EMANの物理学 過去ログ No.319 〜

 ● 無題

  投稿者:たかなや - 2006/07/22(Sat) 14:52  No.319 
エントロピーが減少しているのはどれなんですか?
1 氷が解けて水になった。(水のエントロピー)
2 塩(Nacl)を水に溶かし、食塩水を作った。(Naclのエントロピー)
3 硝酸銀水溶液を食塩水に加えると、塩化銀が析出した。(AgClのエントロピー)
4 ドライアイスが昇華して、炭酸ガスになった。(CO2のエントロピー)
5 冷蔵庫で冷やされたコップの表面に水滴が生じた。(H2Oのエントロピー)

  投稿者:MaT - 2006/07/25(Tue) 15:55  No.331 
こんにちは、なかなかレスがつかないので・・・明確には答えられないのですが、

これ、何の分野の問題ですか? 熱力学じゃなさそうですが。。。
情報工学で、情報の持つエントロピーのたとえ話に、こんなのが出てきますが、そういう流れの問題ですか?
そのてのたとえ話だと
2.塩(Nacl)を水に溶かし、食塩水を作った。
がよくある話で、答えはエントロピー増加、ですが。

  投稿者:明男 - 2006/07/25(Tue) 17:48  No.332 
はじめまして、たかなやさん。明男です。

こんなことを言うのはホントは好きじゃないけれど、質問の仕方をもう少し考えられる方がいいです。
いきなり答えを求めるのは不躾でしょう。どこまで考えてどこが分からないのか、それによって回答する側も質問者のレベルが計れ、場合によっては一緒に考える、そうありたい(EMANさん、でしゃばってすみません)ものだと思いますが、どうですか?

  投稿者:EMAN - 2006/07/25(Tue) 20:55  No.336 
> EMANさん、でしゃばってすみません

 ああ・・全く構いません。
嫌なことをさせてしまってすみません。
 私も同じような事を言いたかったのですが、
いい言葉が出てきませんで、仕方なく沈黙しておりました。

 ありがとうございます。

  投稿者:せいたかのっぽ - 2006/07/26(Wed) 01:25  No.337 
お久しぶりです。こんばんは。
明男さんともEMANさんとも同じようなことを感じたので、その意見に賛成です。
この質問にダイレクトに回答だけ書いてもいいものかはばかれましたし。

問題は5つの内どれかとありますが、答えは2つのように思います。
で、合っているのか、どなたか回答しないかなあとこっそり見ていたのですが・・・。
普通、5つの内どれかと質問されれば、答えは1つしかないと思うので、2つの内の多少複雑な方の3

について、どこか考え違いしているのかなあと少し心配だったのです。
おっかなびっくりですが、以下に書きます。

Ag+を含む水溶液にCl-を加えて白沈(AgCl↓)するのは、読み返すと高校化学にも書いてあり、実際に自

然に起こる変化(=自発変化)で間違いないようです。
一方、液体から、より規則性のある固体が析出するので、乱雑さは減少(エントロピーが減少)も間違い

なさそうです。
熱力学第二法則では、「自発変化では孤立系のエントロピーは増加する」とありますから、自発変化な

のにエントロピーが減少するということは、一見矛盾のように見え、実は少し悩んでました。
Ag+ + Cl- → AgCl↓ の反応でエントロピーが減少するとすれば、外界のエントロピーはそれ以上に

増加する必要があり、ということは、この反応が発熱反応で、外界である水溶液に熱として放出された

はず。
一応、自分の理解が合ってるか気になったので、物理化学の本(一応、手持ちの本で出所はアトキンス

です)にある熱力学データから、ちゃんとそうなっているか確認してみました。
(常温25℃の標準状態(1気圧)です)

Ag+ + Cl- → AgCl↓
ΔS=S(生成物)−S(反応物)=96.2-(173+56.5)=-133.3[J/mol・K]
エントロピーは減少してます。

一方、この反応での標準エンタルピー変化は、
ΔH=ΔH(生成物)−ΔH(反応物)=-127.07-(105.58-167.16)=-65.49[kJ/mol]
マイナスなので、外界に対しては65.49[kJ/mol]の熱が流れ出る(発熱反応)です。

よって、外界のエントロピー変化は、
(簡単のため、外界は十分大きく常温25℃のままとしています。)
ΔS surr =-65490/298=219.8[J/mol・K]

系全体のエントロピー変化は、
ΔS total =-133.3+219.8=+86.5[J/mol・K]
外界も含めた孤立系全体でエントロピーは増加しており、
Ag+ + Cl- → AgCl↓ の反応が自発変化であることが確認できました。

もともとの問題はエントロピーが何かということの理解を問いているものと思いますが、それだけでは

ちょっとつまらないので。上に書いたこと(自発変化でのエントロピー増加とは外界も含めた全体の系

でのこと)は、化学屋としてはよく理解しておくべきことで、物理化学の本には必ず解説が載っている

と思います。(計算、考え間違いしてなければいいですが・・・)。
もう一方のエントロピーが減少している回答は、単体なのでもう少し計算も簡単ですし、上に書いたこ

とが質問者の方の関心ある答えかも分かりませんので、省略します。

  投稿者:明男 - 2006/07/27(Thu) 10:19  No.341 
こんにちは。

スレ主の返答が無いままですが、皆さん(多分)同じ結論であろうと思いますのが、まったく勘違いもありうるので、私の回答(解答ではないよ)を。

せいたかのっぽさんの解答は丁寧な計算ですね。私は直感的に考えてしまいました(しかできない?)。

判断の根拠は熱力学から、dS=dQ'/T、統計力学からS=klogW(S:エントロピー、Q’:熱量、W:状態の数)
を援用し、あとは直感で風味をつける。

1 氷が解けて水になった。(水のエントロピー)
 ⇒例題にもなるくらい有名な、S増加例。
  熱量吸収反応であり、dQ'>0(等温とすれば、dS>0)。
  固体→液体。

2 塩(Nacl)を水に溶かし、食塩水を作った。(Naclのエ
ントロピー)
 ⇒固体(NaCL)がイオン化。一般に固体→液体→気体など、分  子(原子)が自由度を増やす→S増加。

3 硝酸銀水溶液を食塩水に加えると、塩化銀が析出した。(AgClのエントロピー)
 ⇒イオン→固体。
S減少。これについては、せいたかのっぽさんの計算通り
  でしょう。

4 ドライアイスが昇華して、炭酸ガスになった。(CO2のエントロピー)
  ⇒固体→気体。dQ'>0。S増加。

5 冷蔵庫で冷やされたコップの表面に水滴が生じた。(H2Oのエントロピー)
  ⇒液体→固体。dQ'<0。S減少。

熱力学的Sと統計力学のそれは等価である(ことが証明されているらしい)ので、どちらで判断してもよいが、(私は)統計力学的な方が簡単な気がして好き。

しかし、せいたかのっぽさんの言われるとおり、計算で確認できなければいけませんね。