EMANの物理学 過去ログ No.158 〜

 ● 電流のパラドックス問題

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/27(Tue) 23:29  No.158  <Home>
2ch の物理板でで下のようなパラドックスが書かれていました

=================== begin =======================================
同じ方向に電流が流れてる平行におかれた2本の電線には、発生した磁場と電流により、
ローレンツ力で互いに引き合う力が働くだろ。

今度は、電流と逆方向(電子の流れ)に同じ速さで歩いている人からみれば、電子は止まって
いるわけだから電流ゼロで磁場は発生しない。電流ゼロで磁場ゼロだから電線は互いに引き
合わない。

ほんとうに、電線を立ち止まって見てる人と歩いて見ている人と、電線が違う挙動を示すと思うか?
何か抜け落ちてることはないのか?
相対論で同じような話を聞かなかったか?
=================== end =======================================

このパラドックスを説明するのに、私は 10 分ぐらい掛かりました。あまりに単純な見逃しに笑ってしまいました。皆様はどうでしょうか

  投稿者:いち - 2006/06/28(Wed) 13:49  No.165 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060627-00000172-kyodo-soci
http://www.geocities.jp/suzukitakeoypc/ypc195/ypc195.htm

答えは,こんな感じなんでしょうか.
だから,「人の運動とは関係ない」と.

ちゃんと考える前にググルという悪癖がついてしまっている
今日この頃です.

  投稿者:T_NAKA - 2006/06/28(Wed) 17:20  No.167  <Home>
こんにちは、T_NAKAです。

この問題は昔考えたことがあります。
私の考えは次のとおりです。

電線内の正電荷が停止して、電子が流れて見える系をS系、
電子が停止して、正電荷が流れて見える系をS’系としましょう。

S系で見ると、電線内の電子密度と正電荷密度は同じなので、外部には電場は発生せずに、電子流(電流)による磁場が存在し、そのために、電線間には引力が生じます。

S’系で見ると、電子の間が(ローレンツ収縮がなくなるため)固有長(つまり長く)になり、電子密度は減少します。
一方、正電荷の間はローレンツ収縮のため(つまり短くなり)、正電荷密度は増加します。
よって、導線全体では正電荷を帯び、外部に電場が発生し斥力が生じます。
このままですと、話が矛盾しますが、実は「正電荷密度増加」→「電流増加」となり、外部磁場でこの斥力に打ち勝つ引力が発生して、トータルでは電線間に引力が生じていることになります。

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/28(Wed) 19:40  No.172  <Home>
別に解答するのをもったいぶる気はありません。でも解答の単純さが笑えるので、とりあえず後回しにします。代わりに問題の解説をします。

このパラドックスの前提として電線に流れる電流の速度を知っていなければなりません。アボガドロ数と電子の電荷から簡単に計算できますが、1mm^2 断面の電線の 1`ampere 程度の電流を流したときの電子の速度は人間が歩く速度より遅くなります。電流をを静止させる系は人間が歩くだけで実現できてしまいます。その系から見たとき「電荷同士の引力はないはず」というパラドックスです。

いち さんが提示してくれた URL 先が解答なのかは判断できません。一つは URL 切れです。一つは新聞ニュースだけであり内容が判断できません。Lorentz 力うんぬんから違いそうに見えますが。

T_NAKA さんの解答も違うと考えます。<φ,A> の Lorentz 変換は利いてきますが、Lorentz 短縮は無視できる速度だからです。

  投稿者:いち - 2006/06/28(Wed) 21:00  No.174 
「人の運動とは関係ない」ってのはだめでしたか・・・?

もし止まってる人と歩いている人で違うことになってしまう
んだったら,ガードレールが迫ってきそうで,車運転できな
くないですか?

ひょっとして思いっきりまと外してますかね.

  投稿者:T_NAKA - 2006/06/28(Wed) 22:07  No.176  <Home>
>Lorentz 短縮は無視できる速度だからです。

そうなんでしょうか?

私はこの論文の記述を信じているものですから。。

http://nova.scitec.kobe-u.ac.jp/~matsuda/pdf/0309SpaceshipParadox.pdf
この論文の最後ページの記述、

「移動する自由電子の平均移動速度は秒速で1mm程度であるし、導線の長さについても数十cm程度あれば十分であろう。光速度の80%とか数光年の距離では無いにもかかわらず、陽イオンおよび自由電子の密度差を説明するにはローレンツ収縮を持ち出す必要がある。・・(中略)・・導線内に含まれる陽イオンと自由電子の数が非常に多いため、僅かな密度差が観測にかかるのである。」


  投稿者:いち - 2006/06/28(Wed) 22:58  No.179 
T_NAKAさん

これは,そのものずばりの回答ですね.
興味深いです,ありがとうございます,知りませんでした.

しかし,いい時代になったものですね.
一流の学者の論文が一瞬で手に入るなんて,すばらしすぎ!
すみません,ちょっと酔っ払ってます.

  投稿者:Φマン - 2006/06/29(Thu) 00:51  No.182 
私も田中さんと同じ解釈してましたが、今でもそれを信じてますし、確信もあります。そもそも電子の速度なんか求める必要もなく、相対論的に正しく計算したらどんな電子の速度でも正しい答えが出てくるだけだと思います。 もちろん近似をする立場の人は速度のオーダーとかきにしないといけませんが、これって電流のローレンツ変換だけが問題なので、つまりは運動学だけで解決つくものです。力学が関与する隙間はないですよね?だって問題は観測者の立場を変えた時にどう見えるかだけですし。

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/29(Thu) 02:15  No.183  <Home>
T_NAKAさん>私はこの論文の記述を信じているものですから。。
「物理なのだから信じるのではなく計算して確認すべき」と主張します。以下のように計算できます。

銅のモル質量=63.55〔g/mol〕
銅の比重 8.94
アボガドロ数 `NA @= 6.02214199e+23
#素電荷 `eQ = 1.6021892 ×10-19 colomb
# light velosity meter/sec `c = 2.99792458e+8

1 `ampere の電流を 1 `mm^2 の断面積の電線を流れたときの電子の速度 vCupr `meter/`sec とすると下の式が成り立ちます。
vCupr `meter/`sec * 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) `NA `eQ == 1`ampere `sec

ですから電子の vCuper は下のように計算されます
vCupr = 1`ampere `sec /(`meter/`sec * 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) ) `NA `eQ )
< 7.36738e-005 > `meter/sec

この vCupper を前提に1 `meter の電線が 1 `ampere の電流を流したときの帯電量 vCharge `coulomb が下で計算できます。
vCharge = 1`meter 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) )`NA `eQ (1-!sqrt(1- (vCupr/`c)^2))

ただし vCupr/`c が小さすぎて 1-(vCupr/`c) が 1 なってしまうので、下の掛け算のみからなる式に変形します
vCharge = 1`meter 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) )`NA `eQ (vCupr/`c)^2/2
< 4.09866e-022 > `coulomb

vCharge の点電荷を 1 `meter 離したときの力は下のオーダーの小ささになります。
vCharge^2/(4`π `ε0 1`meter^2)
< 1.50982e-033 > `newton

とても観測にかかる量ではないでしょう。

Lorentz 短縮による帯電は、おそらく半導体を使うことで電子の速度をあげてやり、それでやっと精密測定にひっかかる話だと考えます。

なお上の計算は、私の開発している計算ソフト sf を使って、上の単位系付きのまま、`c などの定数も入った上の計算式を そのまま計算させています。Mathematica などでも実現できていない機能です。さらに行列計算まで可能ですから物理・工学系には強力な武器になると自負しています。(ソフト的にはたいしことはないのですが)

下にマニュアルがあります
http://www.nasuinfo.or.jp/FreeSpace/kenji/sf/fastTour/sfFastTour.htm

下でダウンロードできます。お試しください。
http://www.nasuinfo.or.jp/FreeSpace/kenji/download.htm

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/29(Thu) 02:16  No.184  <Home>
最初のパラドックスの謎解きを示します。

・1 `ampere の電流が流れているとき、全体として中性の状態で電子のみが運動しています。
・人間が電子の速度 < 7.36738e-005 > `meter/sec と同じ速度で歩いたとき、電子のマイナス電荷を打ち消していた原子核が反対方向に移動します。電子のマイナス電荷が停止する代わりに、同量のプラス電荷が反対方向に動きます。
・結果として観測系の動きにかかわらず電線には同じ力が働きます。

パラドックスの最後にある「相対論で同じような話を聞かなかったか?」との煽りに引きずられて相対論を考えてしまうのですが、高校生レベルの問題でしかないとの落ちです。これに気付いたときは笑ってしまいました。

  投稿者:T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 10:58  No.186  <Home>
「2本の電線の引力について、実質的に相対論的効果は無視し得る」ということですが、通常「1本の電線と試験電荷」を説明する場合は、良くローレンツ収縮による電荷密度変化を問題にします。

電流の流れている1本の電線と、負に帯電させた試験電荷を電線内の電子と同速度・同方向で電線に平行に移動させているモデルを考えます。

S系:電線内の正電荷が停止して、電子が流れて見え、試験電荷が動いて見える系
S'系:電子と試験電荷が停止して、正電荷が流れて見える系

とします。

S系で見ると、電線内の電荷密度は電子と正電荷で相殺してゼロであり、電線外部には電流による磁場が存在し、試験電荷はローレンツ力による引力を受けます。

S'系でみると、正電荷電流による磁場は存在しますが、試験電荷は静止しており、磁場によるローレンツ力は働きません。それでは、引力はどこに由来するのでしょう?
これは、
@運動→静止のため、ローレンツ収縮が解け電子密度の減少
A停止→運動のため、ローレンツ収縮による正電荷密度の増加
でトータルで電線全体が正に帯電しているため、この電場による引力と説明されます。

これはファインマン物理学で用いられている説明ですし、多くの電磁気学の教科書にも載っております。

無限長の線電荷の電場は E=λ/(2πεr) となります。(λは線電荷密度)

これS’系で見ると

正電荷密度 γλ : 電子密度 λ/γ

なので、全体の電荷密度は γλ-(λ/γ)=γλ[1-(1/γ^2)]=γλ(v/c)^2=γεμ(λv)v

よって、E=[γεμ(λv)v]/(2πεr)=(γμIv)/(2πr)≒(μIv)/(2πr) とビオ・サバールの式が出てきます。

  投稿者:汗ロラ - 2006/06/29(Thu) 11:48  No.187 
ローレンツ収縮が無視できるというのは少し納得できません。
そもそも、ローレンツ力はローレンツ収縮がなければ起こらない(起こる必要のない)力のはずです。
ですから、ローレンツ収縮が無視できるということは、ローレンツ力も無視できてしまうことになるのではないでしょうか?

  投稿者:Φマン - 2006/06/29(Thu) 12:53  No.188 
結論は良いとしても、問題の理解にはそれぞれレベルがあります。

>>・1 `ampere の電流が流れているとき、全体として中性の状態で電子のみが運動しています。

これは当たり前ですか? 電子が動くとその密度がローレンツ収縮の影響を受けますね。そこで電子と原子核の電荷が打ち消しあうというのは、相対論まで知っている人とそうでない人で理解が違うと思いますがどうでしょう。非相対論なら、動いていようが止っていようが密度なんて変わらないはずですが、相対論ではそうではないですよね。

  投稿者:murak - 2006/06/29(Thu) 13:21  No.191 
こんにちは。

話が色々と混乱しているようですね。

#183の小林さんの計算は電流から電子の平均移動速度を求めると、それは予想以上に遅く、それを相殺する速度で観測者が動いた場合のローレンツ収縮の効果はとても小さいというものです。その指摘自体は正しいとしても(計算の確認はしてませんが)、それを無視すると、(二本のの導線の場合はともかく)一本の電流に平行して走る電荷に働くローレンツ力(を電荷と共に運動して観測した場合)を説明できませんよね。

これについてはT_NAKAさん他も反論されている通り。

ところで、そのT_NAKAさんの説明の中で

@運動→静止のため、ローレンツ収縮が解け電子密度の減少

と書かれている部分は、勘違い(またはタイプミス)ですよね。

電流の流れていない電線の中では負電荷(電子)と正電荷(原子核?)の密度が一致して平均電荷密度は零ですけれど、電圧がかかって電流が流れている状態でも両者の平均密度は同じですよね(勿論相対論的効果も考慮して)。だけど、これは運動している状態でも電子の平均密度が変わらないからこうなる(つまり電子密度はローレンツ収縮していない)。

一方これを電子の平均速度で運動して観測すると、電子密度はやっぱり変わらないんだけれど、正電荷(原子核?)の間隔の方はローレンツ収縮して密度差が生じて電荷密度が見えるんでしたよね(多分)。

  投稿者:T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 13:59  No.192  <Home>
murakさん、こんにちは。

う〜む、表現が難しい。。

>電流の流れていない電線の中では負電荷(電子)と正電荷(原子核?)の密度が一致して平均電荷密度は零ですけれど、電圧がかかって電流が流れている状態でも両者の平均密度は同じですよね(勿論相対論的効果も考慮して)。

そのとおりですね。
電流が流れているだけで、外部に電場は発生しませんから。

>一方これを電子の平均速度で運動して観測すると、電子密度はやっぱり変わらないんだけれど

というところが、違うと思いまして。。
これ「2台のロケット」と同じで、電子間の距離は伸びちゃうと思ってるんです。
所謂「ローレンツ伸長」(murakさんはお嫌いでしょうが。。)。

  投稿者:murak - 2006/06/29(Thu) 14:37  No.193 
T_NAKAさま

>>一方これを電子の平均速度で運動して観測すると、電子密度はやっぱり変わらないんだけれど

>というところが、違うと思いまして。。
これ「2台のロケット」と同じで、電子間の距離は伸びちゃうと思ってるんです。
所謂「ローレンツ伸長」(murakさんはお嫌いでしょうが。。)。

そうでした。(そのつもりで書いたんだけど、チョンボですね。)

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/29(Thu) 18:09  No.194  <Home>
T_NAKA さん>「2本の電線の引力について、実質的に相対論的効果は無視し得る」ということですが、通常「1本の電線と試験電荷」を説明する場合は、良くローレンツ収縮による電荷密度変化を問題にします。

なぜ、このような問題設定を持ち出すのでしょうか。もともと下のような問題設定であり「1本の電線と試験電荷」の話はありません。
===========================================================================
同じ方向に電流が流れてる平行におかれた2本の電線には、発生した磁場と電流により、
ローレンツ力で互いに引き合う力が働くだろ。
===========================================================================

なお私も Lorentz 変換により電荷が現れてくることを認めています。ただ中性の電線どうしでは < 1.50982e-033 > `newton と検出できない大きさだと計算しただけです。なのに別の公式を写してくる理由が理解できません。私が間違っているというならば、中性の電線どうしで Lorentz 変換により現れてくる電荷同士の力が幾らになるかを計算してみせるべきでしょう。

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/29(Thu) 18:11  No.195  <Home>
muraku さん>(二本のの導線の場合はともかく)一本の電流に平行して走る電荷に働くローレンツ力(を電荷と共に運動して観測した場合)を説明できませんよね。

muraku さんの指摘は、私には意味不明です。私は Lorentz 力を否定していません。T_NAKA さんも指摘するように、片方の電線が中性ではなく、もろに電荷のときには仰るとおりの効果があることを下のように計算できます。上で計算した vCharge と、1meterx1mm^2 の電線の電子の総電荷との間の Coulomb 力を計算します。

長さ 1`meter 断面積 1`mm^2 の電線に含まれる電子の総電荷は下のようななります。
1`meter 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) )`NA `eQ
< 13573.3 > `coulomb

この電荷と、Lorentz 短縮によって現れた vCharge を、単純化して 1`meter 離れた点電荷の引力の計算とすると下のようになります。
1`meter 1`mm^2 (8.94 `gram/`gram 1000`Kg /(63.55`gram) )`NA `eQ vCharge/(4`π `ε0 1`meter^2)
< 5e-008 > `newton
== 0.5 dyne

点電荷同士の計算としましたから、無限円の長さの 1`meter どうしに働く力は、上の力の何倍かになります。
4 を掛けてやれば 2 dyne の力となり 1 ampere の電流定義の時の値になります


中性の電線ではなく、電荷を持ってきたときに大きな力が働くことは、1 `coulomb の電荷を 1`meter 離したときに掛かる力が下のように莫大な大きさとなることからも整合性を持たせられます。
1`coulomb 1 `coulomb /(4`π `ε0 1`meter 1`meter)
< 8.98755e+009 > newton

しかも newton を dyne にすることで、さらに 10^7 だけ桁が大きくなります。電荷を持ってきたとき 2dyne 程度の力が出てくることは直感的にも納得できます。

みなさんが具体例での数値計算しようとしないのか不思議です。現在の computer power を使えば簡単に計算できます。一方で MKSA 単位系を使った電磁気では、物理的な必然性のない ε0 や μ0 という次元を持った極端に小さい定数が入り込んできて非常に解りにくくなっています。直感が利きにくくなっています。具体例で数値計算してみることが欠かせないと主張します

  投稿者:murak - 2006/06/29(Thu) 20:39  No.198 
#195 小林@那須さん

私が言っているのは、T_NAKAさんの主張と同じなので、ローレンツ収縮によって見えてくる電荷分布を無視しないと言うのであれば、特に何も言うことはありません。

  投稿者:T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 22:56  No.200  <Home>
小林@那須さん

>中性の電線どうしで Lorentz 変換により現れてくる電荷同士の力が幾らになるかを計算してみせるべきでしょう。

そうかも知れません。そこで少し話しを進めさせて下さい。
(別に反論しているわけではありません。)

先ほど、1本の電線のS'系で見た電場について計算しました。
この式です。

E=(γμIv)/(2πr)

これに2本目の電線の線電荷密度(γλ(v/c)^2)を掛けると、電荷による斥力が出てきます。

F(斥)=(γ^2){(v/c)^2}{μI^2/(2πr)}

これが「 Lorentz 変換により現れてくる電荷同士の力」ですね。

さて、正電荷電流による2本の電線の引力は、電流値が γλv=γI となるため、

F(引)=(γ^2){μI^2/(2πr)}

と増加します。
F(斥)/F(引)=(v/c)^2 と確かに影響が小さいことは分かりました。

なお、実際に働く力は

F(引)-F(斥)=(γ^2){1-(v/c)^2}{μI^2/(2πr)}=μI^2/(2πr)

とS系で見たものと同じ値になりました。
実は、この結果なんとなくしっくり来ないんですね。
(何か誤りがあるような気がして。。)

  投稿者:Φマン - 2006/06/30(Fri) 07:39  No.207 
問題はローレンツ変換をするだけだと思います。
まず、単純に電子と、原子核の電荷密度を

je=(ρe,j)
jP=(ρp,0)

ρe=-ρpです。また jはρeと電子の速度vでかきかえることが出来るはずです。

トータルの電流はje+jp=(0,j)です。これを電流と同じ速度で動く人の系にブーストしてやると、当然ながら電荷成分が出てくるはずです。つまり電子と動く系の人にとっては、ローレンツ力は働かないが、電荷分布が見えるので、クーロン力で引かれる。

murakさんと田中さんの議論にもどって・・・最初のje=(ρe,j)の0成分の密度は、ρe=-ppを満たすようになっていますが、これは電子が速度を得てブースとされた時のローレンツ収縮の効果を考慮した後の表式で。。。。つまり密度はローレンツ収縮の影響をうけますが、原子核との電荷密度とつりあうように、ローレンツ収縮の効果を補っているはずです。

これは走る車がローレンツ収縮するときに、その原子レベルで起こっていることに注目すると、慣性系で物理法則が等しくなるように原子核同士の力が作用して、結果としてローレンツ収縮するのと同じだと思います。

  投稿者:murak - 2006/06/30(Fri) 10:30  No.208 
Φマンさん、どうもです。

先日の書き込みは、説明すべき事を説明せず、結果だけを(やや一貫性を欠いた書き方で)述べたため、一見なんだかわからない書き方になってしまいました。実は少し前にT_NAKAさんと私はとある別の掲示板で「二台のロケットのパラドックス」の議論に参加していて、そのときの流れで書いてしまったので、申し訳なかったです。

#207の前半におっしゃられていることは、電流が流れている最中に関しては全くその通りです。最初から4元の電流密度で議論しておけば紛れがなかったんですけどね。ただし、電流を流す前と流している最中では物理的状態は変化していて、負電荷(電子)の4元電流密度は変わっています。その結果として時間成分のρeだけを見ていると変わっていないように見える。(静止系で見て、電流を流す前に電場が無く、電流を流している最中にも電場が見えないというのはそういう事ですよね。勿論磁場は現れますが。)先の発言で指摘しようとしていたのは、この事でした。

なお、最後の言明に関しては、Φマンさんと私ではちょっと考え方が違うみたいです。ローレンツ変換は単に現象を記述する系を変えるだけですから、その変換に伴って(原子核同士の)力が作用するわけじゃないと思います。一方電流を流す場合には、(少なくども過渡期間には)電子を加速するような力が作用していて、その結果4元電流密度は変化する。それを電子の固有系でみていると電子間隔が開く事に相当する筈です。これは丁度一台の長いロケットの全ての部分を同様に加速した場合にロケットの固有長が伸びる(あるいは壊れる)のと同じだと思います。

  投稿者:Φマン - 2006/06/30(Fri) 10:58  No.209 
多分言ってることは同じな気がします。私のぶーすとという表現はよくなかったですね、電子を加速して速度vの状態にするというくらいの意味でつかいました。電子の加速中のことは考えていません。そこまで考えると力学の問題になりまね。

良く知られていることだと思いますが、答えはローレンツ変換を使えば何も矛盾などなく説明できるはずだということを言いたかっただけです。そもそも電子の速度が遅いからローレンツ変換などつかわなくっても良いというのなら、まあそれもいいです。でもそれって、もともとローレンツ力なんて小さすぎて電流同士が引き合わないといってるだけではないのかな・・・? それはパラドックス以前に、そんなこと考える意味ないよということなんでしょうか? 

  投稿者:murak - 2006/06/30(Fri) 11:25  No.210 
> そこまで考えると力学の問題になりまね。

全くそのとおりで、実は「ロケットのパラドックス」に関してはT_NAKAさんと二人で(普通はそこまでしない)力学的な解析をやったのでその余波が・・・

電磁気現象を(理論としては)ローレンツ変換というか相対論で矛盾無く説明できることは勿論当たり前で、その点を主張したいのは私も同じだったんですが、そこでちょっとわからなかったのが小林@那須さんの書き込みの意図だったんです。でも主張は、電子速度が遅いので、電線同士(電流同士でないところがミソか?)の引き合う力には相対論の効果は殆ど見えていないという事なんでしょう多分。ただし、一方が電線でなく裸の電荷であれば電子の平均速度が遅くても明らかに相対論的効果が目に見える形になってくるわけで、ローレンツ変換(というか相対論)使わなくてもいいという話にはならないように思います。

  投稿者:いち - 2006/06/30(Fri) 12:29  No.211 
ちょっと気になったんですが,ローレンツ力に出てくる速度は,
観測者に対する電子の速度と定義されているんでしょうか.

ググってみたのですが,それらしい記述は発見できなかった
んですよね.
とすれば,相対論的にもできるし,導体に対する速度と考え
て摩擦的なイメージでも説明できるような気がします.とい
うか,最初のURLはこのつもりでした.

掲示板で既出かもしれませんが,ご意見を伺いたく・・・

  投稿者:murak - 2006/06/30(Fri) 13:15  No.213 
いちさんこんにちは。

(時間が無いのであまり書けませんが)

ローレンツ力の定義式に出てくる速度は、現象を記述している慣性系における荷電粒子の速度でしょうね(当然の事ながら)。

ただ、導線の中を運動している電子の速度が実際どれくらいで、またその速度に対してローレンツ力が働くと言っていいのか。更にはその合力が導線に働く力だと言っていいのかについては、私にはわかりません(なので某氏の計算に関しても懐疑的です)。ただし、電流のつくる磁場があって、そこを裸の電荷が運動していれば、それには確実にローレンツ力の定義式通りの力が働くはずで、それは当然相対論と整合的な筈です。

なお、いちさんの御紹介のURLは先程(初めて)見てみましたが、リンク切れ等もあり詳しいことはわかりませんでした。自分の不勉強を棚に上げて言うのも何ですが、よろしければ説明していただけますか。

> とすれば,相対論的にもできるし,導体に対する速度と考え
> て摩擦的なイメージでも説明できるような気がします.

という部分を含めて。
(なお、私は電磁気学の実際の現象学的部分については全く詳しくないので、他の適切な方が説明してくれるかもしれませんが。。。)

  投稿者:いち - 2006/06/30(Fri) 16:11  No.214 
murakさん,みなさま

>ローレンツ力の定義式に出てくる速度は、現象を記述している慣性系における荷電粒子の速度でしょうね(当然の事ながら)。

ご回答ありがとうございます.
でも,測定系とか慣性系という言葉はやはり理解するのが
難しいですね.理解するのにあと1年くらいかかりそうですw

>なお、いちさんの御紹介のURLは先程(初めて)見てみました
>が、リンク切れ等もあり詳しいことはわかりませんでした。
>自分の不勉強を棚に上げて言うのも何ですが、よろしければ
>説明していただけますか。

少々(かなり?)お待ちください.
実は私もリンク先の資料をきちんと読んではいないのですm(_ _)m
「ローレンツ力だけじゃなくてうんぬん」&「ホール効果うんぬん」だけ読んで,運動する電子が個々の場所でなんか悪さす
るんだろうな〜,くらいの気持ちなんです.
○ahooの記事とタイミングが良かったんで色々妄想してみました.
注)ネタとして面白そうなら披露しますが,ただただトンデモ
になりそうな場合,このままフェードアウトします.

しかし,この問題・・・

T_NAKAの話にそうなのか〜とうなってしまい,小林さんの
電子と正電荷と観測者の相対速度を考えるという回答が,
この問題に対する答えとしては適当かな〜ともなってし
まっています.
本当のところはどっちが正解なんでしょうかね.
クイズじゃなくて物理として答えが欲しいですね.


  投稿者:小林@那須 - 2006/06/30(Fri) 19:58  No.215  <Home>
φマンさん >je=(ρe,j), jP=(ρp,0), ρe=-ρpです。
>トータルの電流はje+jp=(0,j)です。これを電流と同じ速度で動く人の系に Lorentz 変換してやると、当然ながら電荷成分が出てくるはずです

同意します。Lorentz 変換だけでも説明できることも同意します。しかし、なぜ Lorentz 変換に拘るのでしょうか。

系は対称です。Lorentz 短縮によって現れてくる電荷も対称です。

  → 電流 1`ampere   電荷
─────────────────────
  ↑
  1`meter       → 歩く人
  ↓
─────────────────────
  → 電流 1`ampere   電荷

ここに現れてくる電荷は断面積 1mm^2 の銅線で < 4.09866e-022 > `coulomb/`meter です。このクーロン力と作用する電子と原子核の力の差分とと、原子核の人に対する相対速度と磁場による Lorentz 力の和が電線に作用する力です。

でも、なぜ φマンさんも T_NAKA さんも「クーロン力と作用する電子と原子核の力の差分」にこだわるのでしょうか。その大きさが何ニュートンになると何故計算しないのでしょうか不思議です。< 1.50982e-033 > `newtonのオーダーにすぎないのに。しかも同一符号だから斥力なのに。

利いてくるのは「原子核の人に対する相対速度と磁場による Lorentz 力」0.02dyne だけです。それより 20 桁小さい値に拘っても意味ないでしょう。

φマンさん>それはパラドックス以前に、そんなこと考える意味ないよということなんでしょうか? 

私は そう主張します。下の Galilei 変換で済ませてもよい。 20 桁下の数値を考える必要はないと主張します。
・人間が電子の速度 < 7.36738e-005 > `meter/sec と同じ速度で歩いたとき、電子のマイナス電荷を打ち消していた原子核が反対方向に移動します。電子のマイナス電荷が停止する代わりに、同量のプラス電荷が反対方向に動きます

φマンさんが Lorentz 変換に拘る理由を教えてもらえませんか。

  投稿者:Φマン - 2006/06/30(Fri) 22:03  No.217 
ローレンツ変換にこだわってませんよ。問題分に電流などが与えられていない以上、そういう詳細に依らない一般的な解答を用意するのが当然だとおもうからです。一般的な公式をつ
かうほうをこだわりと呼ばれても・・・・・・・

  投稿者:小林@那須 - 2006/06/30(Fri) 23:16  No.218  <Home>
φマンさん>問題分に電流などが与えられていない以上、そういう詳細に依らない一般的な解答を用意するのが当然だとおもうからです。一般的な公式をつ
かうほうをこだわりと呼ばれても・・・・・・・


このパラドックスは、電線に流れる電子の速度が蟻の歩く早さ程度であることを読者が知っていることを前提に書かれています。このパラドックスの面白いところは、通常ならば実現しにくい電磁気の実験が人間が歩くだけで実現できてしまうことです。だから「(電子の流れ)に同じ速さで歩いている」という表現をしています。だからこそ、その答えがジョークになります。

私も電子の速度が 1`meter/sec より遅いことを明白な共通の前提で考えていたので、T_NAKA さんや φマンさんが、電荷と電線の相対論的記述を持ち出す理由がわからなくてカリカリしていました。

電線の中の電子が動く速度が遅いことは T_NAKA さんや φマンさんも知っているはずだと思っています。その人たちが「(電子の流れ)に同じ速さで歩いている」ことを光速の 90% で動く系も含むと解釈することが意外でした。(けっして皮肉ではありません。)

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自然言語の曖昧さは意識しているつもりですが、複数の方から今回のように解釈されるとは----。 勉強になりました。ありがとうございました。

  投稿者:MaT - 2006/07/01(Sat) 12:20  No.220 
こんにちは。
なぜか小林@那須さんに味方する人がいないようなので・・・

最初に小林@那須さんが、「笑ってしまった」と書かれているので、なにか単純な理由だろうと思って考えていましたが、
「正電荷が逆方向に動く」・・・気が付きませんでした。たしかに大笑いです。

自由電子の流速は知っていましたから、ローレンツ変換は、最初から関係ないと思っていました。(少しはあるのでしょうが、無視できる程度)それが普通の感覚だと思います。
計算しないで言うのはよくないですが、電流の発熱による熱膨張のほうが、はるかに大きいのじゃないでしょうか。

  投稿者:ASA - 2006/07/02(Sun) 09:48  No.223 
はじめまして。
当初のパラドクス問題とは離れますが、一連の議論を読んでいくつか疑問が生じたので投稿いたします。

疑問1
Φマン - 2006/06/30(Fri) 07:39 No.207より

>ρe=-ρpです。また jはρeと電子の速度vでかきかえることが出来るはずです。

電子の平均速度を特定荷電粒子の速度と同等に扱うことに疑問を持ちます。
電子の速度は統計力学的にある確率分布している。
速度vで移動する慣性系から見たとき、電流を作る個々の電子の運動速度は、相対論的には単純な速度の足し合わせでないので、その平均速度も単純に扱うことができないと思います。


疑問2
 T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 22:56 No.200より
>E=(γμIv)/(2πr)

divE~を計算すると0でなくなります。電荷密度を全空間で足し合わせると、ある慣性系でみてトータル電荷が0なのに、別の慣性系で見ると電荷が存在することになる。電荷保存の法則と反するのではないか?

マクスウェル方程式が変わらないことが要請だったはずだったのに、スカラー量でない電荷を扱うのは、相対論の根本に反していると思います。


疑問3
T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 10:58 No.186での論法

 電流と垂直方向に運動する電子もローレンツ力を受けますが、此処の論法では、これを説明することが出来ません。
 また、2つの点電荷が並行に運動する場合では、磁場が引力となり電荷の斥力を打ち消しますがこれも説明できません。
 ローレンツ収縮に基づいたローレンツ力の説明法は、間違っていると思います。

以上の3点です。

  投稿者:T_NAKA - 2006/07/02(Sun) 12:57  No.227  <Home>
ASAさん、こんにちは。

一応私の考えを述べておきます。
それ以上の理解をしているわけではありませんので、それに反論されても回答は出来ません。
(つまり回答する力が無いので、あしからず。)

疑問2
 T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 22:56 No.200より
>E=(γμIv)/(2πr)

>マクスウェル方程式が変わらないことが要請だったはずだったのに、スカラー量でない電荷を扱うのは、相対論の根本に反していると思います。

マクスウェル方程式の「形」が変わらないことが要請であり、計算した値が変わることは要請に反していないと思います。

疑問3
T_NAKA - 2006/06/29(Thu) 10:58 No.186での論法

>電流と垂直方向に運動する電子もローレンツ力を受けますが、此処の論法では、これを説明することが出来ません。

電流が作り出す磁場は電流と垂直で、ローレンツ力=e(vB)sinθ なので、電流と垂直方向に運動する電子のローレンツ力はθ=π/2 となりゼロです。
この論法でもゼロなので、問題無いと考えます。

>また、2つの点電荷が並行に運動する場合では、磁場が引力となり電荷の斥力を打ち消しますがこれも説明できません。

確かに、ローレンツ収縮による説明は出来ません。この場合は横方向の力が f/γ となることから求めます。

f'=f/γ=γ(f/γ^2)=γ(1-(v/c)^2)f=γ(1-(v/c)^2)[Qq/(4πεr^2)]=q[γQ/(4πεr^2)]-qv[γμQv/(4πr^2)]=qE'-qvB'

しかし、ローレンツ変換に基づくものであることには変わりありません。
電線電流の磁場はローレンツ収縮を議論しなければならないと思っております。

  投稿者:Φマン - 2006/07/03(Mon) 01:16  No.232 
ASAさんこんにちは

電子の速度は揺らいでいて統計的だから単純じゃないというのはそのとおりだと思います。しかし、にもかかわらず単純な取り扱いが可能であるというのが統計的な取り扱いの心じゃないでしょうか?ミクロな運動の平均として電子はある方向に動いているというのなら、先ずはその平均的な運動を考えるのが分りやすいし、マクロにはそれでよいと思います。


>> 電子は止まって いるわけだから電流ゼロで磁場は発生しな>> い。電流ゼロで磁場ゼロだから電線は互いに引き合わない。

問題文の疑問は、動いている電子には力が働くのに、電子と一緒に運動している系からみると力が働かない(ように見える)でしょ!? どうして? というのが疑問なわけですから、原子核のほうが動くからトータルでは同じでしょという理由はこの疑問に答えないと思います。問題文で提起した疑問には答えず、もともとそんな効果ちっちゃいから考える必要ないというのは科学的な態度とは思えません。それは現実的でないとか、電流は超ノロノロ何だからといわれても、少なくとも私の中では納得できません。電流を1000倍にしても駄目?それじゃ、更に電線を1000本束ねても? 実験で計る力の精度を一万倍になっても駄目?とどんどん追求したくなります。少なくとも理論的には真っ当な疑問ですから、それを真っ当に答えないなら理解が深まらないと思うのです。

最後にASAさんの現実的には熱の効果がありという意見はもっともです。しかし、現実の実験というのは理想的な状況はないといっても良いほどです。常になんらかの誤差や、その他の要因に悩まされ、そういった効果をすべて落とした後に結果をだすものです。だから、その他の二次的な要因をあまり私はきにしていません。それに熱による効果がこの実験にきいてくるのでしょうか? 電流の向きを変えれば斥力にもなりますし。

双子のパラドックスや、ロケットの問題なんか、全てそんなこうかちっちゃいわけです。それでも本が出るくらいみんな真面目に議論するのはアカデミックな問題として、それが我々の好奇心を動かすからでしょ?私自身はこの問題にそういったアカデミックな面白さがあると思ったんですが。


  投稿者:みしょ - 2006/07/03(Mon) 02:29  No.233 
十分にこれまでの記事をfollowできていない(一応読んだつもりだけど……)かもしれませんが,意見を述べさせて頂きます。

まず,電子の速度が一様であると仮定します。
相対論的に考えると,原子核の慣性系で全電荷密度が0なら,電子の慣性系では電荷密度は正となります。
しかし,この時よく考えると,力の働く向きはこの2つの慣性系では異なっています。
これを解決するのはそう容易いことではないでしょう。単純に電子流を電流という1本の線で近似してはダメで,個々の電子の運動の作る磁場を考えなければならないと考えます。

結局,相対論的状況を考えるのは難しすぎる,と。

また,電子の速度がバラバラであることを考えるのは,思考実験にはなっても,その中には物理は無いでしょう。

  投稿者:T_NAKA - 2006/07/03(Mon) 09:31  No.234  <Home>
みしょ -さん、こんにちは。

>しかし,この時よく考えると,力の働く向きはこの2つの慣性系では異なっています。
これを解決するのはそう容易いことではないでしょう。
>結局,相対論的状況を考えるのは難しすぎる,と。

そうなんでしょうか?
確かに、電子の慣性系では電荷密度は正となりますので、2本の電線は同極性のため斥力となります。
しかし、原子核流が反対方向に動いているので、これらの磁場による引力により相殺されると思います。

通常、教科書で、一本の電線と外部電荷の関係は相対論で説明していることが多いのです。

この説明方法には2種類あって、

@電流に対して、静止している外部電荷の場合
 外部電荷が静止している慣性系では、何の力も働いていない。
 電流が静止している慣性系では、電線が帯電するので、外部電荷は力を受ける。
 この2つの慣性系での力の有無を説明するためには、「磁場」を導入しなければならない。
 例えば、次のWeb
 http://www.f-denshi.com/000TokiwaJPN/32denjk/080elc.html

A電流と同じ速度で外部電荷が動いている場合
 一応、電流による磁場の発生を認める。
 電線内の原子核群が静止している慣性系では、外部電荷はこの磁場によるローレンツ力による力を受けている。
 電流が静止している慣性系では、原子核流による磁場は存在するが、外部電荷は静止しているため、磁場によるローレンツ力による力を受けていない。この2つの慣性系での力の有無を電線の帯電で説明する。
 例えば、『ファインマン物理学』

一本の電線と外部電荷の関係は相対論で説明していて、二本の電線のケースになると相対論は使えないというのはオカシイと思います。

  投稿者:小林@那須 - 2006/07/03(Mon) 11:50  No.235  <Home>
φマンさんへ ----- 下のような理由で議論のための議論になっていると感じます。


>電流を1000倍にしても駄目?

1`mm^2 の銅線に 1000 `ampere の電流を流したとします。銅の比抵抗 1.59`cm `ohm です。1`meter 当たりの抵抗は 0.019`Ωです。

1.92e-6`cm `Ω 1`meter/(1`mm)^2
< 0.0192 >

すなわち 1`meter 当たり 19`volt の電位差が発生します。Lorentz 変換による電荷の前に、電位勾配に伴う電荷分布が発生します。


>それじゃ、更に電線を1000本束ねても?

電流の速度が 1/1000 になり、元の遅い電子の移動速度に戻るだけです。


ちなみに 1000`ampere の電流を流したとき、下のように 19kw/`meter のエネルギーが消費されます
current = 1000`ampere, 1.92e-6`cm `Ω 1`meter/(1`mm)^2 current^2
< 19200 >

>それに熱による効果がこの実験にきいてくるのでしょうか?

電線が溶けます。


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ロケットなどの仮想実験は原理的には実現可能です。余分な夾雑物を考慮する必要がなく検討しやすい問題です。極端な条件を想定することで物理法則が明確になる面白さがあります。このパラドックスではφマンさんの望む思考実験をするには夾雑物が入り込み過ぎます。

φマンさんがこの問題でアカデミックな問題として Lorentz 変換を考察するのは自由です。でもそれは「電線に流れる電流の速度」や「銅線の抵抗」などの現実世界についての感覚を持っている物理屋さんには受け入れられない議論です。

  投稿者:ASA - 2006/07/17(Mon) 07:57  No.292 
亀レスですが、T_NAKA さん回答有難うございます。
T_NAKA -No.227
> マクスウェル方程式の「形」が変わらないことが要請であり、計算した値が変わることは要請に反していないと思います。

全電荷量が系により変わるということは、∫D'~dx'~=Q(v)。

今のケースだと、電荷がvの奇数冪関数になり、全電荷が0となるある特別の慣性系が存在することを意味しています。
ですから、このことが全ての慣性系は同等とする相対性原理に反しているのではないかという疑問です。

 もし、電荷が変換されるものだとすると、静止系で電子の電荷qだとしたら、運動系では、電荷q'になるはずです。示された論法ですとこのことが考慮されておらず、自己矛盾を含んでいると思います。

ここで新しいパラドクスが提示しておきます。電場が見えるという論方を採用すると、電線に沿って運動する金属は、帯電した電線により分極を起こし電線に引き付けられる事になります。運動しなければ金属片に力は働きませんから矛盾です。

>電流が作り出す磁場は電流と垂直で、ローレンツ力=e(vB)sinθ なので、電流と垂直方向に運動する電子のローレンツ力はθ=π/2 となりゼロです。
 
 ローレンツ力はF~=q(v~×B~)で、ここでは、電流とB~とv~がそれぞれ直交するケースを考えています。
 大きさをのみを考える場合はe(vB)sinθでよろしいのですが、力の方向を無視するのは変ではありませんか?
 ちなみに、sinθ(π/2)=1ですからゼロではありませんけど。
 
 正しい論法なら、力の大きさとその方向をきちんと示せるはずです。

>電線電流の磁場はローレンツ収縮を議論しなければならないと思っております。
 ケースによって、ローレンツ収縮を使用したり、しなかったりするので、やはり、場当たり的な説明としか思えません。
 どのようなケースでも電磁場密度を変換してから勾配をとって力を求める論法が包括的だと思います。
 しかし、このような計算をした教科書を見たことがないですね。何か問題点が生じてしまうのでしょうか?

>確かに、ローレンツ収縮による説明は出来ません。
>この場合は横方向の力が f/γ となることから求めます。

うーん。やはりここがダブルスタンダードを用いたアンフェアな論法に思える点です。
力のローレンツ変換f~'=(fx-u(v~・f~) /c^2, fy/γ)/(1-uvx/c^2)によると、今のケースだと確かにf'y=fy/γなんですけど、
これをNo.200のケースに当てはめると計算結果のf'=fと矛盾します。

>しかし、ローレンツ変換に基づくものであることには変わりありません。

 ベクトル方向を無視した場当たり的な論法であり矛盾を含んでいるので、やはりローレンツ短縮を使用した説明は、間違っていると考えます。

T_NAKA - No.234
>一本の電線と外部電荷の関係は相対論で説明していて、二本の電線のケースになると相対論は使えないというのはオカシイと思います。

そうですよね。だからこそ、いろいろなケースがある中で一本の電線と外部電荷の関係のみしか説明できないローレンツ収縮に基づいた論法に疑問があるわけです。
ちなみに2本の電線のケースは電場と磁場を変換してからその力を求めるとγだけ大きくなってます。これは、力のローレンツ変換の一般的結果とあっています。


 ある特定の教科書の記述が全て正しいわけではありませんし、また、ローレンツ収縮による説明を採用していない教科書の方が多いように見受けられます。ですから、信じるのではなく、検討することが大切と考えます。

  投稿者:T_NAKA - 2006/07/17(Mon) 12:02  No.293  <Home>
ASAさん、こんにちは。

No.227にて

>一応私の考えを述べておきます。
>それ以上の理解をしているわけではありませんので、それに反論されても回答は出来ません。
>(つまり回答する力が無いので、あしからず。)

と宣言していますので、後はASAさんの考える正しい検討結果をご提示下さい。
(それに反論する気はありません)

  投稿者:T_NAKA - 2006/07/18(Tue) 02:10  No.295  <Home>
あまり、何も言わないのも失礼かも知れませんので、私の考えのみを述べます。
ASAさんの提示されたパラドックスは考えて(解決して)おりませんので、悪しからず。

なお、本当にこれ以上の考えは持っていません。ですから、これに対する矛盾点を突かれても反論はできかねます。
したがって、まずご自分の検討を結果をご提示下さい。

@電流・電荷(4元電流と言った方がわかり易い?)のローレンツ変換

j'_x=γ(j_x-vρ) , j'_y=j_y , j'_z=j_z , ρ'=γ{ρ-(v/c^2)i_x}

を考えて下さい。トータルの電荷は保存されていても、(外部電場を発生させない)電流と(外部電場を発生さる)電荷とに見える場合があると思います。(ρ=0でも 、ρ'=-γ(v/c^2)i_x という電荷は見えると思います。)

A電線を流れる電流の場合は、電荷間の距離があり、系によって見え方が異なります。(ローレンツ収縮)
しかし、単電荷同士では、(運動方向と垂直方向の)距離しかありませんので、ローレンツ収縮のしようがありません。
(これがダブルスタンダードだとは思いませんが。。)

B2本の導線間の力が1/γにならないのは、このケースが無限長の場合だからと考えます。
固定長であれば、電線自体がローレンツ収縮して全体の力が少なくなりますから。(←実は少し自信がない)