EMANの物理学 過去ログ No.33 〜

 ● エーテル

  投稿者:ワイル - 2006/05/28(Sun) 12:12  No.33 
EMANさんの「ベルの不等式」におけるエーテルについての記述
への賛成論です。
http://homepage2.nifty.com/eman/quantum/bell.html

>> エーテルを口にする者をそのことだけで疑似科学者と決め
>>付け、相対論は絶対的に正しいなどと盲信し主流派に紛れて
>>いい気になっている「科学フリーク」たちは、その時に自分
>>の馬鹿さを見ることになるだろう。 自分の馬鹿さに気付け
>>ば良いが、おそらく「世界が自分を裏切った」のだとまた誤
>>解するのだろう。

>>アスペがエーテルのことを少し口にしたというくらいの事
>>で、相対論否定論者は自分の手柄のように喜ぶな、騒ぐな、
>>勝ち誇るな。 恥ずかしいから。

>> 多くの科学者がエーテルという言葉そのものにやたら神経
>>質になっているのは、エーテルと口にする人全体の平均レベ
>>ルが非常に低いからだ。 

相対論や量子論が登場する20世紀初めまでの多くの科学者たち
が考えていた「エーテル」というのは、音波に対する空気の
ように、いわゆる古典的な物質としてのエーテルです。
それは現在にいたるまで、実験的・観測的にも「検出」されて
いません。
また、相対論や量子論の登場によって否定されてのも、あくま
で、このような古典的な物質としてのエーテルです。

一方、相対論と量子論の登場によって、場(電磁場、ゲージ
場、重力場、物質場)とか量子(光子、重力子、ゲージ粒子、
レプトン、クォークなど)といったものが登場していますが、
これらは新しい形・姿のエーテル、と思えます。

特に、ディラック以降の相対論的量子力学や場の量子論にお
いては、古典論において「何も無い状態」とされていた真空
であっても「粒子と反粒子とが生成と消滅を繰り返す、エネ
ルギーに満ちた存在」と変わったわけです(そして、そのこ
とは「カシミール効果」の実験によって実証もされています
)。

さらに超ひも理論やループ量子重力理論などの現代の量子重
力理論においては、高次元の「超ひも」とか「スピン・ネッ
トワーク」といった概念が導入されていますが、これらも、
さらに新しい現代的な姿のエーテルといえるのでは、と思え
ます。

現時点では、電磁波(光)や重力波などを伝えるのは、
「空間や時間そのものである」というのが、多くのまともな
科学者たちの考えである、ということです(長島順清氏の著
書における記述から)。

しかし、相対論擁護派であれ、相対論否定派であれ、多くの
人たちが口にしているエーテルというのは、相対論・量子論
登場以前の、古典的な物質としてのエーテルでしかない、と
思います。

アインシュタインやハイゼンベルク、ディラックらの発言を
みても、古典的な物質としてのエーテルは否定していますが、
場とか量子などといった新しい形・姿のエーテルについては
否定するどころか、肯定すらしているのです。

しかし、多くの相対論の解説書などでの記述も、「相対論は
エーテルの存在を否定した」と書かれていることが多く、
これでは、エーテルの存在が(全面的に)否定された、とい
うような印象を与えてしまうと思います。

相対論や量子論の登場によって、古典的な物質としてのエー
テルは否定されましたが、相対論と量子論の登場によって、
場とか量子などの新しい形・姿としてのエーテルが登場して
きていますし、アインシュタインやハイゼンベルクたちも、
それは否定していないのです。

いいですか、20世紀初めまでの科学者たちが考えていた古
典的な物質としてエーテルは、いまだに検出もされていない
し、否定されていますが、現代物理では、場とか量子、ある
いは超ひもやスピン・ネットワークといった、新しい形・姿
で、「エーテル」の考えは生きている、といえるのです。

相対論的量子論や量子重力理論などにおける、この新しい形
・姿のエーテルというのは、20世紀はじめまでの古典的な
物質としてエーテルのような、我々人間にとって具体的な形
・姿のわかる存在ではなく、もっと抽象的な形・姿のエーテ
ルだと思います。
だから、相対論擁護派であれ相対論否定派であれ、多くの人
たちにとって、古典的・具体的なエーテルは理解しやすいが、
新しい抽象的なエーテルは理解が難しいもの、ともいえます。

しかし、くどいようですが、相対論擁護派であれ相対論否定
派であれ、大部分の人たちが口にしている(古典的・具体的
な)エーテルというのは、レベルが、というより、現代物理
における(新しい・抽象的な)エーテルの形・姿からすれば、
あまりにも古いものでしかないのです。

まともな科学において、「完全な否定」というのは、非常に
難しいものである、といえます(古い時代の理論や実験・
観測技術では、その存在の実証が困難なものでも、新しい進
んだ理論や実験・観測技術によって、新しい形・姿で実証さ
れることは、ありえる話なのです)。

  投稿者:EMAN - 2006/05/29(Mon) 12:46  No.46 
> EMANさんの「ベルの不等式」におけるエーテルについての記述への賛成論です。


 ありがとうございます。

 今回の記事は、古い書きかけ原稿を急遽仕上げたものです。 久しぶりに読み返してみたら、ワイルさんが好きそうな話が色々と書かれているなぁ、と面白く思って勢いで書き上げました。

 ワイルさんから感想を頂けたのはまさに目的通り、ということです。


 すでにかなり完成に近いところまで書かれていたのに、何らかの理由ですぐに発表するのをとどまったようです。 その理由は思い出せませんが、詰めの甘い部分がかなり含まれていそうだと不安には思っております。

 まぁ、どんなに念入りに書いても後から色々不備が出てくるものなので、今は気にしないで皆さんに意見をうかがって、恥ずかしさに耐えられなくなった段階で直そうと思っています。

 (実はこっそり少しずつ加筆しております。)


 先週末、摂動論の記事のところで、積分の式に全部アスタリスクが抜けているという指摘がありまして・・・。 これはケアレスですからそれほどでもありませんけど、ちょっと恥ずかしいですね。


  投稿者:ワイル - 2006/05/31(Wed) 22:38  No.64 
トンデモな話は別にしても、古典電磁気学ではベクトル解析
を、相対論やゲージ理論ではテンソル解析を使いますね?

ベクトル解析は、電磁気より身近なところでは、空気や水など
を扱った流体力学でも使いますね?
div(発散)は、空気や水などの流体の「湧き出し」のイメージ
だし、rotやcurl(回転)は、いわゆる「渦」のイメージです


一方、テンソル解析は、弾性力学ですね?
弾性力学において、材料や金属といった弾性体の「歪み」を
表す道具として、テンソルが使われます。
一般相対論やゲージ理論でも、時空や内部空間の歪みを表す
道具としてテンソルが使われています。

電磁気学や相対論、ゲージ理論でも、ベクトルやテンソルを
用いることで、流体や弾性体のイメージで、電磁場、ゲージ
場、重力場といった「場」を扱っているわけです。
ただ、現実の流体や弾性体は3次元の存在、一方、電磁場、
ゲージ場、重力場は、4次元時空における存在、というわけ
ですが、それは、電磁場、ゲージ場、重力場といった場の扱
いの裏には、やはり、一種のエーテルのような存在が考えら
れていたのではないでしょうか、と想像したくなります。