EMANの物理学 過去ログ No.114 〜

 ● 初めまして

  投稿者:HKM - 2006/06/19(Mon) 17:41  No.114 
初めまして。HKMと申します
大学に入って、今まであまりやったことのない物理の授業をとることになって困っていた時、
このサイトに来てすごく助かりました。
教科書が易しすぎるか難しすぎるかしかないなかで
とても分かりやすかったです。
これからも頑張ってください。  
 
ところで、非線形の振動子は重ね合わせの原理が成り立たない事を示せと言う設問が
持っている参考書にあったのですが、どうやればいいのでしょうか。
単振動の波動方程式のあたりに書いてあったのですが、
重ね合わせの原理が成り立たないのが非線形だ、としかないので何をすればいいのか
アドバイスお願いします。

  投稿者:ワイル - 2006/06/20(Tue) 00:03  No.115 
こんばんは

>>単振動の波動方程式のあたりに書いてあったのですが、
>>重ね合わせの原理が成り立たないのが非線形だ、としかない>>ので何をすればいいのか
>>アドバイスお願いします。

波動方程式の解をf(x)とします。
a,bを任意の定数とします。
すると、その解が線形なら、一般に
f(a・x+b・y) = a・f(x) + b・f(y)
が成立します(これが成り立つことが、重ね合わせが成り立
つといいます)。

元の波動方程式が非線形の場合、この関係が成り立たないこ
とを示せばよいです。

  投稿者:HKM - 2006/06/20(Tue) 04:09  No.117 
御親切な回答ありがとうございます。
重ねあわせが成り立つ、という状況がやっと分かったので
モウ大丈夫です。
本当にありがとうございました。


  投稿者:EMAN - 2006/06/20(Tue) 21:54  No.118 
 入力 x に対して出力が f(x) の時、ワイルさんの言われた条件で f(x) は線形な変換だと言えますが、f(x) が波動関数だとするとこの関数は f(x) = kx のようなものになってしまうのではないでしょうか?

  投稿者:murak - 2006/06/21(Wed) 03:15  No.119 
こんばんは。

質問者が既に納得しているのに蒸し返すのもなんですが。。。

> 入力 x に対して出力が f(x) の時、ワイルさんの言われた条件で f(x) は線形な変換だと言えますが、f(x) が波動関数だとするとこの関数は f(x) = kx のようなものになってしまうのではないでしょうか?

それは確かにそうですね。というか、単に言葉(概念)の使い方の問題なんですけれど、普通「重ね合わせの原理」の話をする場合は、考えている対象が何等かの方程式の解である場合が多いですね。波動方程式(あるいはもっと一般に偏微分方程式)の解の場合はそれが場所の関数になっているのが普通なので、それを f(x) 等と書くことにすれば、

[1] f(x), g(x) が共にある方程式の解であるとき、任意のスカラー定数 a, b に対して、 a*f(x)+b*g(x) もまたその方程式の解になっている

という性質があるとき、その方程式の解については「重ね合わせの原理」が成り立つという言い方をします。

もしHKMさんが線型代数の講義の中でベクトル空間(あるいは線型空間)の話を聞いたことが既にあれば、上の[1]の表現はベクトル空間の定義そのものに非常に似ている事に気づくと思います。つまり「重ね合わせの原理」が成り立つという物理的な言い方は数学的な言葉に翻訳すれば、考えている対象が線型空間を作るという言い方と同じになります。より状況に即した言い方をすると、本当はベクトル空間(線型空間)の中の部分ベクトル空間(部分線型空間)の定義と同じだと考える方が良いでしょう。

では、どのような場合に、方程式の解が部分ベクトル空間をつくるのでしょうか? ここで実はワイルさんが書かれた条件が生きてきます。端的に言えば、それは方程式そのものが、考えている対象(これをベクトルと呼ぶ)同志の間の線型変換により与えられている場合にそうなるのです。もう少し詳しく述べると

[2] ベクトル f,g,h・・・ の間の変換 L が線型であるとは、任意のスカラー定数 a, b に対し
   L(a*f+b*g) = a*L(f) + b*L(g)
が成立することをいう

であり、このとき更に次のこと(定理)が言えます。

[3] T をベクトル空間 X における任意の変換とし、方程式 T(f)=0 を満たすXの部分集合をTXと書くことにする。このとき、もし T が線型変換であれば TX は線型部分空間になる。一方逆に、TXが線型部分空間になっていれば、 T は線型変換である。

なので、参考書の設問というのは、(数学的にちゃんと解釈してやれば)この最後の定理[3]の後半部分を証明せよと言っているのです。ただし、このままだとちょっとやりにくいので、対偶をとって、「Tが線型変換でなければTXが線型部分空間にならない」を示せと言っているわけです。(ちなみに[3]の前半の証明は出来ますか?)

で、ここに言う線型変換 T の一般形としては P1,P2,・・・ 等を線形変換とするとき、 T= k1*P1 + k2*P2 + ・・・ のカタチをしたものに限られるというのが No.118 で EMANさんがおっしゃっていることです。(ここで P1,P2等は、微分作用素とか積分作用素です。普通は微分作用素(高階を含む)だと思っておけば良いでしょう)。 なので、非線形波動方程式の例としては、偏微分作用素の線型結合としては書かれていない方程式を探すということです。

長くなったので、このへんで。

  投稿者:EMAN - 2006/06/26(Mon) 20:50  No.143 
 murak さん、ありがとうございました。

> 質問者が既に納得しているのに蒸し返すのもなんですが。。。

 私が気になったことなので気にしないで下さい。 お陰ですっきりしました。 証明は暇を見つけて自分でやってみようと思います。

  投稿者:murak - 2006/06/27(Tue) 12:55  No.151 
なんかごちゃごちゃ書いてしまいましたが、本当に言いたかった事は、

f(x)をある関数方程式(波動方程式、偏微分方程式等)の解で xをその独立変数(時間や場所を表す変数)としたとき、方程式が線型であっても解fのx依存性は線型ではない(とは限らない)。方程式の線型性は個々の解関数(波動関数)に関して現れるのではなく、もう一つ上のレベル、すなわち解の集合(解空間)のレベルで見えてくる。

という事で、単にNo.118のEMANさんの発言(突っ込み?)を補強しただけです。でも質問者は、その前の解答によって納得しているので、これは一つの「こんにゃく問答」になっているのかな。。。

(と書きながら、自分の発言を見直したら、終わりのあたりでちょっと変な事言ってますね。他人の事は言えんよなあ>自分。)

なお、証明は単に形式的なものになるだけなので、わざわざやる程のものでもないですが。。。

  投稿者:HKM - 2006/06/30(Fri) 00:48  No.203 
既に御回答いただいた後も議論されていたとは知らず、遅くなりました。ごめんなさい。

>もしHKMさんが線型代数の講義の中でベクトル空間(あるいは線型空間)の話を聞いたことが既にあれば、
>上の[1]の表現はベクトル空間の定義そのものに非常に似ている事に気づくと思います。

すみません、まだ線形代数はやっていません。
講義内で出てきた線形結合の話を何とか消化するのでせいいいっぱいで・・・
結局、非線形の振動子の一例としてf(x)=-kx+αx2+βx3+…を利用し、解をx1,x2として代入すれば
数学的には何となく成り立たないことが証明できたのですが、
murakさんのおっしゃる線形変換やベクトル変換のお話とは違うような気がします。
これ以上やると数学のお話になってしまいそうなのですが、
こんな解決法でよかったのでしょうか・・・

  投稿者:murak - 2006/06/30(Fri) 03:04  No.205 
こんばんは。

> 既に御回答いただいた後も議論されていたとは知らず、遅くなりました。ごめんなさい。

私はしばしば、回答中に質問者そっちのけで勝手な暴走をする癖があるので気になさらないで下さい。(ん?いつもの事だって?) また、線型代数をまだ習ってないなら余計な事を言ったようですね。忘れてください。

ちなみに線型振動子といえば、運動方程式

  d^2x/dt^2 = -kx ・・・(1)

で定められる(力学)系の事でしょうか。この場合は常微分方程式なので解は時刻 t における位置を x(t) としたときの、x(t)の関数形を決めるという事になりますね。この場合は x1(t) 及びx2(t)を二つの解としたとき、

  y(t) = A*x1(t) + B*x2(t)

とおいてやると y(t) について

  d^2y/dt^2 = -k y

となって、丁度(1)式のxをyで置き換えたカタチになっているので、これもまた運動方程式(1)の解という事で、解の重ね合わせがきくという事になります。ところで、このx1(t),x2(t)に相当するものを具体的に求めてやると(例えば一例として)

  x1(t) = sin(√k*t)  ,  x2(t) = cos(√k*t)

のようなものが得られます。このx1(t),x2(t)は t の関数としては線型関数ではありませんが、運動方程式(1)の一般解は、これを用いて(線型結合)

  x(t) = A*x1(t) + B*x2(t) = A*sin(√kx) + B*cos(√kx)

のカタチに書けることになります(ちなみに定数A,Bは初期条件を与えると決まります)。(このことを少々勿体をつけた言い方で(1)の解空間は2次元の線型空間になると言いますが、忘れて下さい。)

さて、(1)の右辺を一般にf(x)として運動方程式を

  d^2x/dt^2 = f(x)

と書いておくと、非線型振動子とはf(x)として非線型関数、例えば

  f(x) = -k*x + α*x^2    ・・・(2)

のようなものをとった場合ですね。このときは x1(t),x2(t)が(2)の解であっても x1(t)+x2(t) 等が(2)の解とは限らないという事で、(そこをちゃんと示していれば)確かにHKMさんのやられた方針で間違っていないです。

  投稿者:murak - 2006/06/30(Fri) 03:14  No.206 
あ、ごめんなさい。非線形振動子の運動方程式は(2)じゃなくて、その上に書いた

  d^2x/dt^2 = f(x)    ・・・(3)

の方でしたね。(失礼しました)