE・n dS = 0 であることから、
常に rotE・n = 0 だと結論付けてしまったとしたら、
間違いになります。

 なぜなら、rotE・n はスカラーであり、
プラスの値、マイナスの値も取るけれど、
合計が0なのかもしれないからです。

 この部分の解説で重要なのは、積分範囲をどう選ぼうとも
∫rotE・n dS = 0 であることです。
つまり、n がどんなベクトルであってもこの式が成り立つと
いうことです。

 ですから全体がいつでも0になる原因は rotE の
側にあると結論できるわけです。

 その通り、rotE = 0 の 0 は 零ベクトルですよ。

  投稿者:明男 - 2006/09/16(Sat) 23:16  No.558 
はじめまして、コーさん。明男と言います。

EMANさんがレスしておられるので、蛇足ですが表現を変えた、私の理解方法も参考にしてください。

∫rotE・ndSは、∫rotE・dσと表現してある教科書もありますが、ここで、ベクトルdσは大きさ|dσ|で、向き付けられた(微小)平面で、その方向ベクトルは平面に垂直な単位ベクトル(=n)とします。
したがって積分領域から針ねずみのようにnが突き出ているイメージです。
勿論、全体領域の形が異なれば、微小領域の針の向き(の模様)も全く異なるわけです。

これとrotEの内積をすべて足し上げると常に0(これはスカラー)になるということです。

とんなdσを選ぼうと0になるのは、rotEが0(これはベクトル)であるからと結論できるわけですね。


  投稿者:エカ - 2006/09/16(Sat) 23:32  No.559 
EMANさん明男さん返答ありがとうございます。

"これがどのような時にも成り立っているためには、その積分の中身が常に 0 であることが要求される。"

とはそういうことだったんですね。
理解できたように思えます。

ほかの質問はもっと自分で悩んでみることにします。
ありがとうございました。

  投稿者:エカ - 2006/09/16(Sat) 23:59  No.560 
Aの質問についてなんですが、考えてみたんですが

つまるところ

rotH = iは両辺のdivをとるとdiv i = 0になっちゃうから
両辺のdivをとったときにdiv i = -∂ρ/∂tとちゃんとなるように
rotH = i に ∂D/∂tを加えた
というただそれだけのことでしょうか?

いささか強引のような気がするんですが、マクスウェルさんもそうやって補正したんでしょうかね?

  投稿者:EMAN - 2006/09/17(Sun) 23:15  No.562 
> ・・・というただそれだけのことでしょうか?

 そういうことです。

> いささか強引のような気がするんですが、マクスウェルさんもそうやって補正したんでしょうかね?

 なかなか先見性があるというか、勇気が要ったと思いますよ。 事実、電磁波の存在はしばらく確認されなかったわけですし。


 ビオサバールの法則の件ですが、もし電流が変化すれば電磁波が出るわけで、離れた地点にその影響が伝わるのに時間がかかるでしょう。

  投稿者:エカ - 2006/09/18(Mon) 09:13  No.563 
回答ありがとうございますm(_ _)m。

> ビオサバールの法則の件ですが、もし電流が変化すれば電磁波が出るわけで、離れた地点にその影響が伝わるのに時間がかかるでしょう。

実のところまだ、"マクスウェルの方程式の完成"までを他の教科書と合わせながら何度も読み返している段階です。
電磁波という概念を理解していないので、Bはまだわからないのかもしれません。

もっと勉強してからEMANさんの回答の意味を吟味してみます。

ところで”電磁誘導”の章で
"その輪の中をくぐる磁力線の本数の変化して起電力が生じるのだと言う。"という文章がありますが、これは”本数の”は”本数が”の間違いではないでしょうか?
どうでもいいんですが一応;

  投稿者:EMAN - 2006/09/18(Mon) 18:55  No.565 
> もっと勉強してからEMANさんの回答の意味を吟味してみます。

 大したこと言ってないことがすぐばれるだろうな・・・。


> ところで”電磁誘導”の章で・・・

 ありがとうございます。直しておきました。

  投稿者:エカ - 2006/09/19(Tue) 00:12  No.567 
ようやく”電磁波”の章まで読み終わりました。

この章の内容からEMANさんの回答
"電流が変化すれば電磁波が出るわけで、離れた地点にその影響が伝わるのに時間がかかるでしょう。"
を考えてみるとなんとなく意味がわかってきたように思えます。

Bの解答は
ビオサバールの法則はあくまで静磁場のときのみに成り立つということでよいように思えます。

電流の時間変化により磁場が変化した場合、その変化が無限に広がる空間を高速を超えて一瞬で伝わるわけはなく、電磁波という波として伝わるということでしょうか。

観測点での磁場がビオサバールの法則で示される磁場の強さまで達するかどうかはわからないんですが、電磁波が観測点までに達する時間分だけ影響が遅れるという理解でどうでしょう??

  投稿者:EMAN - 2006/09/20(Wed) 19:56  No.575 
> 電流の時間変化により磁場が変化した場合、その変化が無限に広がる空間を高速を超えて一瞬で伝わるわけはなく、電磁波という波として伝わるということでしょうか。


 そういうことです。 しかし、光速の分だけの遅れを考慮したら、ビオサバールの法則がそのまま成り立つか、と聞かれたら、私には答えられません。 まだ考えた事がないです。



 ところで、(1)の質問の元になった、私の記事の文章は、ちょっとおかしいですね。 ちょっと考え直してみます。

  投稿者:kara - 2006/09/21(Thu) 01:06  No.577 
こんばんは。
僕自身は、電磁気は砂川重信著『電磁気学の考え方』で学びましたが、そこでは、ビオ・サバールの法則は、アンペールの法則と、divB=0から導出されます。また、この導出を見ると、ビオ・サバールの法則におけるdBは、実は電流素片dsのみが作り出すものではないということになります。(そもそもこういう電流素片は、現実的ではありません)かわりに、電流素片dsと、その入り口に球対称に流れ込む電流と、出口からやはり球対称に発散していく電流からの寄与を考えて導きます。すると、dsの連なった現実の電流を考えるとき、ある素片dsから発散する電流と次のdsに流れ込む電流がキャンセルすることで、結局正しい答えになるわけです。

同じ本の後のほうの記述をみると、時間変化する電荷密度と電流密度が与えられたときのローレンツゲージでのスカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルの積分表示が出てきます。これは、「遅延ポテンシャル」と呼ばれるのですが、その名のとおり、まさに、定常的な場合を、電磁場が光速で伝播することによる遅延効果を考慮して拡張したものが正しい解になっている、ということが見て取れます。

  投稿者:エカ - 2006/09/21(Thu) 05:40  No.578 
→EMANさん

> そういうことです。

あってますかヽ(^^)/

→karaさん

> (そもそもこういう電流素片は、現実的ではありません)かわりに、電流素片dsと、その入り口に球対称に流れ込む電流と、出口からやはり球対称に発散していく電流からの寄与を考えて導きます。

そういえばそのようなことをいっているWEBページがあったような気がします。
http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/Ampere2.html
といってもまだ真面目に考えていませんが;

> 同じ本の後のほうの記述をみると¨

ローレンツゲージ、遅延ポテンシャルいずれも私には新しい単語です^^;
しかし、つまりはビオサバールの法則は遅延効果を考慮するだけで交流に適応できるということですね。
ありがとうございます。

> 僕自身は、電磁気は砂川重信著『電磁気学の考え方』で学びましたが、

砂川さんはいろんな本を書いてるんですね。ちょっと覗いてみます。EMANさんお勧めの「電磁気学」はすでに購入済です。
まだ読んでないですが;
すでにお亡くなりになってるようで残念です。

EMANさん、明男さん、karaさんのおかげで3つの質問ともどうやら解決することができました。ありがとうございます。

私はすでに学生ではないので、教えてくれる先生がおりませんので感謝感激しております。

また何か十分考えた上でわからないことができたら質問させてもらうことがあると思います。その節は気分が乗ったら解答してください。
ありがとうございましたm(_ _)m。