EMANの物理学 過去ログ No.437 〜

 ● 質問です

  投稿者:sho - 2006/08/22(Tue) 00:24  No.437 
はじめまして、大学生なりたての者です。
ここのサイトは高校時代からわかる範囲で拝見させて頂いています。多分これからお世話になる機会が多いと思います。
さて、今次の問題に答えを与えなければならない立場にあるのですが、自力ではどうにもわからないのでどなたか教えて頂けないでしょうか?

中を水で満たした台車があります。その中で、軽い糸によって台車の床につなぎとめられている軽い球が浮力によって浮かんだ状態になっています。ここで台車をある定加速度で走らせると、球はどのような運動をするか、という問題です。

自分では台車後方に向かって水の密度が濃くなって台車前方向きの水圧が生まれて、張力との兼ね合いから台車前方側で振動をするのかなぁと考えましたが、数式で表現するには及びません。

どなたか、よろしくお願いします。

  投稿者:EMAN - 2006/08/22(Tue) 01:59  No.438 
 車の中で風船を浮かべておいたら、車が加速したとき、風船はどう動くか、というクイズがあったのを思い出しました。 風船は前に進むというのが答なんですよね。

 流体がからんでますから、加速し始めてからしばらくの間、球がどう動くかというところまで考えると数式で表すのは困難でしょう。 けど、shoさんの考え方は大きく間違ってはいないと思います。

 要するに、加速によって擬似的な重力がかかるわけですから、水槽が傾いて、わずかに重力が強くなったのと同じ状態が実現すると考えればもっと楽になるのではないかと思います。

  投稿者:sho - 2006/08/23(Wed) 04:30  No.442 
早速の御返事ありがとうございます。
えーと、まず台車進行方向に生まれる水圧による力は位置によらず一様であると考えていいんですよね?そう考えないと不合理だと思うので。EMANさんの御指摘後この力をfとでもおいて数学で考えてみたところ、球が往復運動をすることとその運動範囲はつきとめられました。しかしこのfは台車の加速度aを含む値としてどのように表されるのでしょうか?流体についての知識を持っていないのでわからないんです。

  投稿者:EMAN - 2006/08/23(Wed) 12:29  No.443 
> まず台車進行方向に生まれる水圧による力は位置によらず一様であると考えていいんですよね?

 圧力は位置により異なりますが、浮力は深さにはよらないと、いつか習いましたね。(最近の中学ではどう教えているのか知らないけれど)



> 球が往復運動をすることとその運動範囲はつきとめられました。

 ダウト!
 往復運動するには復元力が必要です。 この場合、何が復元力になっているとお考えでしょうか?
 もし軽い糸がバネのような働きをするのなら、「摩擦のある場合のバネの運動」と同じになるとは言えます。

 考え始める時には、数式よりも実体験が強い武器になります。
 例えば糸のついた風船の糸の先だけ持って風船を放すと、糸がピンと張ってからほんのわずかだけ揺れて、振動はすぐにおさまります。 それと同じことになるのではないでしょうか。


 もしshoさんが加速度センサーを設計する目的のために、加速度が変化した前後の球の微妙な振る舞いを知る必要があるというのであれば話は別ですが、問題文では「定加速度」となってますので、球が最終的にどこに落ち着くかを考えればいいと思うのです。


> しかしこのfは台車の加速度aを含む値としてどのように表されるのでしょうか?
> 流体についての知識を持っていないのでわからないんです。

 加速度が変化した時の微妙な振る舞いを知りたいのでなければ、
流体の知識はそれほど関係ないです。

 重力加速度は下向きに g 、そして加速度は横向きに a 。
 これらをベクトルで合成すると、g' = √(g^2 + a^2) の強さの斜め向きの重力加速度になります。

 あとは単なる「水槽に球を入れた場合の浮力」の問題になります。 重力が g ではなく g' であることと、重力が真下でないことだけが中学理科と違うだけです。
 重力の方向が斜めになっていることについては水槽が傾いて置かれていると考えればいいだけですので大した問題ではありません。

  投稿者:sho - 2006/08/23(Wed) 23:38  No.445 
う〜んと、僕の説明が下手だったので問題設定が十分に伝わっていない気がします。まず、球はとても軽いという設定です。ですので、球に働く重力及び慣性力は無視して良いと思うんです(間違いでしょうか?)。そうすると台車を走らせる前の状態では、糸はピンと張っており、張力と浮力のみがつりあって静止しているということです。
ここからが僕の考えですが、台車を走らせ始めると水の粒子それぞれが慣性力を受けるので台車後方ほど密度が濃くなり、密度の濃いほうから薄いほうへ、つまり台車進行方向向きの一様な力が生まれます。この力によって球は前方へ傾き始めますが、傾くにつれより強く浮力が球を押し返そうとします。つまり僕が復元力と考えたのは浮力です。また、糸は常にピンと張っています。こう考えると球は振り子の運動が逆さになって実現したように運動すると考えたのですが、如何でしょうか?

  投稿者:EMAN - 2006/08/24(Thu) 01:00  No.446 
> う〜んと、僕の説明が下手だったので問題設定が十分に伝わっていない気がします。

 そんなことないと思いますよ。 安心してください。

 私はこの問題がいかに単純な話であるかを説明しようとして、shoさんとは違う見方を提案しようとしているのですが、どうやら今は別の見方を受け入れる余裕はないようですね。

 shoさんの見方を全否定するつもりはありませんので、その線で話をしましょう。

> まず、球はとても軽いという設定です。ですので、球に働く重力及び慣性力は無視して良いと思うんです(間違いでしょうか?)。

 それでいいでしょう。

> そうすると台車を走らせる前の状態では、糸はピンと張っており、張力と浮力のみがつりあって静止しているということです。

 同意します。


> ここからが僕の考えですが、台車を走らせ始めると水の粒子それぞれが慣性力を受けるので台車後方ほど密度が濃くなり、密度の濃いほうから薄いほうへ、つまり台車進行方向向きの一様な力が生まれます。

 つまり台車後方の圧力が高まるということですね。
 球は台車前方へ力を受けます。
 ちょっと強調したいですが、これは浮力と同じ原理ですね。


> この力によって球は前方へ傾き始めますが、傾くにつれより強く浮力が球を押し返そうとします。

 これは理由が分かりません。
 なぜ圧力の強い方へわざわざ戻ろうとするのでしょうか。  浮力は台車前方(正確には斜め上)へ向かって働いているはずです。

 おそらくshoさんは次のような誤解をしているのではないかと推理します。
 「球は前方へ行くにつれて、糸につながれているために、より深い方へ沈むことになる。 ・・・球には浮かび上がろうとする浮力が働いているので、再び戻ろうとする・・・」
 どうでしょうか?

  投稿者:sho - 2006/08/24(Thu) 02:07  No.447 
>ちょっと強調したいですが、これは浮力と同じ原理ですね。
あ、そうか!すいません、やっとEMANさんの言わんとすることが飲み込めました。合成加速度のもとで浮力が斜め方向へ働くようになった状況を考えれば良いのですね。この考え方、大学受験で定番だったなぁと思い出しましたが、とっくに忘れていました。
しかし球が往復運動することはまだ自ら矛盾点が見つけられないでいます。今度はEMANさんの見方で考えると、浮力が向かう方向を下にして球を眺めるとまさに振り子そのものだと思うのですが、間違っているでしょうか?

  投稿者:通りすがり - 2006/08/24(Thu) 12:30  No.448 
>振り子そのものだと思うのですが、

そのとおりです。ただ、復元力の考え方がおかしかったようです。物体をつりあいの位置から離すと振動が始まります。この復元力の原因は糸の傾きにより張力が変ることによります。浮力と加速度による力は一定です。

  投稿者:EMAN - 2006/08/24(Thu) 12:31  No.449 
> 今度はEMANさんの見方で考えると、浮力が向かう方向を下にして球を眺めるとまさに振り子そのものだと思うのですが、間違っているでしょうか?

 いや、間違っていません。
 このことについては私は見落としていました。
 確かに浮力と張力の合計が復元力として働いて振り子のように振動しますね。


 しかしこれは、もし水の摩擦がなければ・・という話です。
 「球は非常に軽い」という条件を思い出して下さい。
 球は大きな運動エネルギー(あるいは慣性力)を持つことは無いので、振動する間もなく静止させられてしまうと思います。


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 流体の動きについて簡単な考察。
 水の詰まった角張った密閉ケースをいきなり傾けると、中の水はその影響で動いて、流れが出来ます。

 しかし今回の問題ではケース自体に回転が掛けられることはなく、ただ加速度の向きが変わるだけですから流れは出来ないと思います。
 水の密度に濃淡ができると話してはいますが、それはごくごくわずかなものなので、水の移動はないと考えていいくらいでしょう。

 水に流れができるとしたら、球の移動に伴う乱流くらいだと思います。
 球は非常に軽いのでこの乱流に翻弄されてわずかに揺れるだろうと思いますが、浮力が一定方向に引っ張ってますのでそれもすぐに収まることでしょう。

  投稿者:murak - 2006/08/24(Thu) 14:13  No.450 
あまりきちんと考えてませんが、私も基本的にEMANさんの考え方で良いと思います。

確かに倒立した振り子のようにも見えますが、この場合慣性を持っているのはむしろ周りの水の方で、球自体の慣性は殆どないと考えられるので、振動は殆ど問題にならないように思います。

この手の問題だと普通は水は非圧縮で、密度成層していないと考えると思うので、球の受ける浮力は深さに依らず一定でしょう。勿論球の表面に働く水圧は深さによって変化しますが、それは球より上(この場合の「上」は台車の加速度と合成された見かけの重力の方向に対して)にある水の重さ(静水圧)の為で、深さによる水の密度の違いの為ではありません。(そして、この水圧を物体表面全体で積分した合力は深さに依らず一定。)

流体が密度成層している場合には、確かに深さによって浮力が変わってきます。この場合、例えば静止状態にある流体の一部を(上下方向に)揺さぶってやると、その流体の部分は重力を復元力とする振動を始めますが、これは元々中立状態にある流体の部分が平衡点のまわりで微少に上下することで周囲の流体との密度差にかかる重力(浮力)が復元力として作用するわけです。しかし、軽い球を流体の中に入れた場合は、上下方向の変位に対する浮力の変動より、球に元々働く上向きの浮力の方が遙かに大きいだろうと思われるので、この場合も球の振動はあまり問題にならないような気がします。

なお、密度成層流体中に起こる流体自体の振動は、波動として周囲に伝播して逃げてゆくので、揺さぶりをかけ続けない限りこれもまたいずれ収まります。流体力学の用語では、この際の流体内部に起こる波動が重力波です(勿論一般相対論で云うところの重力波とは違います)。いわゆる水面に起こる波(水面波)も、この重力波の特別の場合に他なりません(密度の不連続面に補足された重力波=表面重力波)。(ちょっと余談が過ぎました。)

  投稿者:MaT - 2006/08/25(Fri) 22:56  No.462 
単純に考えて、
水の入った容器(バケツなど)を動かせば、チャプン、チャプンと水が振動しますよね。
水の振動は、振り子の振動とよくにた運動になります。動があれば、振動すると考えるのは、当たり前だし、正しい考えだと思います。
もんだいは、問題中の
「ここで台車をある定加速度で走らせると」
のくだりで、これが、定常的な状態を示しているのか、過渡的な状態を示しているのか、の捉え方によって、結果が違ってくるわけで。。。
文の書き方からすると、定常的な状態のように思えます・・・そうだとすると、振動はないですね。
しかし、現実にそういう状態を作ると数10分で超音速になりますが。。。

  投稿者:murak - 2006/08/26(Sat) 00:00  No.463 
水の入ったバケツ等で、振動が起こるのは水面(すなわち密度の不連続面)があるからです。(つまり振動は水面付近でのみ起こっている。)この辺の事情は#450で説明したとおりで、水の密度が一定(つまり密度成層なし)で自由境界を持たない場合は重力を復元力とする振動は起こらない。(ちょっと確認していないが、線形近似した流体の方程式から理論的に導ける筈。)

  投稿者:EMAN - 2006/08/26(Sat) 00:27  No.465 
> 水の入ったバケツ等で、振動が起こるのは水面(すなわち密度の不連続面)があるからです。

 ペットボトルに濃縮ジュースを入れて、欲張って空気が入らないくらい一杯まで水を入れて、ふたを閉めて振り回すと、全然混ざらなくて困ることがあります。 (仕方なく水をある程度捨ててからやり直すわけです。) なるほど、そういうことを説明する理論がちゃんとあるわけですよね。

 今回の問題では「中を水で満たした台車」とあるので、そういう状況になっていると判断して話しました。

  投稿者:murak - 2006/08/26(Sat) 01:25  No.466 
> なるほど、そういうことを説明する理論がちゃんとあるわけですよね。

そうですね。逆に、密閉された容器に満たされた液体でも、密度の明らかな不連続面がある場合(例えば水と油を閉じ込めた場合)には、その不連続面を振幅の極大とする振動(波動)が起こり得ます(そのような玩具が良くありますよね)。これが、密度の不連続面に補足された重力波(表面重力波)です。
実は、自由表面としての水面も、密度のとても大きい水と密度のとても小さい空気の二層の流体の密度の不連続面になっていると考えることも出来ます。(単に密度一定の流体の自由境界と思っても良いですが。)

  投稿者:ねじばな - 2006/08/26(Sat) 07:40  No.467 
ペットボトルの件 へえ そうだったんですか。
ちょうど 今夜 夏祭りのゲームで ペットボトル輪投げというのがあって 空きボトルに水と絵の具いれて つくるんですけど ついでに 実験してみよっと。

  投稿者:MaT - 2006/08/26(Sat) 11:23  No.468 
murak さんは、「不連続面」という難しい言葉で説明されていますが、ようは部分的に水が上下移動すれば、「水は高いところから低いところに流れる」の原理で復元力が働くということです。
問題の文は「中を水で満たした」とあるので(これの解釈も悩みましたが)不連続面はないように思えます。
しかし、その場合でも「倒立振り子」としては立派に成立します。
中にある「浮き」は、円弧を描いて動くので、その部分の押しのけられた水は上下運動します。(あるいは、浮力を持った浮きが円弧運動をすると考えても良いです。このほうが普通の考え方ですね。)浮力や水圧の部分的な差のために振動するのではありません。

ただ、今、気がついたのですが、この振り子は水の粘性抵抗のため、すぐに振動は止まってしまいます。
そうすると、やはり、振動は考えなくて良いのかな・・・

  投稿者:MaT - 2006/08/26(Sat) 12:00  No.469 
それから、不連続面がない(水槽中には水しかない)場合でも、なかの「浮き」が移動したら、押しのけられた水が反対方向に移動するので、この水の慣性は考えなければなりません。
つまり、バケツの水がチャプンチャプンと振動するのと同じ原理が成立するということです。
たぶん、水槽に対して「浮き」の体積の割合が大きくなると、この効果は無視できなくなると思います。
もちろん、浮きの質量による慣性も考えなくてはなりません。軽いからといって無視はできません。

  投稿者:murak - 2006/08/26(Sat) 12:24  No.471 
倒立振子とみた場合、粘性や慣性の抵抗から振動がすぐ止まるであろうことは、#449でEMANさんが既に指摘しているとおりです。

それだけでも良かったのですが、質問者が球に生じる浮力の原因を台車の加速により生じる水の密度差の為と考えているようだったので、その点に関する誤解を解いたのと、水の中で重力を復元力とする振動が生じるとすればどんな場合かを説明したのが#450です。

で、その原理は基本的にはMaTさんのような考え方(「水は高いところから低いところに流れる」)で良いのですが、その本質は流体の部分が上下運動することで(同じレベルで見て)周囲との間に密度差が出来て、そこに重力が復元力として働く事による振動です。従って、この種の振動が生じるためには、流体が(静止状態で)上下方向に密度差を持っていることが本質的です(これを密度成層といっている)。なので不連続面は必ずしも必要でなく、一般的には連続的な密度成層が重力を復元力とする振動には重要という事になります。この一般論に従って#450では(水の中で起こりえる)振動の原因を説明しました。(ただし非圧縮と考えているので、音波のことは最初から無視されています。)

その特殊な場合として、各層自体は密度一定でも、層の境界において密度差(密度の不連続面)が生じている多層流体の境界面に生じる振動(波動)があります。これの更に特別の場合として、上側の流体の密度が殆ど零という場合が、いわゆる水面の波です。

なので、これら重力波に関する話は、元々の質問の趣旨からは全く逸脱したものですが、水自体の振動が起こらない(持続しない)理由を他の方面から理解する部分的な手助けになるかなと思って書いてみました。

  投稿者:MaT - 2006/08/28(Mon) 11:36  No.477 
私はmurakさんの解説に反対しているのではなく、見落としがあることを言っているのです。また、私の意見にもきっと見落としがあるでしょう。それらを少しずつ煮詰めていくことが重要だと思います。

> 上下方向に密度差を持っていることが本質的です
この問題の場合は、浮きのある部分と、そうでない部分で密度差があります。

> その本質は流体の部分が上下運動することで(同じレベルで見て)周囲との間に密度差が出来て、そこに重力が復元力として働く事による振動です。

murakさんは海の波の原理で考えていませんか。この場合は、水槽という閉鎖された有限の水の振動なので、上下動だけでなく、左右の水の移動が重要な意味を持っています。
浮きの体積が小さい場合は、左右の移動はあまり影響しないでしょう(海の波に近い)が、浮きが大きくなってくると無視できません。
十分に浮きが大きくなると、水の粘性抵抗より、水の慣性の影響が大きくなり、しばらく振動が続く可能性があります。

それより、むしろ、ここで重要なのは、この問題が水槽に加速度を与えた直後の過渡状態を問うているのか、十分時間がたって安定した定常状態を問うているのか、ではないでしょうか。
問題文から見ると、定常状態のような気がします。そうだとすれば、最初から振動については考える必要がなくなります。
過渡状態を問うのなら、たとえ1回の振動でも無視はできないでしょう。

余談
murakさんは、豊富な物理公式の知識から、現象を既存の公式のどれかに当てはめることを考えていませんか。
私も以前は多くの公式を知っていることが重要と思っていました。
しかし、私の仕事の建築の世界では、最近予想外の事故があいつぎ、既存の公式に当てはめるだけでは、いけないという意識が強まってきました。だれでもコンピュータのシミュレーションを使えるようになったという時代背景も影響しています。
今、もう一度原点に立ち返って、基礎公式の見直しをする時期に来ていると思います。

  投稿者:murak - 2006/08/28(Mon) 13:50  No.478 
MaTさんこんにちは。

元々の質問者の問題については、浮力による倒立した振り子の問題になるので、減衰が大きいとはいえ、ある程度の振動は避けられないでしょうね。なので、(水平加速のある)定常状態を問うているのか、過渡状態を問うているのかで答えが変わるというMaTさんの指摘は尤もだと思います。(ただ、その場合、粘性や慣性の抵抗を定量化するのかはかなり難しいような気がしています。なので、元々の問がそもそもどの程度の答えを要求しているのかがやはり重要でしょうね。)

一方、糸の張力(と浮力の合力)以外の復元力の可能性を考えた場合、密閉容器(=堅い境界)中の密度一定の非圧縮流体には(少なくとも重力起源の)復元力は働きません。(上下方向は勿論、水平方向の動きに対しても。これは、公式というより原理的な話です。)MaTさんの言う水の流れに伴う慣性による運動は、上に述べた倒立振子に対する初期摂動を与えるという意味は持つと思いますが、その(水の)動き自体に復元力は働かないので、振動としては持続できない。従って、その後の振動は基本的には倒立振子としての振動だと思います。

なお、密閉容器内の流体が密度成層している場合には、以前述べたように(自由境界を持たなくても)重力起源の復元力が働き、(密閉容器内の)流体自体の振動が起こり得ますが、普通は、水の密度成層は殆ど問題にならない。(例えばこれは海水の場合ですが、5000m潜って密度の増加は5%以下。しかもその主たる原因は上下方向の温度差。)その他にも、地球の自転等の回転の影響も考えられないではありませんが、今回のの問題の現象のスケールでは考えなくて良いと思います。

既製の理論の枠内で考えることで見落としが生じないかを問うのは勿論重要だと思いますが、MaTさんの考えている振動の可能性(つまり「チャプン、チャプン」という振動)は、原理的には重力起源の振動になるので、その可能性は上で述べたように考えにくいと思います。

(なお、私は決して公式を沢山知っているわけではありません。いつでも第一原理(この場合流体の方程式系)から考えようと努めているだけです。)

  投稿者:sho - 2006/09/14(Thu) 03:07  No.547 
すみません、返事が遅れてしまいました。
皆さんのおかげで、僕の中では一応解決できました。
これ程多くの皆さんにここまで詳しく解説していただけてとても有難いです。どうもありがとうございました。
では、また何かわからないことがあればどうぞよろしくお願いします。