EMANの物理学 過去ログ No.74 〜

 ● おひさしぶりです

  投稿者:100 - 2006/06/02(Fri) 10:20  No.74 
しばらく日本に帰っていました。

理研の新しいサイクロトロンや元原研のJ-PARCという施設も見学できました。理研の地下に、どでかい体育館の様な空洞があって、そこに世界最大の8000トンもあるサイクロトロンが設置されているのには圧倒されましたねぇ〜。で、J-PARCはもっと凄かったです。300メーターくらい続く直線加速器とこれを収める建屋。また、それに続く2段のシンクロトロンを収める地下のトンネル。ターゲットを収める巨大な建屋等など、いいもの見せてもらいました。J-PARCへ先に行っていたら、理研のサイクロトロンなんかちっちゃく見えていたに違いありません。

そういえば、今日の新聞にはやぶさの事が、久しぶりに載っていましたね。さりげなくイオンエンジンの試運転も行っていたような気配・・・。再起動できたんですねぇ。

なんだか日本の科学が熱い!と思いました。

  投稿者:明男 - 2006/06/03(Sat) 13:19  No.83 
>100さん、こんにちは。

加速器の実物は写真でしか見たことがありませんが、本当に巨大なものですね。まるで巨人アトラスが蟻を斧で叩き潰すようなイメージを受けます。
見ようによっては、将にMa○Scientistの夢のような装置ですね。
しかし、実は何と言ってもすごいのはイベントの情報処理能力でしょう。1秒間に数千万という信号を選別し、判定し、ランク付け、関連付ける。これほどのコンピュータの進歩がなければ、絶対に不可能だったでしょうね。システムが複雑になればなるほど入力データと出力の間にノイズが混ざりこみ、結局藁の中から針を探す、の様相を呈することになるようです。

最近はやはり、施設は長大になるけれども、リニアックに軍配が上がっているようですね。私としては陽子よりも電子やフォトンのCollisionを選択した日本は賢いと思いますね。レプトンの衝突では余分なチャンネルが少ないし、精度も高い。

はやぶさの話題は久しぶりですね。引っ越していった親戚が1年飛ばして、暑中見舞いをくれたみたいな・・・。おー、元気でやっとるか。近くへ来たら知らせろよ、なんて風に返事書くかな。そのころには又忘れてるけど。

  投稿者:100 - 2006/06/05(Mon) 05:04  No.87 
イベントの情報処理能力ですか!考えが及びませんでした。
確かに明男さんのおっしゃるとおりですねぇ。ただちょっと思ったのは、それは情報をデジタル化しているゆえの宿命ではないかと。アナログではデータ解析が大変そうですが。

明男さんが電子やフォトンとおっしゃられておられる背景をご説明いただけませんか?不勉強で何についておっしゃられておられるのかが、いまいちわかりません。実は、僕は理研やJ-PARCでは重イオンから中性子までの重い粒子の研究も盛んだったような印象を受けましたので。

  投稿者:明男 - 2006/06/05(Mon) 09:06  No.88 
こんにちは。

これは、言葉不足でした。J-PARKを始め、これからの加速器は日本もハドロンコライダーを建設していく向きもあるようですが、私達の若いころ、実験物理の施設は巨大化し大型加速器はCERNなど国際研究機構に参加する形でしか先端の研究はできないものと思っていました。
実際、一国の経済力で超巨大加速器を建設することには無理があることと、いくつも同じようなスペックのものを競い合うことには経済的に無駄があるという判断だったのでしょう。
そんな中で、日本が独自に他の施設ではできない種類の実験設備を建設すれば、他国との相補的役割として、意味ある研究課題に取り組める、独自路線を歩める可能性が高いわけです。

今日の日本の高エネルギー加速器といえば、KEKのトリスタンとSpring-8に代表されるように、トリスタンは電子-陽電子加速器ですし、Spring-8は放射光の施設であり、世界に比してもユニークな成果を発表し続けています。
エネルギーのわりには(もちろんハドロンのほうが衝突エネルギーは桁違いに大きいですが、加速器も強大にならざるを得ません)、利点の大きな実験が可能です。
しかしJ-PARKの建設は、日本の果たすべき役割と国際的威信を思えば、世界に対して提供できる施設の建設として喜ばしいことであると思います。ただ、ハドロンコライダーで中途半端なエネルギーのものを建設するのでは上記の意味で利点は少なく、最先端に近い巨大エネルギーの実現には、それに見合う巨大設備、費用がかかることは当然覚悟しなければならないでしょう。
また、将来計画として、日本は電子-陽電子タイプのTeVリニアコライダーの構想がある(GLC,ILC)ようですが、前記の理由から、私としては無理にハドロンのコライダーを競争開発するより、懸命な選択だと思う訳です。